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第一章
第2話:冷酷カップル
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「宜しいのでございますか、ガリウス王太子殿下。
仮にも婚約者であった娘、少しは情をかけてあげた方が宜しいのでわ?」
ガリウス王太子の真の婚約者、イターリ公爵家令嬢ティエリアが声をかける。
だがその表情にも声色にも、シルヴィアへの情が全く感じられない。
むしろこの状況を面白がっているようだった。
王太子へ言葉も、シルヴィアへの救いを差し伸べるためのモノではなく、逆に罵りの言葉を引き出すためのモノだった。
「ふん、分かっているくせに、白々しい奴だな。
あの女を口説いたのは、国王陛下の命令で仕方なくやったことだ。
そうでなければ、誰があんな成長不良の幼女もどきを口説くものか。
俺はおままごとがしたいわけではない、恋がしたいのだよ」
「まあ、私を前にして、恋がしたいだなんて、焼ける事を申されるのですね。
私という者がありながら、そのような事を口にされるなんて」
「愛人を作って宜しくやっている女が、よくそんな事を口にできる。
まあ、家同士の繋がりは大切だからな、子供はお前に生んでもらうよ。
結婚式が終わって、男を二人生むまでは、愛人はひかえろよ」
「分かっておりますわ、ガリウス王太子殿下。
今まで私が一度でもしくじった事がございましたか?」
「おや、私が聞いた話では、十三歳の幼さで陛下の御子を身籠り、水に流した公爵令嬢がいたという話だが、私の勘違いであったかな?」
「ええ、勘違いでございますとも、ガリウス王太子殿下。
わずか十三歳のいたいけな少女を妊娠させるような失敗を、どこの国の陛下がなされるというのでしょうか?
そのような根も葉もない噂をしていたら、王太子の座を弟王子に奪われるか方があらわれるかもしれませんわよ」
「くっくっくっく、自分の子だと思っていたらら、実は弟だったと分かったら、心が壊れてしまうかもしれないな」
「ええ、そうでございますとも、世の中には知らない方がいい事が沢山ございます。
殿下も陛下のようになられませんように、心から願っておりますわ」
似合いのカップルとは、ガリウス王太子とティエリア嬢の事かもしれない。
彼らもそれぞれの地獄を見てきたのかもしれないが、それにしても、シルヴィアに対する優しさ、思い遣り、情が全くなかった。
まだ生きているのに、全く情をかけられることなく、まるで荷物のように、墓地に向かって運ばれていくシルヴィアに、嘲笑を向ける二人だった。
いや、二人だけではなく、王宮にいる全てのモノに、人間性のかけらも感じられなかった。
そんな連中を、増悪と蔑みの目で見ている者がいた。
仮にも婚約者であった娘、少しは情をかけてあげた方が宜しいのでわ?」
ガリウス王太子の真の婚約者、イターリ公爵家令嬢ティエリアが声をかける。
だがその表情にも声色にも、シルヴィアへの情が全く感じられない。
むしろこの状況を面白がっているようだった。
王太子へ言葉も、シルヴィアへの救いを差し伸べるためのモノではなく、逆に罵りの言葉を引き出すためのモノだった。
「ふん、分かっているくせに、白々しい奴だな。
あの女を口説いたのは、国王陛下の命令で仕方なくやったことだ。
そうでなければ、誰があんな成長不良の幼女もどきを口説くものか。
俺はおままごとがしたいわけではない、恋がしたいのだよ」
「まあ、私を前にして、恋がしたいだなんて、焼ける事を申されるのですね。
私という者がありながら、そのような事を口にされるなんて」
「愛人を作って宜しくやっている女が、よくそんな事を口にできる。
まあ、家同士の繋がりは大切だからな、子供はお前に生んでもらうよ。
結婚式が終わって、男を二人生むまでは、愛人はひかえろよ」
「分かっておりますわ、ガリウス王太子殿下。
今まで私が一度でもしくじった事がございましたか?」
「おや、私が聞いた話では、十三歳の幼さで陛下の御子を身籠り、水に流した公爵令嬢がいたという話だが、私の勘違いであったかな?」
「ええ、勘違いでございますとも、ガリウス王太子殿下。
わずか十三歳のいたいけな少女を妊娠させるような失敗を、どこの国の陛下がなされるというのでしょうか?
そのような根も葉もない噂をしていたら、王太子の座を弟王子に奪われるか方があらわれるかもしれませんわよ」
「くっくっくっく、自分の子だと思っていたらら、実は弟だったと分かったら、心が壊れてしまうかもしれないな」
「ええ、そうでございますとも、世の中には知らない方がいい事が沢山ございます。
殿下も陛下のようになられませんように、心から願っておりますわ」
似合いのカップルとは、ガリウス王太子とティエリア嬢の事かもしれない。
彼らもそれぞれの地獄を見てきたのかもしれないが、それにしても、シルヴィアに対する優しさ、思い遣り、情が全くなかった。
まだ生きているのに、全く情をかけられることなく、まるで荷物のように、墓地に向かって運ばれていくシルヴィアに、嘲笑を向ける二人だった。
いや、二人だけではなく、王宮にいる全てのモノに、人間性のかけらも感じられなかった。
そんな連中を、増悪と蔑みの目で見ている者がいた。
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