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36. 甘い休憩時間
「リースベット、食べないのか? スープが冷めるぞ」
スプーンを口元へ差し出される中、リースベットが口を閉じたまま微動だにせず固まっていると、アイゼルが急かすような言葉を投げかける。
ほら、と言いながらさらに手に持ったスプーンを近づけてきた。
……ど、どう考えてもこれは……食べさせようとしてくださってるの、よね?
思わぬアイゼルの行動にリースベットは戸惑いを隠せない。
動揺から動けずにいると、何を思ったのかアイゼルは一度スプーンを引き戻し、今度は自分の口元へと持っていく。
「そうか、長話しすぎて口も疲れてしまったんだな。自分で開けられないなら……俺が口移しで食べさせるしか方法はないよな?」
耳に飛び込んできたのは、信じられない台詞だった。
……口移し!?
口づけしながら食事をするなんて、そんなの絶対に無理だ、とリースベッドは焦る。
意識がない時ならばまだしも、この状態でされたら恥ずかしすぎて死んでしまう。
だだでさえ昨夜のキスの記憶が色濃く残っているのだから、思わず変な気分になりかねない。
「た、食べられます! 口、自分で開けられます……!」
慌てたリースベットは反射的に言葉を返し、その勢いのまま口を大きく開ける。
「ふっ」
すると、アイゼルの形の良い唇からかすかな笑い声が零れ、それと同時にリースベットの口の中にスープの旨味が広がった。
「……んっ」
「どうだ? 美味いか?」
「は、はい」
「じゃあもう一口。ほら、口開けて」
言われた通り、あーんと口を開き、再び差し出されたスプーンをパクリと咥える。
じっくり煮込まれたじゃがいもと長ネギのスープは、コクがあり風味豊かだ。
胃の負担にならないよう、具材は細かく刻まれてスープに溶け込ませてあり、とても口当たりが優しい。
作り手の思いやりを感じるスープは、空っぽの胃に染み渡っていく。
リースベットはその美味しさに頬を緩め、無意識のうちにもう一口ねだるよう自ら口を開けた。
その様子を見逃さず、すかさずアイゼルがスープをすくってスプーンをリースベットの口へ運ぶ。
あーん、パクリ、あーん、パクリの応酬が繰り返され、気づけばスープの入っていたお皿は底が見えるほどになっていた。
「よほど腹が減っていたんだな。残念だがもうスープは空だ。次はサラダか果物どちらがいい?」
そうアイゼルに尋ねられた時、ようやくリースベットはハッとした。
あまりに空腹で途中から食べさせてもらう恥ずかしさも忘れて、夢中で貪っていたのだ。
……もう、私ったら! なにしてるの!
そもそも公爵家当主のアイゼルに食べさせてもらうなど恐れ多い。
こういうことは使用人がする仕事のため、本来なら侍女であるエルマに頼むのが筋だ。
というよりも、大前提としてリースベットは身体を動かすのはつらい状態ではあるものの、食事をすること自体は一人でも可能である。
そう、わざわざ食べさせてもらう必要などないのだ。
「あの、あとは一人で食べられるので――……」
「で、どっちか決めたか?」
「いえ、ですから――……」
「野菜か? 果物か?」
「………果物、がいいです」
その旨をリースベットは伝えようと試みたが、結局アイゼルの謎の圧に押し返されてしまった。
一方のアイゼルはこの状態を心の底から楽しんでいた。
リースベットがあーんと口を開けてパクリと食いつく様子がものすごく可愛くてたまらないのだ。
ずっと見ていたい、と無心でスプーンを運び続けていた。
そんな楽しい時間を終わらせてなるものかと大人気なく必死に抵抗していた次第である。
