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第十四章 三叉路
10話
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私は続けてメール作成画面を起動させる。
鎌田くんのアドレスを呼び出したそのとき、目には見えないものがよぎった。
通り過ぎたものは香り……。
顔を上げた次の瞬間、ふぁさっと肩に何かがかかる。
な、に……?
振り向いたそこには秋斗さんが立っていた。
肩にかけられたのはジャケット。
「電話なんて珍しいね? でも、今日は昨日より十度も低い。その格好じゃ風邪ぶり返しちゃうよ?」
秋斗さんはにこりと笑って白衣のポケットからハンカチを取り出した。
「ハンカチは確かに受け取りました。……でも、これはまた貸しね?」
完全に秋斗さんに向き直っていた私は、しっかりとジャケットの前を合わされてしまう。
「身体、冷やさないように」
そう言うと、秋斗さんは図書棟に向かって歩き出した。
秋斗さんの格好はいつもと変わらない。
白衣の中に着ていたのはVネックの黒いカーディガン、白地に薄いブルーのストライプシャツ。ボトムスはベージュのチノパンだった。
きっと、あの格好は秋斗さんの仕事着みたいなものなのだろう。
秋斗さんの姿はどんどん小さくなっていくのに、私を包む香りの存在感はしだいに増す。
「……これ、どうしよ」
「何か問題があるなら俺から返すけど?」
その声に心臓が止まりそうになる。
持っていた携帯を落とすくらいにはびっくりした。
「そんなに驚いてもらえるとは光栄だな」
振り返るとツカサが立っていた。完璧なまでに爽やかな笑みを貼り付けて。
ツカサは私の足元に落ちた携帯を拾い上げると、
「とりあえず、壊れてはいないようだけど……。悪いな、ディスプレイが見えた。今、鎌田にメール?」
「……うん」
「昨日連絡するって言ってなかったか?」
私はその問いに返せる答えを持っていない。
気まずい空気が流れると、タイミングよく携帯が震え始めた。
着信は唯兄からの電話。
「ごめん、電話……」
断わりにしてはあまりにも中途半端な一言を残して通話ボタンを押す。
『リィ? ご飯食べられた?』
唯兄の声が思いのほか大きく聞こえて少し困る。
これではツカサに聞こえてしまってもおかしくない。
「唯兄……そんな大きな声で話さなくても聞こえるよ」
応答する自分の声が小さくなってしまう始末だ。
『え? なーにーーー!? そこ、外? リィの声より風の音がすごいんだけど?』
唯兄の声はボリュームを下げるどころか大きくなって返ってくる。
どうやら、相手の声が聞こえないとより大きな声で話しかけるというのは本当らしい。
何もこんなときにわからなくてもよかったのに……。
『胃の調子は? お弁当食べられた?』
相変わらず声のボリュームが変わる気配はない。
家を出るとき、確認の電話をするとは言われていたけれど、まさか本当にかかってくるとは思っていなかった。
そして、この質問に今答えなくてはいけないかと思うと、胃のあたりがキリキリと痛む。
「ごめん。午後の授業始まるから教室に戻らなくちゃ」
私はそう言って一方的に通話を切った。
通話が終わったところで問題がなくなったわけではない。
まだ、ツカサがこの場にいるのだから。
「……胃の調子、悪いの?」
当然すぎる質問だった。
「あ……夕飯っ、昨日の夜、夕飯食べすぎて胃もたれしてるだけ」
「……ふーん。らしくないことしてるからじゃないの?」
ツカサの言葉は心臓に悪い。
「らしくないこと」が何を指すのかを考えるだけで胃が痛くなる。
「うちのクラス、五限移動教室だから……」
「……だから? ソレ、そのまま持っていくと自分で返しに行くことになるけど?」
「ソレ」とはジャケットのこと。でも、これをツカサにお願いすることはいったい何を意味するだろう。
ツカサだけではなく、秋斗さんをも避けてることを気づかれてしまわないだろうか。
それとも――さっきの一言を聞かれた時点でアウトだろうか。
私は無意識のうちに両腕で自身の身体を抱きしめていた。
長いこと風に身体をさらしていたからか、体温が大分奪われたようだ。
沈黙の場に、飛鳥ちゃんの元気な声が響く。
「翠葉ー! もうすぐ予鈴鳴るよっ! 何、この風っ。さっむ」
