斬聖リバーロ

 『死』を斬れるか。
 ――死そのものの如き人斬りと、それを仇と狙う剣士と。

 リバーロ――『死』そのものと恐れられた人斬り。
「死にたくないとぬかしても、命はどうあれ消えるもの。それをどうして斬ってはいかん?」
「何のために生きている? 死ねないほどの理由があるか」
 そう問うては人を斬り、畏れもしない斬聖リバーロ。

 一方、彼を仇と狙う男がいた。
 傭兵ジョサイア。リバーロが斬った者の中には、その恋人と仲間がいた。
 以来、ジョサイアは激しい鍛錬に身を投じた。鍛錬ならいくらでも耐えられた――そうしている間と、疲れきって気絶するように眠っている間だけは、恋人の死を忘れられた――。
 むしろ、幸福と想い出には耐えられなかった。自らの心を殺すように、鍛錬を続け達人となった。

 そうして彼は、仇と再び出会う。

「俺は死だ。死は斬れんさ」
「斬る。――俺は死人だ。いかに死といえ、死人は殺せん」

 『死』そのものを越えられるのか? 
 死と生を問う剣戟が、今始まる。
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