60 / 100
第二章
国立公園
マーガレットはギルバートに連れられて、シルベスタ国立公園に来ていた。
そこは大きな公園なのに、人は疎らだった。
「この公園は皆に開放されているのだが、あまり人気のない場所でね…さぁ、石碑は公園の中央にあるから、ゆっくり歩きながら行こう」
ギルバートはそう言って、ゆっくりと歩き始めた。
色とりどりに咲く綺麗な花や、緑の生い茂った草木。ここだけ時間がゆっくり過ぎていくような、そんな公園だった。
暫く歩くと一面に青い花が咲き乱れていた。
「こんなに素敵な公園なのに、訪れる方は少ないのね…」
マーガレットは綺麗に咲く青い花を見て、そっとため息を吐いた。
「わざわざ訪れる人もいないのだろう。国が大きくなると、自然よりも発展に力を入れやすいからね。貧しくて生きる事に精一杯の者もいる。皆は働くばかりで、自然を眺めて過ごす余裕もないのだろうね。私は民達の心に余裕ができて、今の私達のように、大切な人とゆっくり過ごせる時間が持てる、そんな国にしていきたいと思っているよ」
「ご立派なお考えだわ。その様な国になると良いわね」
マーガレットはギルバートに感心しながらも、老人の言葉を思い出していた。
(当時の人々も心に余裕が無かったのかしら…?だから欲張ってしまったのね…あら?どうしたのかしら?)
ギルバートは歩きながらも、どこか落ち着かない様子だったのだ。
ギルバートが立ち止まったので、マーガレットも歩くのを止めた。
「マーガレット嬢、もう一つの石碑は少し遠い場所にある。その…もし良ければ一緒に…」
― ピーピー
ギルバートが話し終わる前に聞き覚えのある鳴き声が聞こえたマーガレットは、そちらに意識を取られてしまった。
「まぁ、ユース。ここに来てはいけないわ」
ユースがマーガレット達の頭上を飛び、石碑の上に止まっていた。
マーガレットは焦った。
国立公園には飼われている動物は入ってはいけないのだ。しかも、ユースは石碑の上にいる。
「ユース、石碑の上に乗っては駄目よ。こちらにいらっしゃい」
― ピー
ユースはマーガレットの肩に飛び乗った。
「この子は宿に残して来たのだけれど…」
申し訳ないと謝るマーガレットに、ギルバートは笑って返事をしたが、遠い目をしていた。
「鳥だからね、仕方がないよ。きっと飛んで来てしまったのだろう。はははは、はぁ…」
「もう、仕方のない子ね。勝手なことをしては駄目よ?」
ピーピーと鳴いて頬擦りするユースに、マーガレットは怒れなくなってしまった。
(あら?そう言えばギルバート殿下はまだお話の途中だったわ。申し訳ない事をしてしまったわね…)
「ギルバート殿下、先程のお話は途中でしたでしょう?お聞かせくださるかしら?」
マーガレットはギルバートに話の続きを聞いたが、ギルバートは教えてくれなかった。
「いや、大したことでは無いよ。それよりもこれが二つ目の石碑だよ。同じ様な古代文字が書かれているだろう?残念ながらこれも解明されていないけどね…」
二人で石碑に近づいて観察した後、ギルバートがマーガレットに言った。
「さて、今日はもう帰ろうか?」
マーガレット達はユースが飛び入り参加してしまった為、すぐに宿に戻ることにしたのだった。
(未だに解明されていない古代文字の書かれた三つの石碑だなんて、まるで冒険の物語のようだわ。もう一つ見つけたら、何か面白いことが起こるのかしら?)
マーガレットは馬車の中で妄想を膨らまし、わくわくとしていた。
そうしている内に馬車が宿の前に着き、ギルバートのエスコートでマーガレットが馬車から降りた。
その瞬間、マーガレットは誰かに抱きしめられてしまった。
(!!)