クラスメイトが集団でやってきて、ツカサもろともその場を呑み込む。そして、後押しするように予鈴が鳴った。
「俺は別にどっちでもいいけど?」
ツカサは周りに左右されることなくジャケットの話を続けた。
「大丈夫。自分で返しに行くから」
「……翠」
名前を呼ばれたけれど、話の続きが聞こえてこない。ただ、刺さるほどの視線を感じていた。
顔を上げると、厳しい目をしたツカサが話の続きを口にする。
「翠は今、自分がどれくらい俺に信用されてると思ってる?」
「……え?」
「上限は一〇〇だと言った。それから、ひとつの嘘で信用数値は五十ずつ減るとも――つまり……」
「話の途中悪いけど、タイムリミットよ」
桃華さんが間に入り、「はい、翠葉の」と授業に必要なもの一式を渡される。
「このあと、うちのクラス化学室なの。翠葉を走らせたくないならあとにしてくれない?」
「……構わない」
ツカサは私たちとは反対の一、二年棟に向かって歩き出した。
「翠葉、行くわよ」
私は桃華さんに促されて歩き出す。
「これ、もしかして秋兄の?」
特教棟の廊下を歩いていると、海斗くんにツンツンとジャケットを引張られた。
「あ……そう、なの」
「そっか。司の不機嫌はこれのせい?」
「……たぶん、違う」
ツカサが不機嫌なのは私が嘘をついたからだ……。
ツカサの中で今の私は信用には足りない人間――
これ以上嘘をつきたくない。でも、嘘をつかない自信もない。
もう、どうしたらいいのかわからない――
「翠葉っ!?」
突然座り込んだ私にすぐ声をかけてくれたのは桃華さん。
「ごめん、大丈夫……少し、胃が痛いだけ」
「少しって……手まで血の気引いてるわよ?」
「桃華、俺、保健室連れていくわ。飛鳥、教科書とかよろしく」
「うん、わかった。翠葉、大丈夫?」
頭の上でやり取りされる会話についていかれない。でも、流されたくない。
「海斗くん、大丈夫……。ひとりで行けるから」
「冷や汗かいてる人の言葉に信憑性はないかなー? ってことで、レイディ失礼!」
言い終わる前に私は横抱きに抱え上げられた。
「翠葉、ここに座り込んでるほうがみんな心配する」
耳元で海斗くんにそう言われ、私は小さく頷いた。
海斗くんの言うとおりだ。
早くみんなが安心する場所に身を移すほうがいい。
それに今は、何を訊かれることもないだろう。
そう思って、海斗くんの好意に甘えることにした。
「翠葉、黙って聞いて?」
海斗くんはズンズンと歩きながら話しだす。
「司と秋兄のことで何かあったろ?」
「っ……!?」
「何も言わなくていいから聞いてて。……その件に関して、俺らからは何も訊かないから安心していいよ。ただ、翠葉が話してくれるなら聞く。だから、つらくなってどうしようもないときには声かけて? 俺らはさ、司でも秋兄でもなく、翠葉の味方。そこだけわかっといてよ」
「ごめん……」
私にはそれしか言えなかった。
「湊ちゃーんっっっ、ドア開けてーーーっ」
海斗くんの大きな声が廊下に響き、ドアがすっ、と開いてしかめっ面した湊先生に迎えられる。
「私の前では六十デシベル以下で話せ」
「いや、もし湊ちゃんが中でうたた寝してても起きるように言わなくちゃいけないかと思って、目覚まし時計レベルで声かけてみた」
湊先生はにこにこと笑う海斗くんの頭を造作なくはたく。
「阿呆。職場で寝るかっ」
言ったあと、私に視線を移すと無言で室内に入るように促した。
私を一番奥のベッドに下ろすと海斗くんは「ゆっくり休んで」と手を上げて保健室を出ていった。
「ほら、それよこしなさい。これ、秋斗のジャケットでしょ?」
「はい……」
「何? 今日みたいな寒い日に外にでもいたんじゃないでしょうね?」
「テラスに……」
「……冷えて胃にきたんじゃないの?」
「そうかもしれません……」
「まずは診察。お湯で手あたためてくるから横になってなさい」
「はい」
カーテンの向こうで流れる水音を聞きながら、私はボレロを脱いで横になった。
「押していくから、痛いところあったら言うように」
「はい」
診察の結果、先生は私の投薬リストを見て一言。
「あの薬は夜寝る前のみか……。今、夜に飲ませてる薬出すから、それ飲んで少し休みなさい」
「ありがとうございます」
鎌田くんのアドレスを呼び出したそのとき、目には見えないものがよぎった。
通り過ぎたものは香り……。
顔を上げた次の瞬間、ふぁさっと肩に何かがかかる。
な、に……?
