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卒業後
1266 星暦558年 橙の月 3日 ちょっと寄り道(5)
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「これってやっぱ海賊船だったと思うな」
食料系の物が入れてあったと思われる船倉の部屋を終え、略奪品もしくは交易品を入れていたと思われる船倉に来て、中身を見たシャルロが発言した。
「確かに。
石像とか壺とか花瓶が特産物な地域からの船を襲って、殆どの物を換金した後に残したお気に入りってやつがこれらだったんだとしたら、お堅い軍人って考えるよりは海賊だよな」
胸の大きな裸の女性の石像を見ながらシャルロの言葉に同意する。
裸婦の石像だって美術品として価値がある物もあるが……どう見ても芸術性よりも胸の大きさとか色っぽさを重視した石像に見える。
海賊の感性的に気に入ったんだろうなぁ。
軍艦だってそれこそ同盟国とかからのお土産とか本国のお偉いさんへの贈り物を受け取る可能性はあるかも知れないが、国を代表する立場の人間がこういう品のない石像をお偉いさんに送ることはないと思う。
「古ければ逸品でなくてもそれなりに歴史的価値はあるが……海賊船じゃあ保険の書類とかもないだろうし、古いという事実の証明も難しいだろうし、持って帰る価値があるかも微妙なところだな」
アレクも残念そうに溜息を吐きながら目の前の石像を見て言った。
多分かなり丁寧に梱包した上で箱に入れていたのか、箱の中に残っていた泥モドキの量が多かったのだが、これじゃあねぇ。二流どころな娼館に置いてあるような、広告も兼ねた女の裸像で、いかにも海賊が好みそうな石像だ。
ある意味、こんなのをよくぞ見つけたね?と言いたいかも。
幾つか拠点にいる女へのお土産だったのか花瓶とかもあったが、こちらは欠けているのが多かった。
「海賊船だったら、船長室かどこかに宝石とかの財宝を貯めこんでいるかも?
多分どこかの船を襲った後に帰る途中で沈没したんだろうから、それなりに収穫があったのを船長室かどこかに集めてあるんじゃない?」
シャルロが言った。
「まあ、そうだな。
どうせだったら海賊の拠点の地図とか、仲間に秘密で宝物を隠した場所の地図とかがあったら更にいいんだが。流石にそういう地図を石や金属に彫って水没しても大丈夫なようにしているとは思えないから、船にある現物しか期待できないが」
まだ遺跡を新たに見つけて発掘する場合の方が、地図とか書面とかが読める状態で残っている可能性がゼロではないのでそれなりに夢があるが、どう考えても何百年(多分)も前の沈没船じゃあなぁ。
どれほど高級な金庫でも、何十年や何百年も海底に沈んでいて防水性を確保できるものはまずないと思う。
とは言え、酒の壺や瓶が幾つか無事に残っているんだから、そういうのの中に地図を隠しておいてくれれば無事に残っている可能性もゼロではないかも?
「後で王都まで持って帰ったら、酒が入っている以外の壺や瓶も全部一度丁寧に開けてみようぜ。
何か面白い書類や地図が隠されていたら楽しそうじゃん?」
二人に提案する。
「遺跡の発掘現場で使っている状態維持の術を掛けながらだったらここで開封してもよくない?」
シャルロが指摘する。
「そうだな。
なにか地図でもあったらここら周辺だったら帰る前に寄ってもいいし」
何百年も前の地図だったら地形が既に変わってしまっている可能性も高いかもだが。
「海賊の地図がそこまでしっかりと密封された瓶や壺に入っているかは微妙なところだし、もっと興味深げな強奪した重要書類とかだったら金庫に入っていそうだから無事に残っている可能性は低そうだが……まあ、色々開けてみるのも楽しくていいか」
アレクは悲観的なことを言っていたが、最終的には頷いた。
そうなんだよなぁ。
自分の宝物の地図をどこかに埋めて保存するんだったらしっかり密封しているかもだが、奪い取った重要書類とかはそれがどれだけ脅迫の道具として金の種になりそうだとしても、金庫に入れるならまだしも壺や瓶に密封している可能性は低いだろう。
「というか、自分の宝物を隠した場所の地図って持ち歩くのかな?
