イケニエヒーロー青井くん

トマトふぁ之助

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金継ぎの青 上:ブルー編

半魔吸精

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 「あ、浅く……浅くだからな……んっ」
 ベッドに横たえさせられ、旺盛な大鬼の肉棒を受け入れながら青年は喘ぐ。バルドの巨根に後孔を拡げられるのは最初のうちかなりの苦痛を伴った。何しろ牛のそれより長大で、竿の根元には鱗まで付いている。清一が相手にさせられたことがあるのは人間、それも碌に鍛えたことのない恰幅のよい男たちばかりだった。セックスは暴力の代わりになる。青井が殴る蹴るに耐えうる人間だとわかると、彼らは下劣な行為で青井の心を弄びにかかった。
 ……相手を辱めていたぶって、そうして満たされる欲もあるのだと青年はかつてその身をもって理解させられた。
 「苦しくねえか」
 壁にかけられたランプの灯りがバルドを照らす。その影に埋もれて、清一は恍惚と大鬼の手を握る。
 「だ、大丈夫……♡ぁ、あっ……♡気持ちい……」
 ごりごりとオーガの根が腹筋の内側を揺らした。バルドは横臥したままもう片方の手で青年妻の下腹を撫でる。薄く張り出した腹。兵士らしく分かれた腹筋をぐりぐりと押し上げて———精を求めて妖しく光る紋をなぞる。
 「ぐっ♡……ん、ンッ♡……はっ……♡ア、あっ……♡く、イく……♡」
 「ひひ、随分イきやすくなったなァ……!!」
 「んん、うぁあっ♡!は、激し……っ♡!!」
 じゅぷっ♡じゅぷっ♡ばちゅっ♡ずっちゅ……———♡!!
 体に負荷がかからないように支えられ、青年が身も世もなく喘ぎ始める。バルドの手つきはずっと丁寧だ。強引な癖に優しくて、だから清一はその求愛を拒み続けることができなかった。妊娠してからも、バルドは半淫魔となった青井の補給を優先して動いてくれる。
 「好き、すき……っ♡ぁあッ♡イ、くぅ……ッ♡♡♡」
 片足を持ち上げられ———幾重にも折重なった擬似子宮まで亀頭が突きつけられる。バルドの息が荒くなり、すぐに煮え滾った精が注がれる。
 「ぅあ、あァああア……ッ♡♡♡!」
 「フウゥ……ッ!!」
 大鬼の腕の中で清一が震えていた。瞳は像を結ぶことなく潤み、僅か舌を出してはくはくと口を開閉させる。……脳を焦がすほどの凄まじい多幸感。淫魔の特性である「吸精」の副作用であった。歴の浅い淫魔は仲間同士で魔力の吸い方を覚えるが、その性質を後付けされた青井はただその快楽に翻弄されるしかない。ぎゅうと握ったオーガの大きな手に縋り、その波が落ち着くまでじっと耐える。
 ———ビュクッ♡ビュク……ッ♡ビュククッ♡
 「はぁ、は……♡あー♡ア、んあぁ……っ♡」
 今までの経験、その全てを塗り替えられていく。擬似子宮を伝って染み込んでいく精気に清一は涙を滲ませて感じ入る。頭の中でばちばちと白が弾け、何もかも曖昧に蕩けていく。シーツを噛んで快楽に耐えようとするが、それを咎めるように太い指が唇を攫う。
 「……んン……っ♡」
 放埒はまだ続いている。粘度の高い高位魔族の精液を注がれながら、青年は角度を変えて何度も番いと舌を絡ませた。腹の奥底、雄子宮から男の魔力が背骨を伝って這い上がってくる。身体の主導権を奪われる本能的危機感に青井がびくびくと四肢を痙攣させるが、それも数秒程度のささやかなものだった。
 「……なぁ。俺様の種は———そんなに美味かったか?」
 舌を根元まで啜り尽くし、大鬼はやっと唇を解放する。
 バルドを見上げる青年はすっかり正体を失っていた。瞳はぼんやりと精彩を欠き、欲に目元を濡らしている。気の強そうな眉尻も下がったまま……恍惚と己を孕ませた鬼に身を委ねている。首筋と胸筋はキスマークだらけだ。新しく痕をつけてやりながらバルドは薄い尻を揉む。
 「……おいひかった……♡」
 「そうかそうか。そりゃよかった」
 おかわりをやろうとオーガの上体が青年へ覆い被さっていく。自分の喘ぎが遠くに聞こえた。青井はくったりと力の入らない身体をシーツに横たえ、過剰な快楽に意識を漂白させていく。撫でつける太い指。揺れる視界に痺れる脳髄。番いに聞かれぬようバルドがほくそ笑む。
 「たっぷり食えよ……そうすりゃ何もかも、俺様のもんだ」
 ———蝕むように、青の瞳を、妖しい黄金色が侵しはじめていた。
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