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第七章ー隣国ー
聖女と魔法使いの処遇
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チート魔法使いのハルです。
王太后様無双の会議から、3日経ちました。
魔法使いと聖女についての話し合いが、明後日。どうやら、パルヴァン様もシルヴィア様もゼンさんも一緒に登城するようです。
三ボス…もう、シルヴィア様もボスで良いよね?四ボス勢揃いです。
本当は、パルヴァン様かゼンさんがパルヴァンに帰る─と言う話になったんだけど、二人とも私の事を心配してくれて、帰るに帰れない─みたいになり…そこで、私、またやりました!
王都の邸と辺境地の邸に転移魔法陣を張り付けて、その魔法陣の起動力として、魔石を組み込んだ。その魔石は何度でも魔力を込める事ができるので、そこに魔力さえあれば、誰にでもその魔法陣を展開させる事ができるのだ。
ー皆にドン引き?されたけど…気にしないようにします。気にしたら負けですー
この魔法陣の事は口外禁止事項だそうです。兎に角、この魔法陣のお陰で、今回四ボス勢揃いで登城可能になった次第です。
「そう言えば、あの貴族院の人達はどうなったんですか?」
王太后様が、領地に追いやってやる!と息巻いていたけど。
「あぁ、それなら、昨日のうちに全て終わりましたよ。」
と、ゼンさんが何て事無い─みたいにサラッと言った。
「─え?昨日?全て?」
ー早過ぎないですか!?ー
どうやら、あの会議の後、王太后様と6人の貴婦人─老害タヌキの夫人─達が動きに動きまくって、老害タヌキをお役御免にさせたとか。領主や爵位の引き継ぎや貴族院の引き継ぎなど、急な世代交代ともなった為、その空席には、取り敢えずその貴婦人達が据えられた。引き継ぎ等が落ち着けば、各々の子供─息子もしくはその嫁のどちらかが貴族院に入る事となったようだ。
ー王太后様の実行力が半端無いー
因みに、今、国王様と王太子様は、王妃様が再教育しているとか─。
ー王太子様、泣いてないと良いなぁー
「─ですので、明後日のハル様の扱いについての話も、特に拗れたりする事もないと思います。ミヤ様においても、王城預かりではなく、ハル様預かりになるでしょう。」
「“ハル様預かり”って…」
「ふふっ─良いじゃない。私はハルに連れて来てもらったから、私の居場所はハルの居る所なんだから、間違って無いわよ?」
ミヤさんは楽しそうに笑った。
*魔法使いと聖女の、扱いについての話し合いの日*
「──皆勢揃いで…何より…だな…」
私とミヤさんを真ん中にして、パルヴァン様とゼンさんが私とミヤさんを挟むように座っている。
そして、何故か─
「グダグダするでないわ!はよう本題に入れ!」
国王様の横に王太后様が座り、その後ろにシルヴィア様が立っている。
ー国王様…四面楚歌状態ですねー
「話を─と言うか、もう決まっているようなものですから、確認するだけですが。」
と、少し気まずそうに宰相様が話し出した。
「魔法使いであるハル殿は、パルヴァン預かりとなりました。グレン殿とシルヴィア殿が後ろ楯となりますが、万が一、お二人に何かあったとしても、レオン殿がパルヴァンを引き継ぐのであれば、そのままパルヴァン預かりで問題ありません。」
チラリと王太后様を見ると、ニコリと笑って頷いてくれた。
「続いてミヤ様。ミヤ様は聖女ですが…今回は魔法使いであるハル殿が連れて来たと言う事で、ミヤ様はハル殿預かりとなります。こちらとしては、このままウォーランド王国の聖女様であって欲しいですが、ミヤ様は、ハル殿が居る国の聖女となります。」
ゼンさんの言う通り、ミヤさんも私も国の管理下に置かれる事はなく、今迄通りパルヴァンで過ごせるようだ。
「あ、忘れていましたが、ハル殿が魔法使いと言う事は、貴族院の20人と、あの場に居たご婦人6人には口外禁止と言ってあります。魔術による契約も結びましたから、今以上に知られる事はないと思います。ですので、ミヤ様についても、表だっては“ウォーランド王国の聖女”と言った方が良いかもしれません─。ハル殿も、可能な限り魔導師レベルで魔法を使うようにした方が…よろしいかと…。」
ー魔導師レベルが分かりませんー
「あぁ、そうですね。魔導師レベルが分かりませんよね?簡単に言うと─魔法を使う時には…力半分程にしておいて下さい。」
「──半分?」
「はい。聞いた話しの限りでは…それ位で大丈夫かと思います。」
宰相様は遠い目をする訳でもなく、ひいている訳でもなく、静かに語っている。兎に角、魔法を使う時は手を抜けって事ですね!?
「分かりました。ご忠告、ありがとうございます。」
「ミヤ様、ハル殿、良かったのう。後は、隣国に行っておる者が戻って来れば安心できるのう?」
「──なっ!?」
まさか、王太后様から言われるとは思っていなかった!!恥ずかしい!!
