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23.世間とローゼンタール一家のギャップ
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「全部知ってたのに何も言わず何もせずに逃げ出したんだ。謝って済む事じゃないけど⋯⋯本当にごめん」
ローゼンタール家を騙して婚約を決めた父親は頑なに非を認めず婚約は継続され、デイビッドは何度話しても叱っても少しずつ道を外れていく。
(全てをケインおじさんに話すべきだって分かってたけど⋯⋯デイビッドはどうなる。こんな婚約話自体出てこなけりゃよかったんだ!)
10年前に家を出てから一度もデイビッドに連絡を取らなかった事をザッカリーは後悔していた。
(まさか父上とデイビッドがこんな事をしでかすなんて思ってもいなかった)
「ザック兄様はライルおじ様と戦ってくれてたって聞いたからそれで十分⋯⋯いつかカーラ様やお子様とお会いできる日を楽しみにしてるからね」
「⋯⋯あの時父上が超えちゃいけない線を超えたって知ってたのに何もしなかった俺にはあそこに戻る資格なんてないよ。ここに顔を出す資格だって本当はな⋯⋯」
「卑怯者! また逃げ出すの? デイビッドが帰ってくる場所を守ってあげようとは思わないの? ライルおじ様の説得を諦めた時ザック兄様はデイビッドの事を見捨てたんだよ」
『俺さぁ、とうとう兄上に見放されたみたい⋯⋯何にも言わずにいなくなってたんだ~』
10年前に家を出てからデイビッドやライルと完全に縁を切っていたザッカリーはアーシェの言葉に驚いて目を見開いた。
「デイビッドはザック兄様が大好きだったからすっごく寂しそうだった。ランドルフお祖父様がポックリ逝ったらデイビッドが帰ってきた時『ただいま』って言えないじゃない。そんなの可哀想だと思う!」
(デイビッドが私に我儘ばっかり言ってたのはザック兄様に捨てられて寂しかったからだと思ってた⋯⋯ううん、今でも間違いないと思ってる)
「私はもうデイビッドに絶縁宣言したの。デイビッドは話したい事を聞いて欲しいって思ってる相手に向き合うべきで、それは今も昔も私じゃない。
デイビッドは鈍チンだから自分の気持ちに気付いてなくて迷走ばっかしてるけど、ずっと大切にしてる宝物箱を見たらザック兄様には分かると思うよ」
デイビッドがクローゼットの隅に隠している宝物箱にはザッカリーとの思い出の品⋯⋯一緒に拾った石や貝殻、ザッカリーが削って作ってくれた木剣などの思い出が溢れている。
その後、ザッカリーは妻子と共に伯爵家に戻りローゼンタール伯爵家が抜けた『ミーレス貿易会社』の立て直しに奮闘した。
『王宮文官にできるものか!』
『家を捨ててたんじゃなかったのか? 今更調子のいい事を』
慣れない仕事を早朝から深夜までコツコツとこなすザッカリーを見直す者や、ローゼンタール伯爵家の横暴が嫌で家を出ていたのだろうと言う者も僅かにいたが針の筵だったことは言うまでもない。
ランドルフとエマーソンはザッカリーにお尻を叩かれながら真面目に仕事をしているらしいが、会社の古株社員や昔からの取引先から避けられて落ち込んでいた。
『いつ何時何を言いはじめるか⋯⋯』
『ストッパーなしであの方達の無茶振りが飛んできたら⋯⋯』
『リリベル様⋯⋯せめてケイン様が監視してくださるならなんとかなるかもだけど、ザッカリー様では心許なくて』
リリベルからエマーソン達への最後のお仕置きはザッカリーに一任された。
『もし以前のような行動が少しでも見えはじめたら強権を発動するといいわ。それに抗うようならローゼンタールへ早馬を飛ばしてね。すぐに話し合いに伺うってお義父様とランドルフ様にはちゃ~んとお伝えしておいたから』
『ローゼンタールが抜けた資本金や資産の穴埋めはあの2人の隠し財産を吐き出させなさい。全額吐き出させれば足りるし残りはザッカリーが管理しなさい⋯⋯おふたりには低金利の利息分と給与を渡しておけばザッカリーに生活費を払った後でも十分生活していける。
彼らが全額出したと言い出してもこの金額に足りなかったら連絡をしておいで、こっそり隠し込んだ財産をまるっと炙り出してあげるからね。あのおふたりは逆さに振っても埃も出ないくらいにしておかないと反省しないで脱走するからね』
ケインがザッカリーに渡した書類にはあちこちの国に預けられている爺さんズの財産の全てが詳細に記されていた。
ライル・キャンストル伯爵達の起こした事件が一部公になりローゼンタール伯爵家が『ミーレス貿易会社』から撤退を発表した後、社交界には様々な噂が流れ新聞の一面や雑誌の見開きページを独占し続けた。
『三代続く横行に耐え続けた伯爵家の末路、残された長男は⋯⋯』