……そうだ、次は違う方法で食べさせてみるか。
次に食べさせる予定の果物を目にした時、ふとそんなことまで思いついた。
知らず知らずのうちに口角に微笑を浮かべ、アイゼルはお皿に盛られた果物の中からイチゴを指で摘み上げる。
そして真っ赤に熟したイチゴを指で摘んだままリースベットの口元へ近づけた。
「ほら、イチゴだ。口開けて」
「えっ、でも」
「やはり口移しの方がいいか?」
「……このままで、お願いします」
リースベットが躊躇していた理由は明らかだ。
このままイチゴを食べさせてもらったら、アイゼルの指まで口に含んでしまう。
しかし口移しを示唆されて退路を絶たれ、リースベットは恐る恐るという様子で遠慮気味に口を開いた。
「……んぅ」
パクリとイチゴを頬張ると、案の定アイゼルの細く長い指まで咥えてしまった。
歯でアイゼルの指を噛んでしまないよう注意を払いながら、リースベットは舌でイチゴを探る。
そうこうしているうちに、アイゼルがイチゴから指を離し、リースベットの口内からそっと指を引き抜いた。
リースベットはついイチゴの咀嚼も忘れて、アイゼルの動きを目で追いかける。
すると目の前で思わぬことが起きた。
なんとアイゼルがその指をペロリと舐め取ったのである。
リースベットの唾液で濡れた指を、だ。
「………ッ!」
「どうした? そんな驚いた顔をして」
「だ、だって……ア、アイゼル様が指を……! 汚いですからやめてください……!」
「汚い? リースベットの唾液なら大歓迎だ。甘くて美味しい」
「そ、そんなはず、ないですから!」
「いや、本当だ。もっと味わいたいくらに美味しい」
涼しい顔でそんなトンデモ発言をするアイゼルにリースベットは動揺が止められずおたおたする。
だって唾液が甘くて美味しいなんて、どう考えてもおかしい。
もしこの場にエルマがいたならば、「旦那様、官能小説にしか出てこないような台詞をリアルに言うんですか! デロ甘すぎですよ!」とツッコミを入れていたことだろう。
リースベットもアイゼルはどこかに強く頭を打ちつけてしまったのでは、とにわかに心配になってくる。
だが次の瞬間、リースベットの頭の中で巻き起こっていた混乱は一瞬でシンと鳴りを潜めた。
なぜなら、アイゼルが信じられないくらい蕩けた眼差しをリースベットに向けていたからだ。
柔らかく細められた瞳には、溢れんばかりの愛情と狂おしいほどの熱が宿っている。
そんな甘い表情で見つめられ、リースベットの胸の鼓動はたちまちドキドキと騒がしくなった。
「もう一粒食べるか? もしくは他の果物でもいいぞ」
「……大丈夫です。お腹いっぱいです」
口の中にあったイチゴを咀嚼し終えると、リースベッドはイチゴに負けないほどの赤い顔で、かろうじてそう返答した。
その言葉に嘘はない。
もう胸がいっぱいで食事どころではなかった。
……今朝のアイゼル様も、まるで愛おしくてしょうがないというような目で私を見てくださったけれど、一夜にしてどうしてこうも突然変わったの……?
楽しい時間が終わって残念そうな顔をするアイゼルの姿をリースベットは密かにそっと見つめた。
昨夜の一件以来、アイゼルの言動は人が変わったかのようだとリースベットは感じていた。
公爵領でデートをした頃から少しずつ口数は増えていたものの、それが昨夜から一気にまた加速している。
しかも単に言葉数が多くなっただけでなく、堰を切ったように「可愛い」「愛してる」などの愛情表現を口にするようになった。
リースベットを何度も抱いたり、自慰行為をしなくなったり、行動自体にも変化が生じている。
……この言動はアイゼル様の本心に基づくものなの? だから先程離れるのは許さないって引き止めてくださった……?