「メグ!お待たせ!お父様が会いに来たよ!」
マーガレットを抱きしめたのはビクトールだった。
ビクトールは三週間掛かる旅程を、僅か半分の時間でシルベスタに来ていたのだ。
「お父様、驚かせないで下さいまし。心臓が止まってしまうかと思いましたわ」
マーガレットはビクトールにギュッと抱き着いて言った。
「でも、こうしてシルベスタ帝国でお父様とご一緒出来るだなんて、嬉しいですわ」
マーガレットを抱きしめたまま、ビクトールは低い声でギルバートに挨拶をした。
「これはこれは…皇太子殿下では御座いませんか。私のマーガレットがお世話になったようで、大変光栄に思います。ですが、これからは私がおりますので、これ以上お気になさらずとも宜しいのですよ?」
「随分と早く着いたようだね。無理をする必要は無かったのではないか?」
ギルバートの言葉を物ともせず、ビクトールは冷たい声のまま言った。
「なに、愛のなせる業でしょう。お若い皇太子殿下にはまだ出来ない事でしょうな。では、私共はこれで失礼させて頂きますよ。皇太子殿下にお礼申し上げます」
マーガレットは二人のやり取りの中に何かを肌に感じて鳥肌がたった。
(なんだか寒くなってしまったわ…上着が必要だったのかしら?今日は暖かくして寝ましょう。風邪を引いてしまっては大変だわ)
「ギルバート殿下、私はこれで失礼させて頂きますわ。本日もとても楽しかったですわ」
「!」
ビクトールが驚いてマーガレットとギルバートを交互に見ると、ギルバートはシタリ顔をして鼻で笑った。
「マーガレット嬢、また誘うよ。ビクトール殿もまた会おう」
そう言ってギルバートは馬車に乗り込み、城へと帰って行った。
「メ、メグ?どうして皇太子殿下の名前を呼んでいるんだい?」
ビクトールは震える声でマーガレットに聞いた。
「ご本人様がそう呼ぶよう仰いましたし、お母様にもご希望に沿うよう言われたのですわ。ギルバート殿下とは友人になりましたの」
「何と言うことだ…メ、メグ?お父様は良くないことだと思うよ?不敬罪に当たってしまうよ。今すぐに止めた方が良いよ。そうだろう?」
未だに震えた声で話すビクトールの意図も分からず、マーガレットは体調が悪いのだと心配した。
「お父様、先ずは部屋に戻って御身体を休ませましょう?お風邪を召してしまっては大変だわ」
マーガレットと別れてから部屋に入ったビクトールは、セバスを呼び出して子供のように当たり散らした。
「マーガレットを悪い虫から遠ざけるのが君の仕事だろう?これは職務怠慢だよ」
(そんな事を言われたって…相手は皇太子殿下なのに、どうすれば良かったと言うんだ…)
困惑するセバスにスザンヌの助け舟が入った。
「良いではないですか。マーガレットは楽しそうよ?」
「スザンヌ、君もだよ。あの男の名前を呼ばせて…しかも、いくら護衛や使用人がいるからと言って、二人で外出させるだなんて…あぁ、私のメグが…」
「あら、見ていて面白いじゃない?マーガレットが笑っているのだから、許してあげましょう?」
誰にも賛同を得られなかったビクトールは夜な夜な一人で考えていた。
(このままでは駄目だ…何かいい策はないだろうか?メグをあの男から離さないと!)