『義妹に嫉妬し凶行に及んだ令嬢が無罪放免!?』
『事業計画を無視した経営戦略を行う社長とその夫人⋯⋯独占した権利の陰に見えてきた自社株の買い占め』
『全てを奪い去る伯爵家と、貿易会社の危機』
報道内容に対しては完全黙秘を続け社交の全てを取りやめたケイン達は新会社設立に向けて和気藹々と家族会議をしていた。
「会社の名前なんですけど⋯⋯『フォルテ・カンパニー』と言うのはどうですか?」
「ラテン語で『チャンス』か⋯⋯うん、良いじゃないか」
「ええ、アーシェらしくてとても良いチョイスだわ」
名前が決まったばかりの『フォルテ・カンパニー』はローゼンタール伯爵家の資産を有利に運用・管理する目的のためだけに設立する資産管理会社で所謂プライベートカンパニーと呼ばれる。
「個人投資だと税率が半端ないし投資会社にしてしまうと知識のないままリターンだけを求める有象無象が集まってくるからね。取り敢えずは『ミーレス貿易会社』経由で父上達からもぎ取った隠し財産やそれ以外の貯蓄分で試運転していこうと思ってる。
リリベルはもちろんだけど学園を卒業したらアーシェも投資先の選別から参加してもらうから、時間のある時に勉強しておきなさい」
経済分析だけでなく社会情勢や投資環境の予測などの分析を行い投資対象の選択まで決定するのはハードでハイリスクな分楽しみも大きい。
「他家の資産を運用しない限りはある程度の冒険は許されると言うことかしら?」
子供のように目を輝かせたリリベルが身を乗り出した。
「その通りだよ、失敗したら黒パンとキャベツのスープになるかもだけどね」
真面目な顔をしようと頑張っているらしいケインも口元がフルフルと震え喜びが隠しきれていない。
通常の業務に加えてエマーソンやランドルフから突然舞い込む契約書を精査し会社にとって利益となるか不利益となるかの調査を長年続けていたケインは、年間計画にない事業に配分する予算や人手に頭を悩ませ不利益確定の契約書から出る被害を最小限に食い止めるために奔走していた日々との決別に胸を躍らせていた。
ケインが奔走する間社長職を代行しながら追加予算の捻出で銀行に走り弁護士と打ち合わせる。契約書に記された国・地域・企業の調査などを補佐しケインと手分けしてあちこち走り回っていたリリベルは、突然全てが崩れ去ってもおかしくない綱渡りのような危険を抱えた生活から解放される喜びで胸を振るわせていた。
学園を卒業するまでの一年でどこまで自分が頑張れるのか⋯⋯今まで祖父達のお楽しみが引き起こしてきた苦労を何も知らずにいたアーシェは、両親への感謝と共に新会社で役に立てる知識を身につけたいと希望に溢れていた。
ローゼンタール家を騙して婚約を決めた父親は頑なに非を認めず婚約は継続され、デイビッドは何度話しても叱っても少しずつ道を外れていく。
(全てをケインおじさんに話すべきだって分かってたけど⋯⋯デイビッドはどうなる。こんな婚約話自体出てこなけりゃよかったんだ!)
10年前に家を出てから一度もデイビッドに連絡を取らなかった事をザッカリーは後悔していた。
(まさか父上とデイビッドがこんな事をしでかすなんて思ってもいなかった)
「ザック兄様はライルおじ様と戦ってくれてたって聞いたからそれで十分⋯⋯いつかカーラ様やお子様とお会いできる日を楽しみにしてるからね」
「⋯⋯あの時父上が超えちゃいけない線を超えたって知ってたのに何もしなかった俺にはあそこに戻る資格なんてないよ。ここに顔を出す資格だって本当はな⋯⋯」
「卑怯者! また逃げ出すの? デイビッドが帰ってくる場所を守ってあげようとは思わないの? ライルおじ様の説得を諦めた時ザック兄様はデイビッドの事を見捨てたんだよ」
『俺さぁ、とうとう兄上に見放されたみたい⋯⋯何にも言わずにいなくなってたんだ~』
10年前に家を出てからデイビッドやライルと完全に縁を切っていたザッカリーはアーシェの言葉に驚いて目を見開いた。
「デイビッドはザック兄様が大好きだったからすっごく寂しそうだった。ランドルフお祖父様がポックリ逝ったらデイビッドが帰ってきた時『ただいま』って言えないじゃない。そんなの可哀想だと思う!」
(デイビッドが私に我儘ばっかり言ってたのはザック兄様に捨てられて寂しかったからだと思ってた⋯⋯ううん、今でも間違いないと思ってる)
「私はもうデイビッドに絶縁宣言したの。デイビッドは話したい事を聞いて欲しいって思ってる相手に向き合うべきで、それは今も昔も私じゃない。
デイビッドは鈍チンだから自分の気持ちに気付いてなくて迷走ばっかしてるけど、ずっと大切にしてる宝物箱を見たらザック兄様には分かると思うよ」
デイビッドがクローゼットの隅に隠している宝物箱にはザッカリーとの思い出の品⋯⋯一緒に拾った石や貝殻、ザッカリーが削って作ってくれた木剣などの思い出が溢れている。