そう期待してしまうのは、リースベットがアイゼルを愛していて、離れたくないからこそ、都合よく解釈してしまっているのだろうか。
今が夢みたいに幸せだからこそ、たとえ勘違いだとしてもそれでも構わないと思ってしまう自分がいる。
その時、ふと先程アイゼルが発した言葉が脳裏に蘇る。
――「リースベット、たぶん君は分かってない。俺がどれほど君を愛しているか。君を手に入れるためにどれほど手を尽くし、どれほど待ち焦がれていたのか、を」
……そういえばあれはどういう意味? 待ち焦がれた? まるで以前から私と結婚したかったって聞こえてしまうわ。……でも、そんなはずはないもの。
いつものリースベットなら疑問をそのまま呑み込んでいただろう。
でもこの時、リースベットは心の奥底から強く思った。
アイゼルの真意を知りたい、と。
それはエイムズ伯爵家のしでかした一件により、アイゼルから離る一抹の可能性があったからに他ならない。
もしかしたらアイゼルとこうして二人で話すのも最後になるかもしれないのだ。
それならば、言動が突然変わった理由も含めて愛する人の心の内を最後に知りたいと願った。
我儘になってもいいと言ってくれたアイゼルの言葉を信じて、自分の望みを告げてみようと思ったのだ。
「――あの、アイゼル様」
「ん? どうした?」
「夕食も済んだことですし、先程の話の続きに戻りませんか? ……私、アイゼル様の心の内が知りたいのです」
「リースベット……」
「アイゼル様は先程おっしゃいました。私がアイゼル様の気持ちを分かっていないと。だから……教えていただけませんか?」
いつになく自分の望みを素直に口にするリースベットにアイゼルはハッとした。
どこか覚悟を決めたような雰囲気を漂わせたリースベットは儚げながらも凛とした強さがあり、思わず見惚れてしまうほど美しい。
目が吸い寄せられ、離せない。
夜会会場の庭で一目惚れした時の感覚を思い起こさせる。
……ああ、きっと俺はまた君に一目惚れをしてしまったのだな。
アイゼルは愛しげに目元を和らげると、リースベットの手を包み込むように自身の手を重ねた。
「もちろんだ。俺もリースベットに知って欲しい。今まで隠してきたのは、君を怖がらせるかと思ったからだ。……その、多少俺の気持ちは重いからな」
そう前置くと、アイゼルは語り始めた。
これまでリースベットには告げていなかった自身の秘めた想い、そして密かに実行していた数々の行動を。
スプーンを口元へ差し出される中、リースベットが口を閉じたまま微動だにせず固まっていると、アイゼルが急かすような言葉を投げかける。
ほら、と言いながらさらに手に持ったスプーンを近づけてきた。
……ど、どう考えてもこれは……食べさせようとしてくださってるの、よね?
思わぬアイゼルの行動にリースベットは戸惑いを隠せない。
動揺から動けずにいると、何を思ったのかアイゼルは一度スプーンを引き戻し、今度は自分の口元へと持っていく。
「そうか、長話しすぎて口も疲れてしまったんだな。自分で開けられないなら……俺が口移しで食べさせるしか方法はないよな?」
耳に飛び込んできたのは、信じられない台詞だった。
……口移し!?
口づけしながら食事をするなんて、そんなの絶対に無理だ、とリースベッドは焦る。
意識がない時ならばまだしも、この状態でされたら恥ずかしすぎて死んでしまう。
だだでさえ昨夜のキスの記憶が色濃く残っているのだから、思わず変な気分になりかねない。
「た、食べられます! 口、自分で開けられます……!」
慌てたリースベットは反射的に言葉を返し、その勢いのまま口を大きく開ける。
「ふっ」
すると、アイゼルの形の良い唇からかすかな笑い声が零れ、それと同時にリースベットの口の中にスープの旨味が広がった。
「……んっ」
「どうだ? 美味いか?」
「は、はい」
「じゃあもう一口。ほら、口開けて」
言われた通り、あーんと口を開き、再び差し出されたスプーンをパクリと咥える。
じっくり煮込まれたじゃがいもと長ネギのスープは、コクがあり風味豊かだ。
胃の負担にならないよう、具材は細かく刻まれてスープに溶け込ませてあり、とても口当たりが優しい。
作り手の思いやりを感じるスープは、空っぽの胃に染み渡っていく。
リースベットはその美味しさに頬を緩め、無意識のうちにもう一口ねだるよう自ら口を開けた。
その様子を見逃さず、すかさずアイゼルがスープをすくってスプーンをリースベットの口へ運ぶ。
あーん、パクリ、あーん、パクリの応酬が繰り返され、気づけばスープの入っていたお皿は底が見えるほどになっていた。
「よほど腹が減っていたんだな。残念だがもうスープは空だ。次はサラダか果物どちらがいい?」
そうアイゼルに尋ねられた時、ようやくリースベットはハッとした。
あまりに空腹で途中から食べさせてもらう恥ずかしさも忘れて、夢中で貪っていたのだ。
……もう、私ったら! なにしてるの!
