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ある日自分の世界を肯定してくれた女の子に、いつの間にか惹かれてしまった男の懺悔の話だった。
彼女の好きな世界を壊さないように、自分の欲など捨ててしまいたいのに捨てきれない。
もう昔には戻れない。戻りたくない。
……そんな魂の叫びの話。
「……東雲くん、この女の子のモデルって?」
「ごめん」
肯定しないくせに、嘘がつけない人。
そういうところが誠実だと思う。
「このお話、最後まで書けていないみたいだけど?」
彼女を突き放して、謝りたいと後悔しているところで止まっている。
東雲くんはぐっと息を呑んだ。
「続きが分からない。……できれば、許してほしい。好きになって欲しい……そう思ってしまう」
そっか。
それが東雲くんの願いなんだね。
「私ね、ずっと作家の東雲先生と、隣の席に座る東雲くんのどちらが好きなのか考えていたの」
今度は、私が想いを伝える番だ。
「区別しなきゃって思っていたんだけど、どっちも好きでいいのかな? ……ただの東雲葉月くんのことも好きなんだと思う」
そこで、ぽろぽろと涙は決壊してしまったらしい。
東雲くんの口から嗚咽が漏れていく。
「こんな、おかしいって言われる僕を、すごいねって認めてくれたのは……君だけだった。初めて褒めてくれた日から、ずっと救われていたんだと思う」
「……まじか」
私たちは同じ頃に救われていたんだね。
そう思うと心が温かくなった。
「これからも一緒にいようよ、東雲くん」
たぶん、私たちの未来はあの時から決まっていたんだと思う。
お互いに救われてしまったから、離れられない。
「嫌かな?」
「……君が嫌になっても、離れられないよ」
「それは頑固だねぇ」
素直な東雲くんが愛しくて笑ってしまう。
なんだ、ちゃんと惹かれていたんじゃん、私。
「じゃあ、まずは2人でこの小説を完成させようか」
そして、それを一番最初に私に見せて欲しい。
我欲だけど、特権だと思うから。
「すぐに完成させる。隣で待っていて」
涙を拭った東雲くんの手が、物語を打ち込んでいく。
そこにフィクションなんてものは無かった。
彼女の好きな世界を壊さないように、自分の欲など捨ててしまいたいのに捨てきれない。
もう昔には戻れない。戻りたくない。
……そんな魂の叫びの話。
「……東雲くん、この女の子のモデルって?」
「ごめん」
肯定しないくせに、嘘がつけない人。
そういうところが誠実だと思う。
「このお話、最後まで書けていないみたいだけど?」
彼女を突き放して、謝りたいと後悔しているところで止まっている。
東雲くんはぐっと息を呑んだ。
「続きが分からない。……できれば、許してほしい。好きになって欲しい……そう思ってしまう」
そっか。
それが東雲くんの願いなんだね。
「私ね、ずっと作家の東雲先生と、隣の席に座る東雲くんのどちらが好きなのか考えていたの」
今度は、私が想いを伝える番だ。
「区別しなきゃって思っていたんだけど、どっちも好きでいいのかな? ……ただの東雲葉月くんのことも好きなんだと思う」
そこで、ぽろぽろと涙は決壊してしまったらしい。
東雲くんの口から嗚咽が漏れていく。
「こんな、おかしいって言われる僕を、すごいねって認めてくれたのは……君だけだった。初めて褒めてくれた日から、ずっと救われていたんだと思う」
「……まじか」
私たちは同じ頃に救われていたんだね。
そう思うと心が温かくなった。
「これからも一緒にいようよ、東雲くん」
たぶん、私たちの未来はあの時から決まっていたんだと思う。
お互いに救われてしまったから、離れられない。
「嫌かな?」
「……君が嫌になっても、離れられないよ」
「それは頑固だねぇ」
素直な東雲くんが愛しくて笑ってしまう。
なんだ、ちゃんと惹かれていたんじゃん、私。
「じゃあ、まずは2人でこの小説を完成させようか」
そして、それを一番最初に私に見せて欲しい。
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