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歓迎しない客と提案
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「君のおかげで俺は村から出られるようになったんだよ、ありがとう」
領主様の家で会った人にそう言われた。
俺がこの国へ来た経緯を話した時から領主様たちは色々と考えていたそうだ。
教会でスキルを貰った後にあのまま村へ帰っていたら、俺は農作業をしながらたまに荷物を運ぶ生活をして一生を終えたかも知れないですねと言ったのがずっと気になっていたそうで、農村や貧民街で有効利用されずに埋もれているスキル持ちが今もいるかも知れないと考えてスキルの確認をさせたのだとか。
お礼を言った人は算術スキル持ちの農民だった。
身体がそんなに強くなかったこともあり両親や兄弟からあまり良い扱いをされてなかったらしく、村人のスキルを確認しに来た人に街へ連れて来られることになって生活が良くなったそうだ。
幼い頃に結婚の約束をしたものの算術と言う村だと役立たないスキルを手に入れたことで合わせる顔がないと距離を取っていた彼女さんと一緒に街へ来て結婚したらしい。
彼女さんは彼女さんで火属性の魔術を簡単に扱えるようになるスキルを持っていたのだが、薪に火を付けるのに便利程度の使い方しかしてなかったとか。
これまでの生活に必要なかった力を手に入れても使い方がわからない人や使う場所が無い人がわりと多いと言うことなんだろうと思う。
*
事前に準備していたこと、俺が一度に運ぶ量が増えたことで新しい街や村の建設はそんなに忙しくなかった。
農村や貧民街、元盗賊や犯罪者の奴隷などから開拓や整備に使えるスキル持ちを連れて行ったのも俺の仕事が減った理由か。
既に抜かれてる木を収納するだけで良いから長居する事もなく、日が暮れる前に帰宅することも多かった。
身体が成長したことで飛竜に乗っても疲れにくくなったし、去年の苦労が嘘のようだ。
今回の開拓は必要なスキル持ちを派遣する計画の試験運用なのだとか。
スキルによって派遣向き定住向きなど調べるらしい。
難しいことはわからないが、手に入れたスキルを活かして稼げる人が増えるなら良いことだと思う。
*
「お前が収納スキル持ちのアベルだな」
「そうだけど、誰?」
「一緒に来てもらおうか!」
街を歩いていたら数人に取り囲まれたので収納した。
気配察知でわかっていたので裏通りに移動したのだけれど、なんも疑わずに出てきたところを見るとこの手の事に慣れていないのかも知れない。
お、なかなか良いスキル持ちだな。
隠密、診断、双剣、剣術、拳闘、早駆け、瞬足と、今まで持ってなかったスキルが増えて美味しいなぁ。
診断スキルを手に入れたからなのか、収納庫内に有る物の状態がわかるようになったのはすごく嬉しい。
*
尋問の結果、俺が元住んでいた国から来た連中らしい。
元は我が国の者なのだから返すのが当たり前だろうとか、我が国が有効に使ってやるとか言っていたそうだ。
「帰るか?」
「絶対嫌ですね」
俺の仕事を領地内に留めていてくれる領主様と違って隣の国の全域に派遣されそうだし。
飛竜が居ないから移動は馬車か馬になるってのも無理。
自由じゃないけど不自由は感じていない今の生活を捨てるとか有り得ない。
「これからも似たようなのが来るんですかね」
「可能性は高いな」
「嫌ですね」
「じゃあ、貴族になるか」
「は?」
何言ってるんですか竜騎士さん…。
「何故と訊いても?」
「平民が誘拐されても国は何もしないが貴族が誘拐されたら国は取り戻す為に交渉し時には兵を出す」
「そうなんですか?」
「貴族からの信用が無くなったら国も困るからな。国は貴族が居ないと運用出来ない、自分を守ってくれない国に意味は無いと貴族に思われたら国が終わる」
「でも、そんな簡単になれるものでもないでしょう」
「兄貴は前からその気だし、俺も同意見だ」
そう言えば、この人領主様の弟さんだったな。
「考えてみます」
「そうしろ、悪いようにはしない」
**
「アベルは何か言ってたか?」
「貴族になる事を考えてみるだとよ」
「ほう」
「貴族になれば簡単に連れて行かれないと言ったらその気になったみたいだな」
「あいつらを見逃した効果が出たか」
「…やっぱりか。誘拐が成功したらどうするつもりだったんだよ」
「危害を加えてきそうな相手は収納しろと言ってるから大丈夫だろ」
「そうだろうけどよ」
「もう近づけないさ」
*****
診断スキルは健康状態を確認する医療スキルの一種。
この世界には人の強さを数値で表すような便利スキルはない。
