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第一章
第37話:幕間5
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ヴァロア王国中に古代氷竜の噂と快復薬、さらに肉と脂と塩が十分に広まった。
流行の兆しが見えていた疫病、実際には各種ビタミン欠乏症は収まった。
国民の間に将来の希望が見えて安堵が広まりかけた頃、王都周辺に膨大な数の魔物が現われ、一斉に王都に向かって来た。
魔物の出現がもう少し早ければ、民は絶望感に圧し潰されていただろう。
だが今の王都には大量の肉と脂と塩が備蓄されている事を民は知っていた。
何ヶ月籠城しても、飢える事がないと安心する事ができた。
王都を護る各種兵団も、食料不足を考えて、無理に決戦を急がなければいけないという負担がなくなっていた。
何より王都には4人の勇者がいた。
王家の将兵と民に心から信頼されている4人の勇者がいるのだ。
彼らが先頭に立って大量の魔物に戦いを挑んだ。
絶対に人では立ち向かえない強力な魔物を剣の勇者と槍の勇者が直接対決で屠る。
各兵団長でも苦戦しそうな魔物は魔術の勇者が遠距離攻撃魔術で屠る。
治癒の勇者が負傷した将兵を回復させる。
遠征が可能な兵団が王都城壁の外に出て戦っている。
騎士団は騎馬の機動力を使って魔物を翻弄しながら屠る。
重装歩兵団が勇者様を護ろうと盾となる。
弓兵団ができるだけ遠距離で魔物の体力を削る努力を重ねる。
投石兵団も同じように遠距離から魔物の体力を削る。
魔術士団は臨機応変に攻撃と治癒を使い分ける。
城壁の上から自衛団が声援を送っていた。
万が一魔物が各兵団を突破した場合に備えていたが、そんな心配がいらないくらい、各兵団は勇猛果敢に戦っていた。
だがそれでも、勇者達や兵団の防御を縫うように魔物が城壁に取り付く。
そんな魔物達を自衛団が投石で落としている。
勇者達の奮戦で王都を護りきれるかと思われた時、新たな敵が現れた。
古代竜ほど大きくはないし、空を飛ぶ事もできない。
大きさは頭から尻尾まで入れても精々10メートルほどしかない。
だが地竜種のようで、古代竜や飛竜種よりも胴回りが太く圧力があった。
そんな竜型魔物が、南の城門前を護っていた歩兵団に突っ込んでいった。
地竜型魔物の出現に勇者達は臨機応変の対応をした。
直衛の護衛隊だけを引き連れて城門前に駆けつけた。
駆けつけながら魔力を惜しまず遠距離攻撃を叩き込んだ。
竜型魔物が痛みの余り絶叫を放つ。
剣の勇者と槍の勇者が武器を振るって止めを刺そうとする。
そんな時に、東、西、北の城門前にも竜型魔物が現れて、護っていた歩兵団を急襲して、一気に城門が突破されるかもしれない危険な状態となった。
しかも中小の魔物がどこからともなく出現して襲ってきた。
各兵団の団長は、ここが勝敗の重大な岐路だと判断した。
各兵団が目の前の敵に向かって突撃した。
彼らはわずかな時間を稼ぐことに命を賭けた。
時間稼ぎさえできれば、勇者様達が地竜型魔物を斃してくれると信じて。
中小の魔物に地竜型魔物と戦う勇者様達の邪魔をさせないために。
王都は人間が生き残りをかけて死力を尽くす戦いの場となっていた。
流行の兆しが見えていた疫病、実際には各種ビタミン欠乏症は収まった。
国民の間に将来の希望が見えて安堵が広まりかけた頃、王都周辺に膨大な数の魔物が現われ、一斉に王都に向かって来た。
魔物の出現がもう少し早ければ、民は絶望感に圧し潰されていただろう。
だが今の王都には大量の肉と脂と塩が備蓄されている事を民は知っていた。
何ヶ月籠城しても、飢える事がないと安心する事ができた。
王都を護る各種兵団も、食料不足を考えて、無理に決戦を急がなければいけないという負担がなくなっていた。
何より王都には4人の勇者がいた。
王家の将兵と民に心から信頼されている4人の勇者がいるのだ。
彼らが先頭に立って大量の魔物に戦いを挑んだ。
絶対に人では立ち向かえない強力な魔物を剣の勇者と槍の勇者が直接対決で屠る。
各兵団長でも苦戦しそうな魔物は魔術の勇者が遠距離攻撃魔術で屠る。
治癒の勇者が負傷した将兵を回復させる。
遠征が可能な兵団が王都城壁の外に出て戦っている。
騎士団は騎馬の機動力を使って魔物を翻弄しながら屠る。
重装歩兵団が勇者様を護ろうと盾となる。
弓兵団ができるだけ遠距離で魔物の体力を削る努力を重ねる。
投石兵団も同じように遠距離から魔物の体力を削る。
魔術士団は臨機応変に攻撃と治癒を使い分ける。
城壁の上から自衛団が声援を送っていた。
万が一魔物が各兵団を突破した場合に備えていたが、そんな心配がいらないくらい、各兵団は勇猛果敢に戦っていた。
だがそれでも、勇者達や兵団の防御を縫うように魔物が城壁に取り付く。
そんな魔物達を自衛団が投石で落としている。
勇者達の奮戦で王都を護りきれるかと思われた時、新たな敵が現れた。
古代竜ほど大きくはないし、空を飛ぶ事もできない。
大きさは頭から尻尾まで入れても精々10メートルほどしかない。
だが地竜種のようで、古代竜や飛竜種よりも胴回りが太く圧力があった。
そんな竜型魔物が、南の城門前を護っていた歩兵団に突っ込んでいった。
地竜型魔物の出現に勇者達は臨機応変の対応をした。
直衛の護衛隊だけを引き連れて城門前に駆けつけた。
駆けつけながら魔力を惜しまず遠距離攻撃を叩き込んだ。
竜型魔物が痛みの余り絶叫を放つ。
剣の勇者と槍の勇者が武器を振るって止めを刺そうとする。
そんな時に、東、西、北の城門前にも竜型魔物が現れて、護っていた歩兵団を急襲して、一気に城門が突破されるかもしれない危険な状態となった。
しかも中小の魔物がどこからともなく出現して襲ってきた。
各兵団の団長は、ここが勝敗の重大な岐路だと判断した。
各兵団が目の前の敵に向かって突撃した。
彼らはわずかな時間を稼ぐことに命を賭けた。
時間稼ぎさえできれば、勇者様達が地竜型魔物を斃してくれると信じて。
中小の魔物に地竜型魔物と戦う勇者様達の邪魔をさせないために。
王都は人間が生き残りをかけて死力を尽くす戦いの場となっていた。
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