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6 彼の妻になりました♡

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 夫と迎える、初めての夜。
 緊張はしていますけど、それよりも喜びの方が大きいです。

「だいてください。あなたのつまに、してください」

 わたしのお願いに彼は頷いて、

「きゃっ!」

 軽々とわたしを抱き上げると、ベッドへと運んで横にさせました。
 短い間だったけど、お姫さまだっこされちゃった。
 ベッドに仰向けになるわたしを閉じ込めるように、フレイクさんが身体を上に置きます。

「愛してるよ。ココネ」

 いいものですねー。
 大好きな人から、愛してるっていってもらえるのは。

「はい、フレイクさま。わたしも、あいしています」

 わたしの返事にフレイクさんはちょっと困った顔をしました。

 なぜでしょうか?

「なぁ、ココネ」

「は、はい?」

「その、さまっていうの、やめないか?」

 と、いわれましても。
 公爵の妻とはいえ、公爵位にある夫を呼び捨てにはできません。普通は公爵夫人であっても、夫である公爵の名は「さま付け」で呼ぶものです。

「フレイクでいい。夫婦の時間は、名前で呼び合いたい」

 夫婦の時間ですって!
 ちょっとおしゃれないい方です。
 えっと……要するにです。
 ふたりきりのときは、呼び捨てにしたいし、されたいってことですよね?
 なんですか? 可愛い旦那さまですねー。
 わたしはにっこりと子どもっぽく微笑んで、

「フレイクっ♡」

 甘えた声で彼の名を呼びました。
 初めて、呼び捨てにして。

「う、うん」

 かわいいっ! なに? 照れてるの!?
 お顔真っ赤ですよ?
 わたしも恥ずかしくなっちゃいますよ!
 彼は軽く頭を振って、

「とっていい?」

 わたしのパンツ……ショーツ? もっと可愛いいい方ないですかね。
 あー、ないですね。
 パンツでいいです。パンツに手をかけます。

「そんなこと、きかないで」

 あなたの自由にして。わたしは表情だけで、そう伝えます。
 わたしの思いはちゃんと伝ったみたいで、彼の手が最後の一枚下げていき、わたしを剥き身にしていきます。
 彼が脱がせやすいように、わたしも脚を動かして……っと。

「ぁっ……」

 取られちゃいました。
 わたしは初めて、夫の前にすべてを晒します。
 でもそこで、彼の動きが止まりました。
 どうすればいいのか、わからないのでしょうか。
 そういえば、彼は初めてなんでしょうか。
 わたしはこれが初めてですけど、彼はどうなんでしょう?
 気にはなりますが、気にしない方がいいかもしれません。
 なにせ夫は美男子で、公爵家の生まれなんですから、いい寄ってくる女はたくさんいたでしょうし。

「ココネ」

 名を呼ばれる。

「はい」

 返事をするわたしに、

「私はその……これが初めてだから、なにか失礼なことをしてしまうかもしれない。先に、謝っておく」

 は? 初めて……なんですか?
 ちょっと信じられませんけど、とっても嬉しいです。

「わたしもですよ? わたしも、はじめてです。いっしょですね」

 意識して可愛らしくいってみた。
 子どもだから、なにもわかっていない。
 そう思ってもらえるように。
 わたしの言葉にフレイクさんは、笑いながらおでこにキスしてきました。

「おでこだけですか?」

 不満げにいってみると、深いキスをしてくれた。
 そのキスの最中。
 わたしは夫を受け入れるために、大きく脚を開きました。
 欲情が丸わかりの、恥ずかしい格好です。
 だけどわたしは、なにも恥ずかしくはありませんでした。
 彼にきてほしくて、彼の愛の証を受け入れたくて仕方ありませんでした。
 キスが終わり、彼が開かれたわたしの股間に忍び込んできます。

「無理はさせたくない。わかるね?」

 彼がいう。
 わたしはうなずきながらも、

「すこしは、むりしますよ?」

 夫の手が、わたしの未開部分にあてがわれる。
 くすぐったい。
 そう思ったのは少しだけで、

 くにゅっ

 わたしの中心に潜るように、彼の指が肌のわれめをなぞり、

 びくんっ!

 勝手に腰が跳ね、わたしはまだ蕾の花を、自分から夫の指に押しつけてしまいました。

「……はぁー」

 なんでしょうか。

 大きく息を吐くフレイクさん。

「どう、しましたか?」

 フレイクさんは困ったような顔をして、

「見せて欲しい」

 といった。

「なにをです?」

 聞いてから思いいたった。
 あそこに決まってるじゃないですか!

「あ、あの……どうぞ、ごらんください」

 恥ずかしいけれど、恥ずかしくない。
 不思議な感覚です。
 フレイクさんは一度身体を引き、わたしは自分から股間の扉を開いて、中の蕾を彼に晒しました。
 恥ずかしい。でも、ちゃんと見てほしい。
 見せてっていったのは、あなたでしょ?
 わたしのこれが、見たいんでしょ?
 だったら、ちゃんと見てください。
 固まったように身動きしないフレイクさん。
 見て……は、いるようですけど、なんでしょう?
 初めてだから、わからないのでしょうか。
 わたしも彼の部分のこと、よくわかりませんし。

「ここ、ですよ?」

 わたしは彼に示します。
 挿入をまっているあたりにくにっと指を当て、そこが少し広がって見えるように。
 入れる場所が、はっきり見えるように。

「小さい……ね」

 それは、仕方ないです。
 小さいというか、狭いというべきです。

「まだ、子どもですから」

 フレイクさんは天を見上げるようにして数秒固まってから、お顔をわたしにむけると、

「ちゃんとは、できないかもしれない」

 その意味は、なんとなくわかりました。
 わたしも勉強しましたから、子作りの。お母さまのスパルタ教育を受けながら。
 確かに今のわたしでは、フレイクさんのをすべて受け入れることができないでしょう。でも先っぽだけなら、なんとかなりませんかね?

