陰キャの俺に美少女が話しかけてきた件~忙しい人向けのラブコメ~

kzk_nekomimi

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三話 想い

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 (あれ、なんで俺はアニメ店『羅針盤』にいるんだろう……)

 (ああ、勢いで神崎くんを羅針盤に連れてきてしまったわ。『なんでもするから!』って言ってたし、仕方ないわよね!?)

 「あの、東雲さん?なんで羅針盤なの?」

 「え?ああ、ここはね私が放課後毎日のようにいく店なの。そう毎日のようにね!」

 (これで神崎くんに私がアニメオタクだとわかってもらえるわよね。よしこのまま神崎くんとお買い物に誘ってお話しするわよ)

 (東雲さんがアニメオタクなのはコミック少女の件で分かっていたんだけど……。こんな店に毎日通っているのかぁ)

 「神崎くんはさっき『なんでもする』って言ったわよね?」

 「え?ああ、うん。確かに言ったけど……」

 「今から私と一緒にデートしなさい!」

 「え?」

 「え?」

 (デ、デート!?学校一の美少女の東雲さんが陰キャの俺とデ、デート!?も、もしかして東雲さんって俺のことが……、いやまて。それは早とちりだ。陰キャだからって調子に乗りすぎだ)

 (デ、デート!?なに言ってるのよ私!一緒にお買い物するはずだったのにデートって言っちゃった……。神崎くん困っているようだし……。ああ、もう私なにやってんのおおおおおお!)

 「ち、違うの!デ、デートじゃなくて!その……」

 「そ、そうだよね!東雲さんが俺とデ、デートだなんてね!あははは」

 (本当はデートしたいのに……)

 (あれだな。買い物を言い間違えたんだよな)

 「あ、あれでしょ?買い物をしに来たんでしょ?」

 「そ、そう!ただの買い物よ!」

 (やっぱり。東雲さんが陰キャとデートなんかできるわけないのさ)

 (買い物でもこれってデートみたいなものよね!?だったら結果オーライじゃないかしら?フフフ……)

 「じゃぁ行きましょう。神崎くん」

 「え?ああ、うん。行こうか……」

 (フフフ♪神崎くんとデート♪)

 (あれ、なんで東雲さんうれしそうなんだ?)


 数十分後……

 (はぁ~楽しかったわ♪神崎くんとおそろいのキーホルダーも買えたし)

 (東雲さん俺と同じアニメのキーホルダー買ってたけど大丈夫かな?あれおっさん向けのアニメなんだけどなぁ)

 (あ、神崎君は私がアニオタなの知らないんだったわ。このままだと神崎くんは疑問に思ったままになってしまうわね。今は学校の友達は誰もいないし、もう正直に伝えようかしらね)

 「あの、神崎くん。あなたに言いたいことがあるの」

 「え?な、なんだい?」

 「あのね、私ね神崎くんが好きよ」

 「は?」

 「え?」

 (ええええええ?学校一の美少女の東雲さんが!あの東雲さんが俺のことをす、すすすす……!え?でもそんなはずが、そ、そうだ東雲さんはなにか言い間違えたんだろう。きっとそうに違いない)

 (私は何をしているのおおおおおおおお!『私神崎くんとおなじでアニメが好きよ』っていうつもりだったのに!は、早く言い直さないと!神崎くんが困惑しているわ!)

 「か、神崎くん!こ、これは違うの!これは言い間違いで……」

 「ゑ?ああ、そうだよね!言い間違いだよね!お、おれもそうだとおもていたんだ!あれでしょ、『アニメが好きよ』って言いたかったんでしょ!?」

 「そ、そうよ!その通りよ!」

 (あ、あぶねぇ。アドリブでしゃべったけどあってたぁ。そうだ。東雲さんが陰キャの俺を好きになるとかそういうのはないんだ。俺はこれからも影らしく生きていこう)

 (なんで神崎くん私がアニメ好きってわかっているの!?で、でもこれで誤解が解けたわけだし。で、でもこれで神崎くんには私が神崎くんに興味ないって思われたかしら……。もっと誘わないと)

 「か、神崎くん。ほ、ほかにも一緒に来てほしいところがあるんだけど……一緒に来てもらえるかしら?」
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