竜騎士さんはいつも同じ人である。
声が緑川光に似ていると言う設定? しか無かった人だったんだけど何故か領主の弟になっていたwhy
領主様の家で会った人にそう言われた。
俺がこの国へ来た経緯を話した時から領主様たちは色々と考えていたそうだ。
教会でスキルを貰った後にあのまま村へ帰っていたら、俺は農作業をしながらたまに荷物を運ぶ生活をして一生を終えたかも知れないですねと言ったのがずっと気になっていたそうで、農村や貧民街で有効利用されずに埋もれているスキル持ちが今もいるかも知れないと考えてスキルの確認をさせたのだとか。
お礼を言った人は算術スキル持ちの農民だった。
身体がそんなに強くなかったこともあり両親や兄弟からあまり良い扱いをされてなかったらしく、村人のスキルを確認しに来た人に街へ連れて来られることになって生活が良くなったそうだ。
幼い頃に結婚の約束をしたものの算術と言う村だと役立たないスキルを手に入れたことで合わせる顔がないと距離を取っていた彼女さんと一緒に街へ来て結婚したらしい。
彼女さんは彼女さんで火属性の魔術を簡単に扱えるようになるスキルを持っていたのだが、薪に火を付けるのに便利程度の使い方しかしてなかったとか。
これまでの生活に必要なかった力を手に入れても使い方がわからない人や使う場所が無い人がわりと多いと言うことなんだろうと思う。
*
事前に準備していたこと、俺が一度に運ぶ量が増えたことで新しい街や村の建設はそんなに忙しくなかった。
農村や貧民街、元盗賊や犯罪者の奴隷などから開拓や整備に使えるスキル持ちを連れて行ったのも俺の仕事が減った理由か。
既に抜かれてる木を収納するだけで良いから長居する事もなく、日が暮れる前に帰宅することも多かった。
身体が成長したことで飛竜に乗っても疲れにくくなったし、去年の苦労が嘘のようだ。
今回の開拓は必要なスキル持ちを派遣する計画の試験運用なのだとか。
スキルによって派遣向き定住向きなど調べるらしい。
難しいことはわからないが、手に入れたスキルを活かして稼げる人が増えるなら良いことだと思う。
*
「お前が収納スキル持ちのアベルだな」
「そうだけど、誰?」
「一緒に来てもらおうか!」
街を歩いていたら数人に取り囲まれたので収納した。
気配察知でわかっていたので裏通りに移動したのだけれど、なんも疑わずに出てきたところを見るとこの手の事に慣れていないのかも知れない。
お、なかなか良いスキル持ちだな。
隠密、診断、双剣、剣術、拳闘、早駆け、瞬足と、今まで持ってなかったスキルが増えて美味しいなぁ。
診断スキルを手に入れたからなのか、収納庫内に有る物の状態がわかるようになったのはすごく嬉しい。
*
尋問の結果、俺が元住んでいた国から来た連中らしい。
元は我が国の者なのだから返すのが当たり前だろうとか、我が国が有効に使ってやるとか言っていたそうだ。
「帰るか?」
「絶対嫌ですね」
俺の仕事を領地内に留めていてくれる領主様と違って隣の国の全域に派遣されそうだし。
飛竜が居ないから移動は馬車か馬になるってのも無理。
自由じゃないけど不自由は感じていない今の生活を捨てるとか有り得ない。
「これからも似たようなのが来るんですかね」
「可能性は高いな」
「嫌ですね」
「じゃあ、貴族になるか」
「は?」
何言ってるんですか竜騎士さん…。
「何故と訊いても?」
「平民が誘拐されても国は何もしないが貴族が誘拐されたら国は取り戻す為に交渉し時には兵を出す」
「そうなんですか?」
「貴族からの信用が無くなったら国も困るからな。国は貴族が居ないと運用出来ない、自分を守ってくれない国に意味は無いと貴族に思われたら国が終わる」
「でも、そんな簡単になれるものでもないでしょう」
「兄貴は前からその気だし、俺も同意見だ」
そう言えば、この人領主様の弟さんだったな。
「考えてみます」
「そうしろ、悪いようにはしない」
**
「アベルは何か言ってたか?」
「貴族になる事を考えてみるだとよ」
「ほう」
「貴族になれば簡単に連れて行かれないと言ったらその気になったみたいだな」
「あいつらを見逃した効果が出たか」
「…やっぱりか。誘拐が成功したらどうするつもりだったんだよ」
「危害を加えてきそうな相手は収納しろと言ってるから大丈夫だろ」
「そうだろうけどよ」
「もう近づけないさ」
*****
診断スキルは健康状態を確認する医療スキルの一種。
この世界には人の強さを数値で表すような便利スキルはない。
竜騎士さんはいつも同じ人である。
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