何かを閃いたビクトールは人が寝静まる深夜にセバスを呼び出し、一つ頼み事をした。
セバスは無表情のまま部屋を出た。そして、朝日が登る頃に何処かへ行ってしまった。
(何故ビクトール様はマーガレット様が絡むとあんな風になってしまうのだ…)
セバスは出来る限り早く馬を走らせていた。
そこは大きな公園なのに、人は疎らだった。
「この公園は皆に開放されているのだが、あまり人気のない場所でね…さぁ、石碑は公園の中央にあるから、ゆっくり歩きながら行こう」
ギルバートはそう言って、ゆっくりと歩き始めた。
色とりどりに咲く綺麗な花や、緑の生い茂った草木。ここだけ時間がゆっくり過ぎていくような、そんな公園だった。
暫く歩くと一面に青い花が咲き乱れていた。
「こんなに素敵な公園なのに、訪れる方は少ないのね…」
マーガレットは綺麗に咲く青い花を見て、そっとため息を吐いた。
「わざわざ訪れる人もいないのだろう。国が大きくなると、自然よりも発展に力を入れやすいからね。貧しくて生きる事に精一杯の者もいる。皆は働くばかりで、自然を眺めて過ごす余裕もないのだろうね。私は民達の心に余裕ができて、今の私達のように、大切な人とゆっくり過ごせる時間が持てる、そんな国にしていきたいと思っているよ」
「ご立派なお考えだわ。その様な国になると良いわね」
マーガレットはギルバートに感心しながらも、老人の言葉を思い出していた。
(当時の人々も心に余裕が無かったのかしら…?だから欲張ってしまったのね…あら?どうしたのかしら?)
ギルバートは歩きながらも、どこか落ち着かない様子だったのだ。
ギルバートが立ち止まったので、マーガレットも歩くのを止めた。
「マーガレット嬢、もう一つの石碑は少し遠い場所にある。その…もし良ければ一緒に…」
― ピーピー
ギルバートが話し終わる前に聞き覚えのある鳴き声が聞こえたマーガレットは、そちらに意識を取られてしまった。
「まぁ、ユース。ここに来てはいけないわ」
ユースがマーガレット達の頭上を飛び、石碑の上に止まっていた。
マーガレットは焦った。
国立公園には飼われている動物は入ってはいけないのだ。しかも、ユースは石碑の上にいる。
「ユース、石碑の上に乗っては駄目よ。こちらにいらっしゃい」
― ピー
ユースはマーガレットの肩に飛び乗った。
「この子は宿に残して来たのだけれど…」
申し訳ないと謝るマーガレットに、ギルバートは笑って返事をしたが、遠い目をしていた。
「鳥だからね、仕方がないよ。きっと飛んで来てしまったのだろう。はははは、はぁ…」
「もう、仕方のない子ね。勝手なことをしては駄目よ?」
ピーピーと鳴いて頬擦りするユースに、マーガレットは怒れなくなってしまった。
(あら?そう言えばギルバート殿下はまだお話の途中だったわ。申し訳ない事をしてしまったわね…)
「ギルバート殿下、先程のお話は途中でしたでしょう?お聞かせくださるかしら?」
マーガレットはギルバートに話の続きを聞いたが、ギルバートは教えてくれなかった。
「いや、大したことでは無いよ。それよりもこれが二つ目の石碑だよ。同じ様な古代文字が書かれているだろう?残念ながらこれも解明されていないけどね…」
二人で石碑に近づいて観察した後、ギルバートがマーガレットに言った。
「さて、今日はもう帰ろうか?」
マーガレット達はユースが飛び入り参加してしまった為、すぐに宿に戻ることにしたのだった。
(未だに解明されていない古代文字の書かれた三つの石碑だなんて、まるで冒険の物語のようだわ。もう一つ見つけたら、何か面白いことが起こるのかしら?)
マーガレットは馬車の中で妄想を膨らまし、わくわくとしていた。
そうしている内に馬車が宿の前に着き、ギルバートのエスコートでマーガレットが馬車から降りた。
その瞬間、マーガレットは誰かに抱きしめられてしまった。
(!!)
