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超大規模依頼編
第二十八話 静止
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ミヤとの戦闘を終えたガディが、ドサリと地面に座り込む。
強敵であった。殴られた箇所が熱を持って痛み出す。
「……神よ。迷い子の傷を癒したまえ。エクスヒール」
普段は唱えない、本当に正式な形での完全詠唱。
省略系でしか使ってこなかった魔法をキチンと唱えたのは随分と久しぶりだ。
魔法は呪文を唱えている間は身動きできなくなる欠点があるため、ガディは無詠唱、もしくは省略呪文しか普段は使わない。
しかしその分威力は落ち、手数でカバーしているのが現状である。
敵がいなくなった今、全力で集中して傷を癒やしにかかった。
「……よし」
五分ほどの時間を要し、傷があらかた塞がれる。
そこで遠くからこちらに向かってくる足音がした。
新手か、と思い警戒するも、顔を出したのはヨークであった。
「ヨーク」
「坊主! エルルの嬢ちゃん頼む!」
「エルルを?」
肩に背負われたエルルを、やけに丁寧にヨークが降ろす。
「!」
エルルの腹部にかなりの出血が見られた。
ガディは慌てて患部に治癒魔法を発動する。
「神よ、迷い子の傷を癒やしたまえ! エクスヒール!」
薄い緑色の光がエルルの腹部に灯る。
じわじわと遅いスピードで治っていく傷口に、ガディは苛立ちを覚えた。
ガディは本当に治癒魔法が向いていない。
元々攻撃魔法使いであったエルルには多少の適性を示したものの、ガディには小さな傷しかすぐに癒せない。
現にこうしてエルルの苦しみを長引かせている。
ガディの心情を表すように、額から汗が垂れて落ちた。
「……坊主、成長したな」
「なに、が」
「治癒魔法。少しは上達したんじゃないか」
「……これでか」
「ああ。大分マシだ。ミーシャには遠く及ばないがな」
「当たり前のこと、言うな。それに、ちっとも、上手くなんてない」
集中のあまり途切れ途切れになる言葉で、ガディが反論する。
「アレクがどれだけ凄いか、身に染みてわかる」
「……お前さん、本当に弟好きだな」
「ああ」
率直に頷いたガディになぜか機嫌をよくしたヨークは、もう一方の手で抱えていた町民を適当に床に転がす。
ヨークの行動のあまりの雑さに、ガディは眉を顰めた。
「そいつ、そんな適当に扱っていいのか。怪我人だぞ」
「嬢ちゃんの腹刺した奴だ」
一瞬、治癒魔法をやめてしまうところだった。
自身の頭に血が上るのを感じる。
怒りのあまり手に力が入った。
ガディは腹いせにヨークに怒鳴る。
「何で生かした!」
「嬢ちゃんが生かせって言ったんだよ」
「ーーっ!」
行き場のない感情が、ガディの中でのたうちまわる。
ようやくエルルに向けた治癒魔法が終わり、エルルの呼吸が安定した。
ガディは目線を転がっている町民へ移す。
「ヨーク。こいつ殺していいと思う」
「奇遇だな。俺もだ」
「「………」」
ガディが町民に手を伸ばす。
ヨークはそれを黙認していた。
しかし。
「ダメに決まってるでしょ」
「エルル……起きたのか」
「お陰様で」
エルルがガディを止めた。
ガディが振り返ると、エルルは「なんて顔してるの」と笑う。
「ガディ。そいつは凶悪犯罪者でも何でもないのよ。殺せばガディが罪に問われる」
「でも、エルルを刺した。動機は十分だろ」
「証拠がないのよ。そいつが持ってたナイフは置いてきちゃったし。殺せば後々面倒よ」
「騒動に巻き込まれて死んだってことにしよう。簡単だ。そもそも警察だってそんなに気にしなーー」
「ガディ」
嗜めるように、エルルがガディの名前を呼ぶ。