振り向いたそこには秋斗さんが立っていた。
肩にかけられたのはジャケット。
「電話なんて珍しいね? でも、今日は昨日より十度も低い。その格好じゃ風邪ぶり返しちゃうよ?」
秋斗さんはにこりと笑って白衣のポケットからハンカチを取り出した。
「ハンカチは確かに受け取りました。……でも、これはまた貸しね?」
完全に秋斗さんに向き直っていた私は、しっかりとジャケットの前を合わされてしまう。
「身体、冷やさないように」
そう言うと、秋斗さんは図書棟に向かって歩き出した。
秋斗さんの格好はいつもと変わらない。
白衣の中に着ていたのはVネックの黒いカーディガン、白地に薄いブルーのストライプシャツ。ボトムスはベージュのチノパンだった。
きっと、あの格好は秋斗さんの仕事着みたいなものなのだろう。
秋斗さんの姿はどんどん小さくなっていくのに、私を包む香りの存在感はしだいに増す。
「……これ、どうしよ」
「何か問題があるなら俺から返すけど?」
その声に心臓が止まりそうになる。
持っていた携帯を落とすくらいにはびっくりした。
「そんなに驚いてもらえるとは光栄だな」
振り返るとツカサが立っていた。完璧なまでに爽やかな笑みを貼り付けて。
ツカサは私の足元に落ちた携帯を拾い上げると、
「とりあえず、壊れてはいないようだけど……。悪いな、ディスプレイが見えた。今、鎌田にメール?」
「……うん」
「昨日連絡するって言ってなかったか?」
私はその問いに返せる答えを持っていない。
気まずい空気が流れると、タイミングよく携帯が震え始めた。
着信は唯兄からの電話。
「ごめん、電話……」
断わりにしてはあまりにも中途半端な一言を残して通話ボタンを押す。
『リィ? ご飯食べられた?』
唯兄の声が思いのほか大きく聞こえて少し困る。
これではツカサに聞こえてしまってもおかしくない。
「唯兄……そんな大きな声で話さなくても聞こえるよ」
応答する自分の声が小さくなってしまう始末だ。
『え? なーにーーー!? そこ、外? リィの声より風の音がすごいんだけど?』
唯兄の声はボリュームを下げるどころか大きくなって返ってくる。
どうやら、相手の声が聞こえないとより大きな声で話しかけるというのは本当らしい。
何もこんなときにわからなくてもよかったのに……。
『胃の調子は? お弁当食べられた?』
相変わらず声のボリュームが変わる気配はない。
家を出るとき、確認の電話をするとは言われていたけれど、まさか本当にかかってくるとは思っていなかった。
そして、この質問に今答えなくてはいけないかと思うと、胃のあたりがキリキリと痛む。
「ごめん。午後の授業始まるから教室に戻らなくちゃ」
私はそう言って一方的に通話を切った。
通話が終わったところで問題がなくなったわけではない。
まだ、ツカサがこの場にいるのだから。
「……胃の調子、悪いの?」
当然すぎる質問だった。
「あ……夕飯っ、昨日の夜、夕飯食べすぎて胃もたれしてるだけ」
「……ふーん。らしくないことしてるからじゃないの?」
ツカサの言葉は心臓に悪い。
「らしくないこと」が何を指すのかを考えるだけで胃が痛くなる。
「うちのクラス、五限移動教室だから……」
「……だから? ソレ、そのまま持っていくと自分で返しに行くことになるけど?」
「ソレ」とはジャケットのこと。でも、これをツカサにお願いすることはいったい何を意味するだろう。
ツカサだけではなく、秋斗さんをも避けてることを気づかれてしまわないだろうか。
それとも――さっきの一言を聞かれた時点でアウトだろうか。
私は無意識のうちに両腕で自身の身体を抱きしめていた。
長いこと風に身体をさらしていたからか、体温が大分奪われたようだ。
沈黙の場に、飛鳥ちゃんの元気な声が響く。
「翠葉ー! もうすぐ予鈴鳴るよっ! 何、この風っ。さっむ」
クラスメイトが集団でやってきて、ツカサもろともその場を呑み込む。そして、後押しするように予鈴が鳴った。
「俺は別にどっちでもいいけど?」
ツカサは周りに左右されることなくジャケットの話を続けた。
「大丈夫。自分で返しに行くから」
