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8章
130話 *またもや刺客登場
しおりを挟むいつもの広いベッドとは違う、和室に敷かれた布団。組の誰もいない2人だけの空間。いつもとは違うシチュエーションが晴柊を浮足立たせる。
「も、ぅ……いれてっ……」
執拗にナカを弄る琳太郎に晴柊が強請る。琳太郎は何も言わず晴柊をそのまま押し倒した。背後から抱きしめるような姿勢から、そのまま晴柊を布団のうえで四つん這いにさせる。晴柊の腕を拘束していた帯を一度解き、後ろ手に拘束し直す。
晴柊は上半身を布団につけ、膝を立たせるように尻だけ高くつき上げた姿勢にされる。
琳太郎が晴柊の揉み甲斐のある尻を掴むと、自分のモノをゆっくりと入れ込んだ。
「んっ……はぁ、ぁ~~っ♡」
晴柊の目が蕩けていく。表情を見られていないことを良いことに、晴柊は自分がだらしのない顔をしているとわかりつつも抑えられずにいた。
「おら、ちゃんと締めろ。入れられただけで満足してんじゃねえよ。」
琳太郎が晴柊の尻を数回叩く。筋肉が自然と収縮し、晴柊は甘い声を挙げ喜ぶように腰を振った。誰に言われるでもなく自らゆるゆると腰を振る姿が愛おしく、琳太郎は思わず喉を鳴らす。今すぐに突き上げたい衝動に駆られるが、じっと晴柊の行動を楽しむように見入っていた。
「ん、ぁ、んっ……はぁっ……動いて、くれないの……?」
「なんだよ。上手に尻尾振れてんだからいいだろ。」
「ぅ、ぁんっ……はぁ、でも、たりなぃ……」
晴柊がちらりと後ろを見る。琳太郎はじっと見つめ返し、晴柊がゆっくり琳太郎の方に腰を動かしナカに埋めるのと同時に自分のモノを晴柊の動きとは逆方向に動かし奥深くに入れ込む。
いつものジワジワと迫る快感とは違い、一瞬で、深く突き刺さるような刺激に晴柊は内腿を震わせて悦ぶ。
「ん゛ぉ、っ…♡♡……は、ぁっ……ん……!♡♡」
琳太郎がぐっぐっと体重をかけさらに奥深くへと入り込もうとのめりこんだ。晴柊は声にならない声を漏らしながら息を荒げていく。
「晴柊、晴柊。起きてんのか?」
「お、き……で、る゛、っ……ぁ、あ゛っ……!!♡♡」
晴柊の結腸を琳太郎が圧力で責め立てる。少しずつ動いて見せれば、晴柊から苦しさとも取れる声が聞こえてくる。
「寝るなよ。明日の帰り道、いくらでも寝ていいからよ。」
相も変わらず体力お化けだと晴柊は思った。しかし、意識を手放しそうなときに意地でも戻される感覚も晴柊にとっては堪らなく、病みつきになっていた。
♦
「あ~あ。皆には申し訳ないけど、まだ帰りたくないなぁ~。」
晴柊は両手に大量のお土産を抱えながら嘆いていた。琳太郎の手にもお土産が沢山である。晴柊があれも買っていきたい、これもあげたい、と目を輝かせ、琳太郎が甘やかした結果である。
温泉饅頭、チョコレート、あらゆるお菓子というお菓子に漬物など、これでもかという量。琳太郎は晴柊が喜ぶ姿を見ることが本望なので、ストッパー役がいなかったのである。
晴柊は車の後部座席にお土産を入れながら旅の終わりを寂しがっていた。
「また来よう。すぐに連れて行ってやる。」
琳太郎が晴柊の頭を撫でる。晴柊は嬉しそうに頷いた。
こうして二人の旅は終わる。琳太郎の運転する車で、晴柊は昨晩夜遅くまでシていたこともあり助手席で気持ちよさそうに、幸せそうに、眠っていた。
♦
屋敷に着き、琳太郎が晴柊を起こす。車から降りると門の傍に出迎えの日下部が見えた。
「お帰りなさい。ゆっくり羽を伸ばせましたか?」
日下部が大量の荷物を受け取りながら問いかける。
「ああ、お陰様でな。」
「これ、みんなのお土産ね!」
「組長、帰って早々すみません。ちょっと話がありまして……」
晴柊が嬉しそうに日下部に土産を渡していると、何やら深刻そうな表情を浮かべている。不穏な雰囲気に晴柊の土産を押し付ける手が止まると、屋敷から篠ケ谷が出てくる。
「晴柊。こっち来い。」
何かあったのかと聞きたくなる衝動を抑え、晴柊は大人しく篠ケ谷の元へと行く。そのときだった。琳太郎の元を離れ篠ケ谷の元へと歩みを進める晴柊とは逆に、晴柊とすれ違うようにして琳太郎に近寄っていく一人の影。反射的に晴柊が振り向くと、一人の男が琳太郎に飛びつくようにして抱き着いた。
背丈は晴柊と同じくらいの、柔らかそうな栗色の髪の毛が揺れる。華奢な腕が、遠慮なく琳太郎の首元に回され、密着する。
「琳太郎さん!久しぶり!」
「リク……お前、なんでここに……」
「あれ、日下部から話聞いてなかったの?まあいっか!久々だしゆっくり話でも――」
晴柊は琳太郎に抱き着く男を見て思わず固まる。誰だ。琳太郎に抱き着くな。内なる嫉妬心がふつふつと湧いてくる。篠ケ谷はまた勝手なことをされたと言わんばかりにため息を付く。この面倒くさい状況に鉢合わせないようにしていたのに水の泡だと篠ケ谷の苦労が絶えない。
「な、あの人誰だよ、ちょっ、シノちゃん!おいアンタ、琳太郎から離れろ!」
「なーにー?あ、もしかしてアレが……」
男が琳太郎にくっついたままじーっと不満気にこちらに向かおうとしてくる晴柊をジト目で睨み返す。篠ケ谷が晴柊の腕をぐっと掴み、今にでも向かって行きそうなところを制止する。
「おい、説明してやっからお前は一旦こっち来い。」
リク、と呼ばれた男と晴柊を同じ空間にいるとまるで話がややこしくなる、とでもいうように篠ケ谷は晴柊を遠ざけるように中へと連れて行った。琳太郎もまるで状況が掴めないといったような表情である。しかし、知り合いには違いない。どんな関係?なんだよハグって!と晴柊は聞きたいこと山ほどあるのに追い付かないでいた。
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