「あの子に誇れる私達でいましょう」
「……」
「あの子に今の顔、見せるつもり? 酷いわよ。やめときましょう」
「……はぁ」
ため息をつくと、ガディの殺気が霧散する。
それにエルルは安堵を覚えた。
気を抜いたからか、血が足りない故の眩暈が襲ってよろける。
「うっ」
「嬢ちゃん、大丈夫か」
「無理するな」
ヨークに受け止められ、エルルは首を横に振った。
「大丈夫。何も問題ないわ」
「そうか?」
「ない」
言い切ったエルルが、そのまま力強く地面を踏み締める。
「行きましょう。大悪魔はまだいるでしょう」
「そうだな……」
そこでガディは、アレクと離れたことを思い出す。
「二人共、アレクを見てないか」
「? アレクの坊は見てないぞ」
「何かあったの」
「いや……二手に別れただけだ。入れ違ったか?」
ガディの胸の奥で、ざわざわと違和感が発生する。
「無事でいてくれよ、アレク……」
◆ ◆ ◆
マルがこちらに飛びかかってくるのを、アレクは木の魔法で彼女を捕まえることで防いだ。
「行くよ、アリス!」
「うんっ……」
「逃がさないよーっ!」
アリスの手を掴んで逃げ出したアレクに、マルが大剣を振るって迫る。
「ウィンドカッター!」
アレクの手の内から、風の刃が発生してマルに向かった。
「うぉうっ」
わざとらしく驚いたマルであったが、大剣を一振りして風の刃を散らす。
そこでアリスがアレクに叫んだ。
「お兄さん! ツノ、頂戴!」
「え」
「早く!」
「う、うん」
催促されるがままに、皮袋にあったツノをアリスに渡す。
するとツノがアリスの手の中で光り輝いた。
「みんな、お願い!」
アリスの声に従い、魔物が出てきてマルに襲い掛かる。
その光景を見て、マルの言っていることは本当であることをアレクは痛感した。
「どけどけー! マルちゃんの邪魔するな!」
マルが大剣を振るい、いとも簡単に魔物達を細切れにする。
しかしマルが一時的に足止めされたので、そこで余裕が生まれた。
「アリス、しっかり掴まって」
「わっ」
アレクはアリスを抱き上げると、自身の足に向かって身体強化のスキルを最大限発揮した。
蹴り出した地面が抉れるほどの爆速で走り出したアレクが、ぐんとマルとの距離を離す。
(どこかに逃げられる場所っ……いや、反撃するしかない! 逃げ場がないし、いつまでも追われ続ける!)
「考えごと?」
横から声がして、アレクの思考が一瞬止まる。
これだけの速さで走っているというのに、もう追いついたかというのか。
アレクは一旦スキルを切ると、声のするほうへ身を捻った。
「フレイムタワー!」
炎の柱が発生し、マルを業火で呑み込んだ。
ブーストをかけた結果による足の痛みが激しい。
足に治癒魔法をかけようとしたのも束の間、水の塊がアリスの頭部を覆った。
「!」
『ごめんね、本当に』
水からマルの謝罪が聞こえる。
まさかこれはマル本体なのか。
苦しげにアリスが水を取り外そうともがき始める。
「マジックキャンセル!」
アレクが魔法解除の呪文を唱えるも、水は霧散しないどころか更に勢いを増してアリスの体を包んだ。
「な、何で……!」
『無駄だよ。諦めな』
マルのやけに落ち着いた声音がアレクを揺さぶる。
どうにかせねば、本当にアリスが死んでしまう。
「アリスごめんっ……ちょっと我慢して!」
アレクが水に向かって、とある魔法を発動した。
パァン! と水が破裂音と共に散る。
しゅるしゅると水が集まり、マルの形を模った。
「嘘。何したの?」
「空気振動の魔法ですよ。光魔法の応用みたいなものです。ただ……アリスにも脳震盪の被害が行っちゃうので、あんまり使いたくなかったんですけど」
アレクは構えると、再びマルに向かって攻撃魔法を唱えようとした。
「やめなさい」
そっと後ろから誰かの手が添えられる。