その後、ザッカリーは妻子と共に伯爵家に戻りローゼンタール伯爵家が抜けた『ミーレス貿易会社』の立て直しに奮闘した。
『王宮文官にできるものか!』
『家を捨ててたんじゃなかったのか? 今更調子のいい事を』
慣れない仕事を早朝から深夜までコツコツとこなすザッカリーを見直す者や、ローゼンタール伯爵家の横暴が嫌で家を出ていたのだろうと言う者も僅かにいたが針の筵だったことは言うまでもない。
ランドルフとエマーソンはザッカリーにお尻を叩かれながら真面目に仕事をしているらしいが、会社の古株社員や昔からの取引先から避けられて落ち込んでいた。
『いつ何時何を言いはじめるか⋯⋯』
『ストッパーなしであの方達の無茶振りが飛んできたら⋯⋯』
『リリベル様⋯⋯せめてケイン様が監視してくださるならなんとかなるかもだけど、ザッカリー様では心許なくて』
リリベルからエマーソン達への最後のお仕置きはザッカリーに一任された。
『もし以前のような行動が少しでも見えはじめたら強権を発動するといいわ。それに抗うようならローゼンタールへ早馬を飛ばしてね。すぐに話し合いに伺うってお義父様とランドルフ様にはちゃ~んとお伝えしておいたから』
『ローゼンタールが抜けた資本金や資産の穴埋めはあの2人の隠し財産を吐き出させなさい。全額吐き出させれば足りるし残りはザッカリーが管理しなさい⋯⋯おふたりには低金利の利息分と給与を渡しておけばザッカリーに生活費を払った後でも十分生活していける。
彼らが全額出したと言い出してもこの金額に足りなかったら連絡をしておいで、こっそり隠し込んだ財産をまるっと炙り出してあげるからね。あのおふたりは逆さに振っても埃も出ないくらいにしておかないと反省しないで脱走するからね』
ケインがザッカリーに渡した書類にはあちこちの国に預けられている爺さんズの財産の全てが詳細に記されていた。
ライル・キャンストル伯爵達の起こした事件が一部公になりローゼンタール伯爵家が『ミーレス貿易会社』から撤退を発表した後、社交界には様々な噂が流れ新聞の一面や雑誌の見開きページを独占し続けた。
『三代続く横行に耐え続けた伯爵家の末路、残された長男は⋯⋯』
『義妹に嫉妬し凶行に及んだ令嬢が無罪放免!?』
『事業計画を無視した経営戦略を行う社長とその夫人⋯⋯独占した権利の陰に見えてきた自社株の買い占め』
『全てを奪い去る伯爵家と、貿易会社の危機』
報道内容に対しては完全黙秘を続け社交の全てを取りやめたケイン達は新会社設立に向けて和気藹々と家族会議をしていた。
「会社の名前なんですけど⋯⋯『フォルテ・カンパニー』と言うのはどうですか?」
「ラテン語で『チャンス』か⋯⋯うん、良いじゃないか」
「ええ、アーシェらしくてとても良いチョイスだわ」
名前が決まったばかりの『フォルテ・カンパニー』はローゼンタール伯爵家の資産を有利に運用・管理する目的のためだけに設立する資産管理会社で所謂プライベートカンパニーと呼ばれる。
「個人投資だと税率が半端ないし投資会社にしてしまうと知識のないままリターンだけを求める有象無象が集まってくるからね。取り敢えずは『ミーレス貿易会社』経由で父上達からもぎ取った隠し財産やそれ以外の貯蓄分で試運転していこうと思ってる。
リリベルはもちろんだけど学園を卒業したらアーシェも投資先の選別から参加してもらうから、時間のある時に勉強しておきなさい」
経済分析だけでなく社会情勢や投資環境の予測などの分析を行い投資対象の選択まで決定するのはハードでハイリスクな分楽しみも大きい。
「他家の資産を運用しない限りはある程度の冒険は許されると言うことかしら?」
子供のように目を輝かせたリリベルが身を乗り出した。
「その通りだよ、失敗したら黒パンとキャベツのスープになるかもだけどね」
真面目な顔をしようと頑張っているらしいケインも口元がフルフルと震え喜びが隠しきれていない。
通常の業務に加えてエマーソンやランドルフから突然舞い込む契約書を精査し会社にとって利益となるか不利益となるかの調査を長年続けていたケインは、年間計画にない事業に配分する予算や人手に頭を悩ませ不利益確定の契約書から出る被害を最小限に食い止めるために奔走していた日々との決別に胸を躍らせていた。
ケインが奔走する間社長職を代行しながら追加予算の捻出で銀行に走り弁護士と打ち合わせる。契約書に記された国・地域・企業の調査などを補佐しケインと手分けしてあちこち走り回っていたリリベルは、突然全てが崩れ去ってもおかしくない綱渡りのような危険を抱えた生活から解放される喜びで胸を振るわせていた。
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