「……翠」
名前を呼ばれたけれど、話の続きが聞こえてこない。ただ、刺さるほどの視線を感じていた。
顔を上げると、厳しい目をしたツカサが話の続きを口にする。
「翠は今、自分がどれくらい俺に信用されてると思ってる?」
「……え?」
「上限は一〇〇だと言った。それから、ひとつの嘘で信用数値は五十ずつ減るとも――つまり……」
「話の途中悪いけど、タイムリミットよ」
桃華さんが間に入り、「はい、翠葉の」と授業に必要なもの一式を渡される。
「このあと、うちのクラス化学室なの。翠葉を走らせたくないならあとにしてくれない?」
「……構わない」
ツカサは私たちとは反対の一、二年棟に向かって歩き出した。
「翠葉、行くわよ」
私は桃華さんに促されて歩き出す。
「これ、もしかして秋兄の?」
特教棟の廊下を歩いていると、海斗くんにツンツンとジャケットを引張られた。
「あ……そう、なの」
「そっか。司の不機嫌はこれのせい?」
「……たぶん、違う」
ツカサが不機嫌なのは私が嘘をついたからだ……。
ツカサの中で今の私は信用には足りない人間――
これ以上嘘をつきたくない。でも、嘘をつかない自信もない。
もう、どうしたらいいのかわからない――
「翠葉っ!?」
突然座り込んだ私にすぐ声をかけてくれたのは桃華さん。
「ごめん、大丈夫……少し、胃が痛いだけ」
「少しって……手まで血の気引いてるわよ?」
「桃華、俺、保健室連れていくわ。飛鳥、教科書とかよろしく」
「うん、わかった。翠葉、大丈夫?」
頭の上でやり取りされる会話についていかれない。でも、流されたくない。
「海斗くん、大丈夫……。ひとりで行けるから」
「冷や汗かいてる人の言葉に信憑性はないかなー? ってことで、レイディ失礼!」
言い終わる前に私は横抱きに抱え上げられた。
「翠葉、ここに座り込んでるほうがみんな心配する」
耳元で海斗くんにそう言われ、私は小さく頷いた。
海斗くんの言うとおりだ。
早くみんなが安心する場所に身を移すほうがいい。
それに今は、何を訊かれることもないだろう。
そう思って、海斗くんの好意に甘えることにした。
「翠葉、黙って聞いて?」
海斗くんはズンズンと歩きながら話しだす。
「司と秋兄のことで何かあったろ?」
「っ……!?」
「何も言わなくていいから聞いてて。……その件に関して、俺らからは何も訊かないから安心していいよ。ただ、翠葉が話してくれるなら聞く。だから、つらくなってどうしようもないときには声かけて? 俺らはさ、司でも秋兄でもなく、翠葉の味方。そこだけわかっといてよ」
「ごめん……」
私にはそれしか言えなかった。
「湊ちゃーんっっっ、ドア開けてーーーっ」
海斗くんの大きな声が廊下に響き、ドアがすっ、と開いてしかめっ面した湊先生に迎えられる。
「私の前では六十デシベル以下で話せ」
「いや、もし湊ちゃんが中でうたた寝してても起きるように言わなくちゃいけないかと思って、目覚まし時計レベルで声かけてみた」
湊先生はにこにこと笑う海斗くんの頭を造作なくはたく。
「阿呆。職場で寝るかっ」
言ったあと、私に視線を移すと無言で室内に入るように促した。
私を一番奥のベッドに下ろすと海斗くんは「ゆっくり休んで」と手を上げて保健室を出ていった。
「ほら、それよこしなさい。これ、秋斗のジャケットでしょ?」
「はい……」
「何? 今日みたいな寒い日に外にでもいたんじゃないでしょうね?」
「テラスに……」
「……冷えて胃にきたんじゃないの?」
「そうかもしれません……」
「まずは診察。お湯で手あたためてくるから横になってなさい」
「はい」
カーテンの向こうで流れる水音を聞きながら、私はボレロを脱いで横になった。
「押していくから、痛いところあったら言うように」
「はい」
診察の結果、先生は私の投薬リストを見て一言。
「あの薬は夜寝る前のみか……。今、夜に飲ませてる薬出すから、それ飲んで少し休みなさい」
「ありがとうございます」
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