驚いて振り返ると、アレクの息が止まった。
「え……………」
そこにはエルミアが立っていた。
強敵であった。殴られた箇所が熱を持って痛み出す。
「……神よ。迷い子の傷を癒したまえ。エクスヒール」
普段は唱えない、本当に正式な形での完全詠唱。
省略系でしか使ってこなかった魔法をキチンと唱えたのは随分と久しぶりだ。
魔法は呪文を唱えている間は身動きできなくなる欠点があるため、ガディは無詠唱、もしくは省略呪文しか普段は使わない。
しかしその分威力は落ち、手数でカバーしているのが現状である。
敵がいなくなった今、全力で集中して傷を癒やしにかかった。
「……よし」
五分ほどの時間を要し、傷があらかた塞がれる。
そこで遠くからこちらに向かってくる足音がした。
新手か、と思い警戒するも、顔を出したのはヨークであった。
「ヨーク」
「坊主! エルルの嬢ちゃん頼む!」
「エルルを?」
肩に背負われたエルルを、やけに丁寧にヨークが降ろす。
「!」
エルルの腹部にかなりの出血が見られた。
ガディは慌てて患部に治癒魔法を発動する。
「神よ、迷い子の傷を癒やしたまえ! エクスヒール!」
薄い緑色の光がエルルの腹部に灯る。
じわじわと遅いスピードで治っていく傷口に、ガディは苛立ちを覚えた。
ガディは本当に治癒魔法が向いていない。
元々攻撃魔法使いであったエルルには多少の適性を示したものの、ガディには小さな傷しかすぐに癒せない。
現にこうしてエルルの苦しみを長引かせている。
ガディの心情を表すように、額から汗が垂れて落ちた。
「……坊主、成長したな」
「なに、が」
「治癒魔法。少しは上達したんじゃないか」
「……これでか」
「ああ。大分マシだ。ミーシャには遠く及ばないがな」
「当たり前のこと、言うな。それに、ちっとも、上手くなんてない」
集中のあまり途切れ途切れになる言葉で、ガディが反論する。
「アレクがどれだけ凄いか、身に染みてわかる」
「……お前さん、本当に弟好きだな」
「ああ」
率直に頷いたガディになぜか機嫌をよくしたヨークは、もう一方の手で抱えていた町民を適当に床に転がす。
ヨークの行動のあまりの雑さに、ガディは眉を顰めた。
「そいつ、そんな適当に扱っていいのか。怪我人だぞ」
「嬢ちゃんの腹刺した奴だ」
一瞬、治癒魔法をやめてしまうところだった。
自身の頭に血が上るのを感じる。
怒りのあまり手に力が入った。
ガディは腹いせにヨークに怒鳴る。
「何で生かした!」
「嬢ちゃんが生かせって言ったんだよ」
「ーーっ!」
行き場のない感情が、ガディの中でのたうちまわる。
ようやくエルルに向けた治癒魔法が終わり、エルルの呼吸が安定した。
ガディは目線を転がっている町民へ移す。
「ヨーク。こいつ殺していいと思う」
「奇遇だな。俺もだ」
「「………」」
ガディが町民に手を伸ばす。
ヨークはそれを黙認していた。
しかし。
「ダメに決まってるでしょ」
「エルル……起きたのか」
「お陰様で」
エルルがガディを止めた。
ガディが振り返ると、エルルは「なんて顔してるの」と笑う。
「ガディ。そいつは凶悪犯罪者でも何でもないのよ。殺せばガディが罪に問われる」
「でも、エルルを刺した。動機は十分だろ」
「証拠がないのよ。そいつが持ってたナイフは置いてきちゃったし。殺せば後々面倒よ」
「騒動に巻き込まれて死んだってことにしよう。簡単だ。そもそも警察だってそんなに気にしなーー」
「ガディ」
嗜めるように、エルルがガディの名前を呼ぶ。
「あの子に誇れる私達でいましょう」
「……」
「あの子に今の顔、見せるつもり? 酷いわよ。やめときましょう」
「……はぁ」
ため息をつくと、ガディの殺気が霧散する。
それにエルルは安堵を覚えた。