「ふふっ─ハル、また顔が真っ赤よ?」
「う゛──っ」
ミヤさんにも突っ込まれ、更に顔が赤くなったのでした。
エディオル様が、無事に─元気に1日でも早く帰って来ますように。
王太后様無双の会議から、3日経ちました。
魔法使いと聖女についての話し合いが、明後日。どうやら、パルヴァン様もシルヴィア様もゼンさんも一緒に登城するようです。
三ボス…もう、シルヴィア様もボスで良いよね?四ボス勢揃いです。
本当は、パルヴァン様かゼンさんがパルヴァンに帰る─と言う話になったんだけど、二人とも私の事を心配してくれて、帰るに帰れない─みたいになり…そこで、私、またやりました!
王都の邸と辺境地の邸に転移魔法陣を張り付けて、その魔法陣の起動力として、魔石を組み込んだ。その魔石は何度でも魔力を込める事ができるので、そこに魔力さえあれば、誰にでもその魔法陣を展開させる事ができるのだ。
ー皆にドン引き?されたけど…気にしないようにします。気にしたら負けですー
この魔法陣の事は口外禁止事項だそうです。兎に角、この魔法陣のお陰で、今回四ボス勢揃いで登城可能になった次第です。
「そう言えば、あの貴族院の人達はどうなったんですか?」
王太后様が、領地に追いやってやる!と息巻いていたけど。
「あぁ、それなら、昨日のうちに全て終わりましたよ。」
と、ゼンさんが何て事無い─みたいにサラッと言った。
「─え?昨日?全て?」
ー早過ぎないですか!?ー
どうやら、あの会議の後、王太后様と6人の貴婦人─老害タヌキの夫人─達が動きに動きまくって、老害タヌキをお役御免にさせたとか。領主や爵位の引き継ぎや貴族院の引き継ぎなど、急な世代交代ともなった為、その空席には、取り敢えずその貴婦人達が据えられた。引き継ぎ等が落ち着けば、各々の子供─息子もしくはその嫁のどちらかが貴族院に入る事となったようだ。
ー王太后様の実行力が半端無いー
因みに、今、国王様と王太子様は、王妃様が再教育しているとか─。
ー王太子様、泣いてないと良いなぁー
「─ですので、明後日のハル様の扱いについての話も、特に拗れたりする事もないと思います。ミヤ様においても、王城預かりではなく、ハル様預かりになるでしょう。」
「“ハル様預かり”って…」
「ふふっ─良いじゃない。私はハルに連れて来てもらったから、私の居場所はハルの居る所なんだから、間違って無いわよ?」
ミヤさんは楽しそうに笑った。
*魔法使いと聖女の、扱いについての話し合いの日*
「──皆勢揃いで…何より…だな…」
私とミヤさんを真ん中にして、パルヴァン様とゼンさんが私とミヤさんを挟むように座っている。
そして、何故か─
「グダグダするでないわ!はよう本題に入れ!」
国王様の横に王太后様が座り、その後ろにシルヴィア様が立っている。
ー国王様…四面楚歌状態ですねー
「話を─と言うか、もう決まっているようなものですから、確認するだけですが。」
と、少し気まずそうに宰相様が話し出した。
「魔法使いであるハル殿は、パルヴァン預かりとなりました。グレン殿とシルヴィア殿が後ろ楯となりますが、万が一、お二人に何かあったとしても、レオン殿がパルヴァンを引き継ぐのであれば、そのままパルヴァン預かりで問題ありません。」
チラリと王太后様を見ると、ニコリと笑って頷いてくれた。
「続いてミヤ様。ミヤ様は聖女ですが…今回は魔法使いであるハル殿が連れて来たと言う事で、ミヤ様はハル殿預かりとなります。こちらとしては、このままウォーランド王国の聖女様であって欲しいですが、ミヤ様は、ハル殿が居る国の聖女となります。」
ゼンさんの言う通り、ミヤさんも私も国の管理下に置かれる事はなく、今迄通りパルヴァンで過ごせるようだ。
「あ、忘れていましたが、ハル殿が魔法使いと言う事は、貴族院の20人と、あの場に居たご婦人6人には口外禁止と言ってあります。魔術による契約も結びましたから、今以上に知られる事はないと思います。ですので、ミヤ様についても、表だっては“ウォーランド王国の聖女”と言った方が良いかもしれません─。ハル殿も、可能な限り魔導師レベルで魔法を使うようにした方が…よろしいかと…。」
ー魔導師レベルが分かりませんー
「あぁ、そうですね。魔導師レベルが分かりませんよね?簡単に言うと─魔法を使う時には…力半分程にしておいて下さい。」
「──半分?」
「はい。聞いた話しの限りでは…それ位で大丈夫かと思います。」
宰相様は遠い目をする訳でもなく、ひいている訳でもなく、静かに語っている。兎に角、魔法を使う時は手を抜けって事ですね!?
「分かりました。ご忠告、ありがとうございます。」
「ミヤ様、ハル殿、良かったのう。後は、隣国に行っておる者が戻って来れば安心できるのう?」
「──なっ!?」
まさか、王太后様から言われるとは思っていなかった!!恥ずかしい!!
「ふふっ─ハル、また顔が真っ赤よ?」
「う゛──っ」
ミヤさんにも突っ込まれ、更に顔が赤くなったのでした。
エディオル様が、無事に─元気に1日でも早く帰って来ますように。
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