「メグ!お待たせ!お父様が会いに来たよ!」
マーガレットを抱きしめたのはビクトールだった。
ビクトールは三週間掛かる旅程を、僅か半分の時間でシルベスタに来ていたのだ。
「お父様、驚かせないで下さいまし。心臓が止まってしまうかと思いましたわ」
マーガレットはビクトールにギュッと抱き着いて言った。
「でも、こうしてシルベスタ帝国でお父様とご一緒出来るだなんて、嬉しいですわ」
マーガレットを抱きしめたまま、ビクトールは低い声でギルバートに挨拶をした。
「これはこれは…皇太子殿下では御座いませんか。私のマーガレットがお世話になったようで、大変光栄に思います。ですが、これからは私がおりますので、これ以上お気になさらずとも宜しいのですよ?」
「随分と早く着いたようだね。無理をする必要は無かったのではないか?」
ギルバートの言葉を物ともせず、ビクトールは冷たい声のまま言った。
「なに、愛のなせる業でしょう。お若い皇太子殿下にはまだ出来ない事でしょうな。では、私共はこれで失礼させて頂きますよ。皇太子殿下にお礼申し上げます」
マーガレットは二人のやり取りの中に何かを肌に感じて鳥肌がたった。
(なんだか寒くなってしまったわ…上着が必要だったのかしら?今日は暖かくして寝ましょう。風邪を引いてしまっては大変だわ)
「ギルバート殿下、私はこれで失礼させて頂きますわ。本日もとても楽しかったですわ」
「!」
ビクトールが驚いてマーガレットとギルバートを交互に見ると、ギルバートはシタリ顔をして鼻で笑った。
「マーガレット嬢、また誘うよ。ビクトール殿もまた会おう」
そう言ってギルバートは馬車に乗り込み、城へと帰って行った。
「メ、メグ?どうして皇太子殿下の名前を呼んでいるんだい?」
ビクトールは震える声でマーガレットに聞いた。
「ご本人様がそう呼ぶよう仰いましたし、お母様にもご希望に沿うよう言われたのですわ。ギルバート殿下とは友人になりましたの」
「何と言うことだ…メ、メグ?お父様は良くないことだと思うよ?不敬罪に当たってしまうよ。今すぐに止めた方が良いよ。そうだろう?」
未だに震えた声で話すビクトールの意図も分からず、マーガレットは体調が悪いのだと心配した。
「お父様、先ずは部屋に戻って御身体を休ませましょう?お風邪を召してしまっては大変だわ」
マーガレットと別れてから部屋に入ったビクトールは、セバスを呼び出して子供のように当たり散らした。
「マーガレットを悪い虫から遠ざけるのが君の仕事だろう?これは職務怠慢だよ」
(そんな事を言われたって…相手は皇太子殿下なのに、どうすれば良かったと言うんだ…)
困惑するセバスにスザンヌの助け舟が入った。
「良いではないですか。マーガレットは楽しそうよ?」
「スザンヌ、君もだよ。あの男の名前を呼ばせて…しかも、いくら護衛や使用人がいるからと言って、二人で外出させるだなんて…あぁ、私のメグが…」
「あら、見ていて面白いじゃない?マーガレットが笑っているのだから、許してあげましょう?」
誰にも賛同を得られなかったビクトールは夜な夜な一人で考えていた。
(このままでは駄目だ…何かいい策はないだろうか?メグをあの男から離さないと!)
