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五日目 5
しおりを挟む「……アキちゃん、目開けて。俺のこと見て?」
目を開けると、雄の顔をしたルートが俺の顔を覗き込んでいた。ぼんやりと目を合わせると、うれしそうに微笑んで、優しく俺の唇を舐める。
「三十分ピストンはできないけど、それ以外はしてもいいみたいだから、いっぱいキスしよう?」
「ん……っ」
舌を差し出すと、ルートは迷いなくその舌を絡め取って、俺の口内をぐちゃぐちゃに掻き回した。
あふれそうな唾液を飲み下しながら、俺もルートの舌を強く吸う。
「ん、むっ……ふ、あっ、ああっ……!」
「ほんとここ好きなんだね。軽く触るだけで、ナカがぎゅーって俺のこと締め付けてくる」
ルートの指が、よしよしと言うように俺の乳首を優しくと擦り上げてくる。
それだけでそこが火傷しそうなほど熱く感じられて、気持ちよくて、もっと触ってほしかった。
「はっ……あ……ルート、もっと……」
「うん。いいよ」
ルートは少し頭を下げて、俺の乳首を口に含んだ。乳輪ごと咥えて、やんわりと吸う。舌先で突起をぺろぺろと舐められて、また俺の性器からとろりと白濁がもれた。
「はっ、あ、……やばい、ずっとイッてる……っ、頭バカになりそう……ッあ、んん……」
「うん、俺もずっとイッてるよ。一緒にいっぱいイこうね」
そう言われると、腹の奥がいっそう温かく感じられて、きゅうっとナカが狭まるように動いた。
ルートが一瞬びくっと体を跳ねさせ、俺の乳首に軽く歯が当たる。間違いなく痛かったのに、鈴口からはビュクッと精液が吹き出していた。
その後も、丁寧に、執拗に、愛撫を施される。
体中を撫でられ、乳首をしゃぶられ、弄られ、目が合うたびに唾液を交換するようなキスをした。
ルートの雄は俺のナカでどくどくと脈打ち、動かさずともその鉄のような硬さを保っている。
それから腹の奥に注がれているであろう精液の熱さを感じ取るだけで、俺の性器は壊れた蛇口のようにとろとろと精液をこぼし続けていた。
頭も体もイカれてる。
もう戻れないかもしれない──そう思うのに、決して怖くはなかった。
ルートの顔を見つめてから、その髪を撫で、形の良い頭を掻き抱くように抱きしめる。ルートから「苦しいよ」と苦言を呈されたが、それを無視したまま、その髪に口付けた。
出会ったときは、ただ体の相性の良いセフレだった。ルートにとってもそうだったはずだ。
でも、いまは誰よりも愛おしい。きっと、血の繋がった家族よりも、自分自身よりも。
「るうと、るうと、好き、好きだ」
言った瞬間、ルートの頭を抱きしめていた腕を無理やり引き剥がされた。
ルートは興奮しきった目で俺の顔を覗き込む。そして、どろりと溶けるように微笑んだ。
「俺も好きだよ、秋也」
一瞬、なにを言われたのかわからなくて──でも、すぐに心臓はばくばくと音を立てはじめた。
かあっと熱が全身をめぐる。
そんな大したことを言われたわけじゃないと頭ではわかっているのに、体はここ最近で一番興奮しているようだった。
口がはくはくと動くが、言葉は出てこない。
ルートは軽く首を傾げて、子どものように笑ってみせる。
「ちゃんと名前で呼んでみたいなってずっと思ってて、こっそり呼ぶ練習してたんだ。これからは時々呼んでもいい?」
「っあ……それは、」
「いいよね。だって、いますごくナカきゅんきゅんしてるもん。あだ名じゃなくて本名で呼ばれるの、秋也もうれしいんだね」
「ッ、ばか……っ、んぁ、アッ、ひ、」
突然尻を掴まれ、ゆっくりと軽く上下に揺さぶられる。
「三十分経ったから、ゆっくり動くね」
その甘い声に俺はなにも言えず、ただ縋るように目の前のルートに抱きついた。
この先きっと、天国なのか地獄なのかもわからない快楽が待っている。それでも、恐怖はない。
ルートが傍にいるのなら、天国だろうが地獄だろうがなんだってよかった。
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