そもそも公爵家当主のアイゼルに食べさせてもらうなど恐れ多い。
こういうことは使用人がする仕事のため、本来なら侍女であるエルマに頼むのが筋だ。
というよりも、大前提としてリースベットは身体を動かすのはつらい状態ではあるものの、食事をすること自体は一人でも可能である。
そう、わざわざ食べさせてもらう必要などないのだ。
「あの、あとは一人で食べられるので――……」
「で、どっちか決めたか?」
「いえ、ですから――……」
「野菜か? 果物か?」
「………果物、がいいです」
その旨をリースベットは伝えようと試みたが、結局アイゼルの謎の圧に押し返されてしまった。
一方のアイゼルはこの状態を心の底から楽しんでいた。
リースベットがあーんと口を開けてパクリと食いつく様子がものすごく可愛くてたまらないのだ。
ずっと見ていたい、と無心でスプーンを運び続けていた。
そんな楽しい時間を終わらせてなるものかと大人気なく必死に抵抗していた次第である。
……そうだ、次は違う方法で食べさせてみるか。
次に食べさせる予定の果物を目にした時、ふとそんなことまで思いついた。
知らず知らずのうちに口角に微笑を浮かべ、アイゼルはお皿に盛られた果物の中からイチゴを指で摘み上げる。
そして真っ赤に熟したイチゴを指で摘んだままリースベットの口元へ近づけた。
「ほら、イチゴだ。口開けて」
「えっ、でも」
「やはり口移しの方がいいか?」
「……このままで、お願いします」
リースベットが躊躇していた理由は明らかだ。
このままイチゴを食べさせてもらったら、アイゼルの指まで口に含んでしまう。
しかし口移しを示唆されて退路を絶たれ、リースベットは恐る恐るという様子で遠慮気味に口を開いた。
「……んぅ」
パクリとイチゴを頬張ると、案の定アイゼルの細く長い指まで咥えてしまった。
歯でアイゼルの指を噛んでしまないよう注意を払いながら、リースベットは舌でイチゴを探る。
そうこうしているうちに、アイゼルがイチゴから指を離し、リースベットの口内からそっと指を引き抜いた。
リースベットはついイチゴの咀嚼も忘れて、アイゼルの動きを目で追いかける。
すると目の前で思わぬことが起きた。
なんとアイゼルがその指をペロリと舐め取ったのである。
リースベットの唾液で濡れた指を、だ。
「………ッ!」
「どうした? そんな驚いた顔をして」
「だ、だって……ア、アイゼル様が指を……! 汚いですからやめてください……!」
「汚い? リースベットの唾液なら大歓迎だ。甘くて美味しい」
「そ、そんなはず、ないですから!」
「いや、本当だ。もっと味わいたいくらに美味しい」
涼しい顔でそんなトンデモ発言をするアイゼルにリースベットは動揺が止められずおたおたする。
だって唾液が甘くて美味しいなんて、どう考えてもおかしい。
もしこの場にエルマがいたならば、「旦那様、官能小説にしか出てこないような台詞をリアルに言うんですか! デロ甘すぎですよ!」とツッコミを入れていたことだろう。
リースベットもアイゼルはどこかに強く頭を打ちつけてしまったのでは、とにわかに心配になってくる。
だが次の瞬間、リースベットの頭の中で巻き起こっていた混乱は一瞬でシンと鳴りを潜めた。
なぜなら、アイゼルが信じられないくらい蕩けた眼差しをリースベットに向けていたからだ。
柔らかく細められた瞳には、溢れんばかりの愛情と狂おしいほどの熱が宿っている。
そんな甘い表情で見つめられ、リースベットの胸の鼓動はたちまちドキドキと騒がしくなった。
「もう一粒食べるか? もしくは他の果物でもいいぞ」
「……大丈夫です。お腹いっぱいです」
口の中にあったイチゴを咀嚼し終えると、リースベッドはイチゴに負けないほどの赤い顔で、かろうじてそう返答した。
その言葉に嘘はない。
もう胸がいっぱいで食事どころではなかった。
……今朝のアイゼル様も、まるで愛おしくてしょうがないというような目で私を見てくださったけれど、一夜にしてどうしてこうも突然変わったの……?