何かを閃いたビクトールは人が寝静まる深夜にセバスを呼び出し、一つ頼み事をした。
セバスは無表情のまま部屋を出た。そして、朝日が登る頃に何処かへ行ってしまった。
(何故ビクトール様はマーガレット様が絡むとあんな風になってしまうのだ…)
セバスは出来る限り早く馬を走らせていた。
あなたにおすすめの小説
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。
幼馴染が最優先な婚約者など、私の人生には不要です。
たると
恋愛
シュタイン伯爵家の長女エルゼは、公爵子息フィリップに恋をしていた。
彼の婚約者として選ばれた時は涙を流して喜んだが、その喜びもいまは遠い。
『君は一人でも大丈夫だろう。この埋め合わせは必ずする。愛している』
「……『愛している』、ですか」
いつも幼馴染を優先するアルベルトに、恋心はすっかり冷めてしまった。
【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく
たまこ
恋愛
10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。
多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。
もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。
「私に愛まで望むとは、強欲な女め」と罵られたレオノール妃の白い結婚
きぬがやあきら
恋愛
「私に愛まで望むな。褒賞に王子を求めておいて、強欲が過ぎると言っている」
新婚初夜に訪れた寝室で、レオノールはクラウディオ王子に白い結婚を宣言される。
それもそのはず。
2人の間に愛はないーーどころか、この結婚はレオノールが魔王討伐の褒美にと国王に要求したものだった。
でも、王子を望んだレオノールにもそれなりの理由がある。
美しく気高いクラウディオ王子を欲しいと願った気持ちは本物だ。
だからいくら冷遇されようが、嫌がらせを受けようが心は揺るがない。
どこまでも逞しく、軽薄そうでいて賢い。どこか憎めない魅力を持ったレオノールに、やがてクラウディオの心は……。
すれ違い、拗れる2人に愛は生まれるのか?
焦ったい恋と陰謀+バトルのラブファンタジー。
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました
ぺきぺき
恋愛
王家の次男として生まれたヨーゼフには幼い頃から決められていた婚約者がいた。兄の補佐として育てられ、兄の息子が立太子した後には臣籍降下し大公になるよていだった。
このヨーゼフ、優秀な頭脳を持ち、立派な大公となることが期待されていたが、幼い頃に見た絵本のお姫様を理想の女性として探し続けているという残念なところがあった。
そしてついに貴族学園で絵本のお姫様とそっくりな令嬢に出会う。
ーーーー
若気の至りでやらかしたことに苦しめられる主人公が最後になんとか幸せになる話。
作者別作品『二人のエリーと遅れてあらわれるヒーローたち』のスピンオフになっていますが、単体でも読めます。
完結まで執筆済み。毎日四話更新で4/24に完結予定。
第一章 無計画な婚約破棄
第二章 無計画な白い結婚
第三章 無計画な告白
第四章 無計画なプロポーズ
第五章 無計画な真実の愛
エピローグ
噂の悪女が妻になりました
はくまいキャベツ
恋愛
ミラ・イヴァンチスカ。
国王の右腕と言われている宰相を父に持つ彼女は見目麗しく気品溢れる容姿とは裏腹に、父の権力を良い事に贅沢を好み、自分と同等かそれ以上の人間としか付き合わないプライドの塊の様な女だという。
その名前は国中に知れ渡っており、田舎の貧乏貴族ローガン・ウィリアムズの耳にも届いていた。そんな彼に一通の手紙が届く。その手紙にはあの噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカとの婚姻を勧める内容が書かれていた。
真実の愛がどうなろうと関係ありません。
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令息サディアスはメイドのリディと恋に落ちた。
婚約者であった伯爵令嬢フェルネは無残にも婚約を解消されてしまう。
「僕はリディと真実の愛を貫く。誰にも邪魔はさせない!」
サディアスの両親エヴァンズ伯爵夫妻は激怒し、息子を勘当、追放する。
それもそのはずで、フェルネは王家の血を引く名門貴族パートランド伯爵家の一人娘だった。
サディアスからの一方的な婚約解消は決して許されない裏切りだったのだ。
一ヶ月後、愛を信じないフェルネに新たな求婚者が現れる。
若きバラクロフ侯爵レジナルド。
「あら、あなたも真実の愛を実らせようって仰いますの?」
フェルネの曾祖母シャーリンとレジナルドの祖父アルフォンス卿には悲恋の歴史がある。
「子孫の我々が結婚しようと関係ない。聡明な妻が欲しいだけだ」
互いに塩対応だったはずが、気づくとクーデレ夫婦になっていたフェルネとレジナルド。
その頃、真実の愛を貫いたはずのサディアスは……
(予定より長くなってしまった為、完結に伴い短編→長編に変更しました)