「先っぽだけでも、男性はとても気持ち良くなれるのです」

 と、お母さまはいってましたし、手本にした「年若くして妻となる令嬢のための子作り教本」にも、そのようなことが書かれていました。

「できるかぎりでいいので、してください」

 わたしは伝え、彼に向かって脚を持ち上げて股を開き、こんなのおしりの穴まで見えてそうなのに、それでも夫を迎える姿勢をとりました。
 なんだか、想像していた初夜のロマンチックな感じとは違う気がしますが、それでも夫と繋がりたいと思いました。
 ちゃんとじゃなくていいです。
 少しでもいいです。
 わたしは、あなたを受けいれたい。
 今夜、あなたの妻になりたい。
 わたしの決意というか望みをわかってくれたのか、フレイクさんがわたしに覆いかぶさってきました。
 開いた股に下半身を入れ、そそりたったままの部分をわたしの股間に近づけてきます。
 彼は時間をかけて身体の位置を調節して、わたしの脚を自分の太ももに乗せました。
 そして自分で部分の位置を調節しながら、先端をわたしの中心へと当てがいます。

「本当に、きみを苦しめたくないんだ。無理なら、そういってほしい」

 わたしは笑顔でうなずいて、

「あなたがわたしを大切におもってくれているのは、わかっています。ほんとうにうれしいです。あいして……います」

 自分から彼に、花の蕾を押しつけました。
 自分で腰の位置を探りながら、彼の先端に喰らいつこうとします。

 ぐちゅぅ……

 ここです。
 そう、わかりました。
 わたしはフレイクさんに、

「ここ、ですよ? きて……」

 囁きました。
 そうはいってもわたしの幼い蕾で、彼を迎えられるのでしょうか。
 成熟していたはずの前世でも、誰も迎えたことはありませんでしたのに。
 これが、わたしの初めて。
 喪女でよかったと思ったのは、これが初めてかもしれません。
 このときのために、わたしは前世から純潔を守ってきたのだと思えましたから。
 フレイクさん。
 あなたに捧げるために、わたしは……。
 フレイクさんは一度ギュッと目を閉じて、数秒後まぶたを開くと、

「私は男です。愛する人とここまで進んでおいて、途中でやめるなんてできませんよ?」

「わたしはおんなです。あいして……ください」

 今度は、わたしが目を閉じました。
 フレイクさんの下腹部が、押しつけられます。

「……んくっ」

 その重みに、思わず声が出てしまいました。
 でもフレイクさんは押さえつけるように、わたしに埋まろうとしてきます。

 ぎちぃ……っ

 蕾のあたりに、裂けるような痛みが走りました。
 わたしは両手で口を覆い、痛みの声を噛み殺します。
 こんな声、フレイクさんには聞かせられません。

 ギッ、ぐいっ、ぐっ、ギチぃっ

 わたしの狭い場所を無理に広げるように、フレイクさんの先端が刺さってきます。
 でもわたしの幼い身体は、それでも彼を受け入れようとはしてくれません。
 それは彼にもわかるのでしょう。フレイクさんは繰り返し、わたしを押さえつけのしかかります。
 これ以上は、無理。
 わたしにはわかりました。
 まだほんの少ししか、夫を受け入れられていません。
 先端の半分もまだでしょう。ですがわたしの入り口は、もうこれ以上は広がってくれません。自分でもわかってしまいました。

「……ココネ」

 夫が腰を停止させ、わたしの名を口にします。
 無理だと、判断したのでしょう。
 わたしは首を横に振って、

「こ、このまま……」

 いやだ。痛くていい。
 痛くしてほしい。
 あなたがくれる痛みだから。
 あなたの妻になるための、あなたの女になるための痛みなら、それをわたしに与えてほしい。
 泣きたくないのに、涙が溢れてくる。

「いたく、ない……ひっくっ、ちがうの……いたく、ても……ひっく、ほ、ほしいの……」

 ゆっくりと、夫の腰が動きを再開する。
 本当にゆっくりと、優しく押してくる。

「大丈夫だよ、やめない」

「は、はい。して……ください」

「このままでも、ココネはすごく気持ちいいよ」

 少ししか入ってないのに、気持ちいいの?
 これだけでも、わたしを感じてくれてるの?
 わたしの身体を、気持ちいいと思ってくれてるの?
 ちゃんと受け入れられてはいない。
 自分でもそれはわかっていた。
 だけど、徐々にフレイクさんの動きがスピードを増し、ほんの入り口なのはわたしにもわかっていたけど、

「コ、ココネ……ッ!」

 今のわたしの精一杯を、フレイクさんは感じてくれた。

「フレイクっ♡」

 その彼の高ぶりを、わたしは感じることができた。
 わたしの声に応えるように、

 ビュクっ! びゅくびゅるビュクンっ!

 彼は腰を跳ねさせながら、わたしへとたくさんの愛をぶつけてくれました。
 温かな彼のほとばしり。
 そのほとんどを、わたしの幼い身体は受け入れられませんでしたが、それでも少しは彼の雫がわたしの体内へと入ってきたことは感じられました。
 わたしは、わたしの中心へと溢れた彼の想いを、受け取ることができました。

 この夜。わたしたちは、ちゃんと夫婦になれました。

【End】
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