楽しい時間が終わって残念そうな顔をするアイゼルの姿をリースベットは密かにそっと見つめた。
昨夜の一件以来、アイゼルの言動は人が変わったかのようだとリースベットは感じていた。
公爵領でデートをした頃から少しずつ口数は増えていたものの、それが昨夜から一気にまた加速している。
しかも単に言葉数が多くなっただけでなく、堰を切ったように「可愛い」「愛してる」などの愛情表現を口にするようになった。
リースベットを何度も抱いたり、自慰行為をしなくなったり、行動自体にも変化が生じている。
……この言動はアイゼル様の本心に基づくものなの? だから先程離れるのは許さないって引き止めてくださった……?
そう期待してしまうのは、リースベットがアイゼルを愛していて、離れたくないからこそ、都合よく解釈してしまっているのだろうか。
今が夢みたいに幸せだからこそ、たとえ勘違いだとしてもそれでも構わないと思ってしまう自分がいる。
その時、ふと先程アイゼルが発した言葉が脳裏に蘇る。
――「リースベット、たぶん君は分かってない。俺がどれほど君を愛しているか。君を手に入れるためにどれほど手を尽くし、どれほど待ち焦がれていたのか、を」
……そういえばあれはどういう意味? 待ち焦がれた? まるで以前から私と結婚したかったって聞こえてしまうわ。……でも、そんなはずはないもの。
いつものリースベットなら疑問をそのまま呑み込んでいただろう。
でもこの時、リースベットは心の奥底から強く思った。
アイゼルの真意を知りたい、と。
それはエイムズ伯爵家のしでかした一件により、アイゼルから離る一抹の可能性があったからに他ならない。
もしかしたらアイゼルとこうして二人で話すのも最後になるかもしれないのだ。
それならば、言動が突然変わった理由も含めて愛する人の心の内を最後に知りたいと願った。
我儘になってもいいと言ってくれたアイゼルの言葉を信じて、自分の望みを告げてみようと思ったのだ。
「――あの、アイゼル様」
「ん? どうした?」
「夕食も済んだことですし、先程の話の続きに戻りませんか? ……私、アイゼル様の心の内が知りたいのです」
「リースベット……」
「アイゼル様は先程おっしゃいました。私がアイゼル様の気持ちを分かっていないと。だから……教えていただけませんか?」
いつになく自分の望みを素直に口にするリースベットにアイゼルはハッとした。
どこか覚悟を決めたような雰囲気を漂わせたリースベットは儚げながらも凛とした強さがあり、思わず見惚れてしまうほど美しい。
目が吸い寄せられ、離せない。
夜会会場の庭で一目惚れした時の感覚を思い起こさせる。
……ああ、きっと俺はまた君に一目惚れをしてしまったのだな。
アイゼルは愛しげに目元を和らげると、リースベットの手を包み込むように自身の手を重ねた。
「もちろんだ。俺もリースベットに知って欲しい。今まで隠してきたのは、君を怖がらせるかと思ったからだ。……その、多少俺の気持ちは重いからな」
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