4 / 23
アリーお城に着く
しおりを挟む
お城に着くなり、とんでもない広い豪華な部屋に案内されてしまった。
私は戸惑ってしまう。
「あの……クラリス様なぜこのようなお部屋に案内なされるのでしょうか? 私は学ばせていただく身ですけど……」
「あぁその恥じらいながらも主張する姿がけなげで可愛らしいな」
クラリス様は私の頭をポンポンと子供にするように撫でる。
そういえば、お父様もよく頭を撫でてくれたわね。
初めて家から出たと思ったら婚約が決まり、結婚式を挙げようとすれば相手が来なくて今はお城にいるなんてなんだか物語のような展開ね。
「ふふふ」
「どうしたんだ。って笑顔じゃないか。俺の理性を壊す気なのか? それとも試しているのか?」
「えっ? 何がですか……」
「いや悪い。先程も言ったが俺はアリーと結婚したいと思っている。だからここは未来の王妃が住む部屋なのだ」
「へっ? そんなことあってはなりません。クラリス様どうかどうか……部屋がないのでした馬小屋で結構ですので」
私は未来の王妃と聞かされてどうしていいのかわからない。
そんなつもりで来たわけではない。
お父様が勉強が必要だとおっしゃったから来ただけなのに……
「馬小屋なんか行かせられるわけないだろう。それともこの部屋は気に入らないのか? なら改築してもっと大きくすることも可能だが……おいっ、誰かいないか?」
クラリス様が誰かを呼ぼうとしているので私は慌てて遮ることにした。
「いえ、ここでいいです」
私にはそう言うしかできなかった。
「ならいい」
「ところで私は今から何を勉強させていただけばいいのでしょうか?」
「そうだな……まずは俺のそばに来てくれないか? そんなに離れられては困る」
「えっ、あの……」
「俺に慣れてもらわなければ仕事も任せられないだろう?」
「あっそうですよね。申し訳ありません」
私は言われた通りクラリス様が両手を広げているのでそのまま近くまで行き、差し出されている手を握ることにした。
クラリス様はなぜか天井を見上げると
「そうきたかー。ヤバイ。これはこれで可愛すぎるなっ」
「えっ? 何か間違っていましたでしょうか?」
私はまた失礼なことをしてしまったのではないかと不安になって下を向いてしまった。
「いや、そんな顔しないでくれ」
クラリス様は私の顔を上げると優しく額に口づけを落とす。
チュッ
なぜか額のぬくもりから安心感を得られることができた。
そうだ。これもお父様が眠る前にしてくれていたからだわ。
そんなことを思い出せばいきなり眠気が襲ってきてしまった。
ふわぁーと欠伸が出てしまったので手で抑える。
「ふっ、どこまでもかわいいんだ。そうだよな、アリーは疲れたよな。本当ならこのまま俺が花嫁姿のアリーと式を挙げたいが、その前に余計なものをしっかりと排除しておく必要があるからな。今は我慢しよう。ゆっくりお休み」
「えっ、はい。ですが……このままでは眠れません」
「そうだな。侍女をつけることにしよう。フィナ来なさい」
フィナと呼ばれた女性がやってくると20代くらいのとても美しくきっちりとした態度で礼儀正しく挨拶をしてくれた。
「アリー様お待ちしておりました。私がお手伝いいたします。フィナです。よろしくお願いします」
「えっ、あのアリーです。様はいりませんので……こちらこそよろしくお願いします」
私は全身全霊で頭を下げた。
「ふっふっふ。面白い方ですね」
「フィナくれぐれも頼んだからな」
「はい殿下」
クラリス様はそのまま出て行くとすぐにフィナは着替えさせてくれ、美味しい紅茶を入れてくれた。
私はそのままベッドに倒れこむようにいつのまにか眠ってしまっていたのだった。
私は戸惑ってしまう。
「あの……クラリス様なぜこのようなお部屋に案内なされるのでしょうか? 私は学ばせていただく身ですけど……」
「あぁその恥じらいながらも主張する姿がけなげで可愛らしいな」
クラリス様は私の頭をポンポンと子供にするように撫でる。
そういえば、お父様もよく頭を撫でてくれたわね。
初めて家から出たと思ったら婚約が決まり、結婚式を挙げようとすれば相手が来なくて今はお城にいるなんてなんだか物語のような展開ね。
「ふふふ」
「どうしたんだ。って笑顔じゃないか。俺の理性を壊す気なのか? それとも試しているのか?」
「えっ? 何がですか……」
「いや悪い。先程も言ったが俺はアリーと結婚したいと思っている。だからここは未来の王妃が住む部屋なのだ」
「へっ? そんなことあってはなりません。クラリス様どうかどうか……部屋がないのでした馬小屋で結構ですので」
私は未来の王妃と聞かされてどうしていいのかわからない。
そんなつもりで来たわけではない。
お父様が勉強が必要だとおっしゃったから来ただけなのに……
「馬小屋なんか行かせられるわけないだろう。それともこの部屋は気に入らないのか? なら改築してもっと大きくすることも可能だが……おいっ、誰かいないか?」
クラリス様が誰かを呼ぼうとしているので私は慌てて遮ることにした。
「いえ、ここでいいです」
私にはそう言うしかできなかった。
「ならいい」
「ところで私は今から何を勉強させていただけばいいのでしょうか?」
「そうだな……まずは俺のそばに来てくれないか? そんなに離れられては困る」
「えっ、あの……」
「俺に慣れてもらわなければ仕事も任せられないだろう?」
「あっそうですよね。申し訳ありません」
私は言われた通りクラリス様が両手を広げているのでそのまま近くまで行き、差し出されている手を握ることにした。
クラリス様はなぜか天井を見上げると
「そうきたかー。ヤバイ。これはこれで可愛すぎるなっ」
「えっ? 何か間違っていましたでしょうか?」
私はまた失礼なことをしてしまったのではないかと不安になって下を向いてしまった。
「いや、そんな顔しないでくれ」
クラリス様は私の顔を上げると優しく額に口づけを落とす。
チュッ
なぜか額のぬくもりから安心感を得られることができた。
そうだ。これもお父様が眠る前にしてくれていたからだわ。
そんなことを思い出せばいきなり眠気が襲ってきてしまった。
ふわぁーと欠伸が出てしまったので手で抑える。
「ふっ、どこまでもかわいいんだ。そうだよな、アリーは疲れたよな。本当ならこのまま俺が花嫁姿のアリーと式を挙げたいが、その前に余計なものをしっかりと排除しておく必要があるからな。今は我慢しよう。ゆっくりお休み」
「えっ、はい。ですが……このままでは眠れません」
「そうだな。侍女をつけることにしよう。フィナ来なさい」
フィナと呼ばれた女性がやってくると20代くらいのとても美しくきっちりとした態度で礼儀正しく挨拶をしてくれた。
「アリー様お待ちしておりました。私がお手伝いいたします。フィナです。よろしくお願いします」
「えっ、あのアリーです。様はいりませんので……こちらこそよろしくお願いします」
私は全身全霊で頭を下げた。
「ふっふっふ。面白い方ですね」
「フィナくれぐれも頼んだからな」
「はい殿下」
クラリス様はそのまま出て行くとすぐにフィナは着替えさせてくれ、美味しい紅茶を入れてくれた。
私はそのままベッドに倒れこむようにいつのまにか眠ってしまっていたのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
64
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる