聖女は競馬で負けた婚約者によって隣国に売られてしまいました。

「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「君がヘルメース神の聖女エルサか?
 ふむ、濡羽色の腰まであるストレートの髪は、まあ、魅力的だな。
 漆黒瞳は引き込まれそうな感じがしていい。
 透き通るような白磁色の肌は、金になるかもしれん」

 何を言っているのでしょう、この軽薄そうな男は。
 実家の家格は男爵でしかありませんが、フェラード王国の守護神ヘルメース様に聖女に選ばれた事で、ヴィンセント王太子殿下の婚約者に選ばれているのです。
 それを商売女のように値踏みするなんて、失礼極まりないです!
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