それこそうっかり船が沈没して、何とか泳いで帰ったのに船とかを入手して復帰するための財宝の場所が分からなくなっちゃったら意味がなくない?」
シャルロが首を傾げながら言った。
「誰かに盗まれたら困るからとずっと身を離さずに持ち運ぶか、船と一緒に沈んだら困るからと拠点に隠すか。
微妙なところだな。
というか、宝の地図を瓶や壺に入れておくだけならまだしも、しっかり密封するとも思えない気もする」
隠し場所として塩とかが入っている瓶の底の方に忍ばせておくっていうのはあっても、それを水が入らないように密封するかはかなり怪しい。
まあ、取り敢えずしっかり残りの部屋を調べたら、密封性のありそうな容器を全部調べて行こう。
昔の塩だって出てきたら多少は歴史的価値があるっていうんで歴史学会の連中とかが買いたがるかもだし。
食料系の物が入れてあったと思われる船倉の部屋を終え、略奪品もしくは交易品を入れていたと思われる船倉に来て、中身を見たシャルロが発言した。
「確かに。
石像とか壺とか花瓶が特産物な地域からの船を襲って、殆どの物を換金した後に残したお気に入りってやつがこれらだったんだとしたら、お堅い軍人って考えるよりは海賊だよな」
胸の大きな裸の女性の石像を見ながらシャルロの言葉に同意する。
裸婦の石像だって美術品として価値がある物もあるが……どう見ても芸術性よりも胸の大きさとか色っぽさを重視した石像に見える。
海賊の感性的に気に入ったんだろうなぁ。
軍艦だってそれこそ同盟国とかからのお土産とか本国のお偉いさんへの贈り物を受け取る可能性はあるかも知れないが、国を代表する立場の人間がこういう品のない石像をお偉いさんに送ることはないと思う。
「古ければ逸品でなくてもそれなりに歴史的価値はあるが……海賊船じゃあ保険の書類とかもないだろうし、古いという事実の証明も難しいだろうし、持って帰る価値があるかも微妙なところだな」
アレクも残念そうに溜息を吐きながら目の前の石像を見て言った。
多分かなり丁寧に梱包した上で箱に入れていたのか、箱の中に残っていた泥モドキの量が多かったのだが、これじゃあねぇ。二流どころな娼館に置いてあるような、広告も兼ねた女の裸像で、いかにも海賊が好みそうな石像だ。
ある意味、こんなのをよくぞ見つけたね?と言いたいかも。
幾つか拠点にいる女へのお土産だったのか花瓶とかもあったが、こちらは欠けているのが多かった。
「海賊船だったら、船長室かどこかに宝石とかの財宝を貯めこんでいるかも?
多分どこかの船を襲った後に帰る途中で沈没したんだろうから、それなりに収穫があったのを船長室かどこかに集めてあるんじゃない?」
シャルロが言った。
「まあ、そうだな。
どうせだったら海賊の拠点の地図とか、仲間に秘密で宝物を隠した場所の地図とかがあったら更にいいんだが。流石にそういう地図を石や金属に彫って水没しても大丈夫なようにしているとは思えないから、船にある現物しか期待できないが」
まだ遺跡を新たに見つけて発掘する場合の方が、地図とか書面とかが読める状態で残っている可能性がゼロではないのでそれなりに夢があるが、どう考えても何百年(多分)も前の沈没船じゃあなぁ。
どれほど高級な金庫でも、何十年や何百年も海底に沈んでいて防水性を確保できるものはまずないと思う。
とは言え、酒の壺や瓶が幾つか無事に残っているんだから、そういうのの中に地図を隠しておいてくれれば無事に残っている可能性もゼロではないかも?
「後で王都まで持って帰ったら、酒が入っている以外の壺や瓶も全部一度丁寧に開けてみようぜ。
何か面白い書類や地図が隠されていたら楽しそうじゃん?」
二人に提案する。
「遺跡の発掘現場で使っている状態維持の術を掛けながらだったらここで開封してもよくない?」
シャルロが指摘する。
「そうだな。
なにか地図でもあったらここら周辺だったら帰る前に寄ってもいいし」
何百年も前の地図だったら地形が既に変わってしまっている可能性も高いかもだが。
「海賊の地図がそこまでしっかりと密封された瓶や壺に入っているかは微妙なところだし、もっと興味深げな強奪した重要書類とかだったら金庫に入っていそうだから無事に残っている可能性は低そうだが……まあ、色々開けてみるのも楽しくていいか」
アレクは悲観的なことを言っていたが、最終的には頷いた。
そうなんだよなぁ。
自分の宝物の地図をどこかに埋めて保存するんだったらしっかり密封しているかもだが、奪い取った重要書類とかはそれがどれだけ脅迫の道具として金の種になりそうだとしても、金庫に入れるならまだしも壺や瓶に密封している可能性は低いだろう。
「というか、自分の宝物を隠した場所の地図って持ち歩くのかな?
それこそうっかり船が沈没して、何とか泳いで帰ったのに船とかを入手して復帰するための財宝の場所が分からなくなっちゃったら意味がなくない?」
シャルロが首を傾げながら言った。
「誰かに盗まれたら困るからとずっと身を離さずに持ち運ぶか、船と一緒に沈んだら困るからと拠点に隠すか。
微妙なところだな。
というか、宝の地図を瓶や壺に入れておくだけならまだしも、しっかり密封するとも思えない気もする」
隠し場所として塩とかが入っている瓶の底の方に忍ばせておくっていうのはあっても、それを水が入らないように密封するかはかなり怪しい。
まあ、取り敢えずしっかり残りの部屋を調べたら、密封性のありそうな容器を全部調べて行こう。
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