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モブにも驚くべき背景があるんですのよ6
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まるでアリスの薔薇の飾りはトゥーマッチだと言いたげな顔だった。
ちょっとー! それは私も少し思ったけど、そんな露骨な言い方したらフィオナが悪者になるじゃないのよ。あ、悪者なのか。悪役令嬢だもんね。
アリスは、はっとなにかを察したように自分の髪飾りに触れた。
「あ……恥ずかしい。私ってば田舎育ちだから……フィオナみたいに洗練されたセンスがなくて……」
頬を赤らめ、潤んだ瞳でラフェルを見上げた。
可愛い。たしかに可愛い。女の私でも認めざるをえない可愛さよ。けど、ちょっと……あざとくないかぁ?
ここで田舎育ちアピールする必要ある?
もちろんラフェルは彼女をかばうのだ。ヒロイン補正ってやつよ。自分がヒロインでプレイしている時は気にならないけど、第三者の立場になるとちょっと腹立たしい。
彼はおもむろに手を伸ばすと、咲き誇る白薔薇を一輪手折った。
「では、こうしよう。これなら主役を邪魔しない」
甘い笑みを浮かべて、彼はアリスの髪に白薔薇を飾った。
頭皮に棘がささるじゃん! というつっこみは置いとくにしても……やっぱりここは乙女ゲームの世界なのだ。どうしたって、主役はヒロインのアリスになってしまう。フィオナはいじめっこ役から抜け出せない。
むぅ……ヒロインパワーの前では、詐欺メイクも無力だわ。
「そういえば、ルークの感想をまだ聞いてなかったな」
「えぇ。ルーク、美しいお嬢様方に賛辞を送らないのは失礼にあたりますよ」
ラフェルとキースがルークをはやしたてる。ルーク・オウェンは黒髪に青い瞳の美しい騎士だ。武骨なクールキャラで、認めるのは心底悔しいけれど……男キャラ三人のなかでおそらく一番人気だ。ま、まぁね、少女漫画とかによくいがちなキャラで、浅いファンが多いんだと思うわ。ファンの熱量なら、絶対にキース様! それは間違いないはずよ。
彼は仏頂面のまま、ぽつりとこぼした。
「……どれも同じに見える」
「そんなはずないでしょう。もっとよく見てみなさい」
ルークはじっと目を細めて女性陣を眺めたが、そのうち諦めたように視線を斜め上へとそらした。
「俺は女の服のことなどわからん」
キースは呆れたが、ラフェルは愉快そうに笑った。
「ルークらしいな。でもそんなに難しく考えるようなことじゃないぞ。お前が好ましいと感じるのは、どのご令嬢かと聞いただけだ」
ルークは「あぁ。それなら……」と女性陣に目を向ける。
「そこの娘くらいが丁度いい」
彼の視線の先にいるのは……フィオナ? じゃなくて、まさかの私!?
「丈が短くて馬に乗りやすそうだし、焦茶色は風景と同化して悪目立ちしないのも好ましい。髪が短いのもいいな」
ルークはそう言うと、満足気に大きくうなずいて見せる。
ぽかんと口を開けた状態で、私はまじまじと彼の顔を見た。あんまり興味なくて認識してなかったけど、ルークってこんなおもしろ天然キャラだったの!? 天真爛漫・天然・無邪気はラフェルの担当だと思ってたんだけど……私もまだまだクイルレ愛が足りてなかったわ、反省。
ちょっとー! それは私も少し思ったけど、そんな露骨な言い方したらフィオナが悪者になるじゃないのよ。あ、悪者なのか。悪役令嬢だもんね。
アリスは、はっとなにかを察したように自分の髪飾りに触れた。
「あ……恥ずかしい。私ってば田舎育ちだから……フィオナみたいに洗練されたセンスがなくて……」
頬を赤らめ、潤んだ瞳でラフェルを見上げた。
可愛い。たしかに可愛い。女の私でも認めざるをえない可愛さよ。けど、ちょっと……あざとくないかぁ?
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もちろんラフェルは彼女をかばうのだ。ヒロイン補正ってやつよ。自分がヒロインでプレイしている時は気にならないけど、第三者の立場になるとちょっと腹立たしい。
彼はおもむろに手を伸ばすと、咲き誇る白薔薇を一輪手折った。
「では、こうしよう。これなら主役を邪魔しない」
甘い笑みを浮かべて、彼はアリスの髪に白薔薇を飾った。
頭皮に棘がささるじゃん! というつっこみは置いとくにしても……やっぱりここは乙女ゲームの世界なのだ。どうしたって、主役はヒロインのアリスになってしまう。フィオナはいじめっこ役から抜け出せない。
むぅ……ヒロインパワーの前では、詐欺メイクも無力だわ。
「そういえば、ルークの感想をまだ聞いてなかったな」
「えぇ。ルーク、美しいお嬢様方に賛辞を送らないのは失礼にあたりますよ」
ラフェルとキースがルークをはやしたてる。ルーク・オウェンは黒髪に青い瞳の美しい騎士だ。武骨なクールキャラで、認めるのは心底悔しいけれど……男キャラ三人のなかでおそらく一番人気だ。ま、まぁね、少女漫画とかによくいがちなキャラで、浅いファンが多いんだと思うわ。ファンの熱量なら、絶対にキース様! それは間違いないはずよ。
彼は仏頂面のまま、ぽつりとこぼした。
「……どれも同じに見える」
「そんなはずないでしょう。もっとよく見てみなさい」
ルークはじっと目を細めて女性陣を眺めたが、そのうち諦めたように視線を斜め上へとそらした。
「俺は女の服のことなどわからん」
キースは呆れたが、ラフェルは愉快そうに笑った。
「ルークらしいな。でもそんなに難しく考えるようなことじゃないぞ。お前が好ましいと感じるのは、どのご令嬢かと聞いただけだ」
ルークは「あぁ。それなら……」と女性陣に目を向ける。
「そこの娘くらいが丁度いい」
彼の視線の先にいるのは……フィオナ? じゃなくて、まさかの私!?
「丈が短くて馬に乗りやすそうだし、焦茶色は風景と同化して悪目立ちしないのも好ましい。髪が短いのもいいな」
ルークはそう言うと、満足気に大きくうなずいて見せる。
ぽかんと口を開けた状態で、私はまじまじと彼の顔を見た。あんまり興味なくて認識してなかったけど、ルークってこんなおもしろ天然キャラだったの!? 天真爛漫・天然・無邪気はラフェルの担当だと思ってたんだけど……私もまだまだクイルレ愛が足りてなかったわ、反省。
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