気を抜いたからか、血が足りない故の眩暈が襲ってよろける。
「うっ」
「嬢ちゃん、大丈夫か」
「無理するな」
ヨークに受け止められ、エルルは首を横に振った。
「大丈夫。何も問題ないわ」
「そうか?」
「ない」
言い切ったエルルが、そのまま力強く地面を踏み締める。
「行きましょう。大悪魔はまだいるでしょう」
「そうだな……」
そこでガディは、アレクと離れたことを思い出す。
「二人共、アレクを見てないか」
「? アレクの坊は見てないぞ」
「何かあったの」
「いや……二手に別れただけだ。入れ違ったか?」
ガディの胸の奥で、ざわざわと違和感が発生する。
「無事でいてくれよ、アレク……」
◆ ◆ ◆
マルがこちらに飛びかかってくるのを、アレクは木の魔法で彼女を捕まえることで防いだ。
「行くよ、アリス!」
「うんっ……」
「逃がさないよーっ!」
アリスの手を掴んで逃げ出したアレクに、マルが大剣を振るって迫る。
「ウィンドカッター!」
アレクの手の内から、風の刃が発生してマルに向かった。
「うぉうっ」
わざとらしく驚いたマルであったが、大剣を一振りして風の刃を散らす。
そこでアリスがアレクに叫んだ。
「お兄さん! ツノ、頂戴!」
「え」
「早く!」
「う、うん」
催促されるがままに、皮袋にあったツノをアリスに渡す。
するとツノがアリスの手の中で光り輝いた。
「みんな、お願い!」
アリスの声に従い、魔物が出てきてマルに襲い掛かる。
その光景を見て、マルの言っていることは本当であることをアレクは痛感した。
「どけどけー! マルちゃんの邪魔するな!」
マルが大剣を振るい、いとも簡単に魔物達を細切れにする。
しかしマルが一時的に足止めされたので、そこで余裕が生まれた。
「アリス、しっかり掴まって」
「わっ」
アレクはアリスを抱き上げると、自身の足に向かって身体強化のスキルを最大限発揮した。
蹴り出した地面が抉れるほどの爆速で走り出したアレクが、ぐんとマルとの距離を離す。
(どこかに逃げられる場所っ……いや、反撃するしかない! 逃げ場がないし、いつまでも追われ続ける!)
「考えごと?」
横から声がして、アレクの思考が一瞬止まる。
これだけの速さで走っているというのに、もう追いついたかというのか。
アレクは一旦スキルを切ると、声のするほうへ身を捻った。
「フレイムタワー!」
炎の柱が発生し、マルを業火で呑み込んだ。
ブーストをかけた結果による足の痛みが激しい。
足に治癒魔法をかけようとしたのも束の間、水の塊がアリスの頭部を覆った。
「!」
『ごめんね、本当に』
水からマルの謝罪が聞こえる。
まさかこれはマル本体なのか。
苦しげにアリスが水を取り外そうともがき始める。
「マジックキャンセル!」
アレクが魔法解除の呪文を唱えるも、水は霧散しないどころか更に勢いを増してアリスの体を包んだ。
「な、何で……!」
『無駄だよ。諦めな』
マルのやけに落ち着いた声音がアレクを揺さぶる。
どうにかせねば、本当にアリスが死んでしまう。
「アリスごめんっ……ちょっと我慢して!」
アレクが水に向かって、とある魔法を発動した。
パァン! と水が破裂音と共に散る。
しゅるしゅると水が集まり、マルの形を模った。
「嘘。何したの?」
「空気振動の魔法ですよ。光魔法の応用みたいなものです。ただ……アリスにも脳震盪の被害が行っちゃうので、あんまり使いたくなかったんですけど」
アレクは構えると、再びマルに向かって攻撃魔法を唱えようとした。
「やめなさい」
そっと後ろから誰かの手が添えられる。
驚いて振り返ると、アレクの息が止まった。
「え……………」
そこにはエルミアが立っていた。
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