28 / 1,309
魔術学院1年目
027 星暦549年 黄の月 18日 話し合い
しおりを挟む
色んな誤解を解消するためにも、話し合いは大切だ。
ただ、同じ言語を話していても必ずしも意思が通じ合うとは限らないのが問題だが。
「今まで他の人間とも話したりしてきたのか?」
清早に尋ねる。
「メルシャナとか言う森の方のお気に入りとは時々話したけど、他のは俺らのこと見えていないのが殆どだったから」
「具現化したら人間にも見えるんじゃないのか?」
精霊の存在と言うものは大抵の人間には見えない。
加護の石を貰うと石をくれた相手は見えるようになるらしいが。
シャルロいわく、精霊が庇護者を見つけやすくなるように波長を合わせる効果があるらしい。
「別にそこまでエネルギーを使うほど話したい相手なんていなかったし。
それよりは見えないまま、悪戯をした方が楽しいぞ」
ガキらしい返事だ。まあ、話して楽しい人間なんてそう沢山いるもんじゃあないけど。
「・・・お前って生まれてどのくらいたつの?人間の年月で」
翠の髪を揺らしながら清早が首をかしげた。
「どーだろ?百年ぐらい?」
そっか。
精霊って100年で子供なんだ。
・・・つうか、こいつって精霊の基準で見たら、子供なんだよな?!
「100歳って・・・精霊としては子供の部類?シャルロのなんて何歳ぐらいなのかな?」
清早が偉そうにそっくりかえる。
確かに加護の石を貰ってから具現化していない精霊の細部までがはっきりと見えるようになったなぁ。
以前は集中しなければ存在しか見えていなかったのに、今では何も努力しなくても詳細までが鮮明に視える。
「俺は若いけど、強いんだぞ!蒼様なんて俺のこと赤子だっていうけど、俺の力は一人前以上だ!」
「で、あの蒼いのは何歳ぐらい?」
「さあ?5千年ぐらいじゃないの?」
うう~ん・・・。単なる子供の無頓着な想像なのか、本当に5千年も前から存在する精霊なのか。
判断に苦しむ。
まあ、蒼流が何歳だろうと俺には直接関係ないけど。
気力が尽きる前にもっと俺個人にとって重要なことを確認しておくか。
「この石って加護の石って人間の間では呼ばれているんだけど、精霊にとってこれってどんな意味があるの?清早はどんなつもりで俺にこれをくれたの?」
別に、友達のシルシっていうのでもまあ、構わない。
人(というか精霊だけど、この場合)に頼って生きるつもりは無い。人間と全然考え方の違う精霊という存在と友達づきあいしていくのも楽しいだろう。
「ん~?俺も良く知らないんだよね。仲良くするシルシって聞いたけど」
・・・やっぱ、そんなもんか。
「でも、ウィルが気に入ったから、傍にいることも多いと思うし、呼べば助けてやるぞ?」
「ありがとよ。
そう言えば、今朝川辺で術を使ったら妙に普段に比べて術の効果が大きかったんだけど、何でかな?」
清早が指の先から水を噴出させて小さな虹を作って遊ぶ。
キラキラして、綺麗だった。
・・・もうすぐ2年に進級したら物に術を込める方法を学ぶようになる。
あんな風に虹を作る魔術品を作れないかな。
高く売れそうだ。
「う~ん、俺の友達のシルシを持っていたから、他の精霊たちも仲良しになりたかったんじゃない?」
「これってどこに行ってもどの精霊も仲良しになろうとしてくれるのか?
それともこの近辺だからお前のトモダチが大切にしてくれただけ?
火の精霊とかだったら俺がお前と仲良しだったらかえって敬遠したりする?」
ああ、蒼流に直接聞きたい。
シャルロを使ってあっちに問い詰めた方が、人間の視点から見た質問の真意というのが伝わりそうだ。
でもまあ、ここで分かり合う努力をしなかったら分かり合える前に俺の寿命が尽きちまうかもしれないからなぁ・・・。
「この大陸の精霊とは仲間だぞ。まだほかの大陸までは遊びに行ったことないけど。
ウィルが旅に行くなら一緒に行くのも楽しいかもね~」
何やら期待を込めて見つめられた。
おい。
他の大陸なんて、殆ど伝説の存在のなんだぞ。
そんなに気楽に遊びに行けるか。
「例えば火と水、土と風って術としての相性は悪いけど精霊も仲悪いのか?」
「別に?あんまり同じ所にいないから知り合いは少ないけど、特に仲が悪いという訳ではないぞ」
なるほど。
少なくとも清早に加護を貰ったから火の系統の術が使えなくなるとか言う訳はなさそうだ。
後でちょっと術を試してみた方がいいだろうが。
「ま、これからも末永くよろしくな。お互い、楽しくやって行こうぜ。」
「勿論だ!」
学院側はここまで話は単純ではなかった。
シャルロに加護を貰っていることに関してどんな干渉があったのか聞いたのだが、何分あれだから・・・。
干渉をされたことがないと言っていたが、ぽや~としていて気がつかなかったのか、侯爵家の三男にプレッシャーをかける度胸がある人間がいなかったのか、それとも本当に精霊の加護を利用しようとする人間がいなかったのか。
分からん。
とりあえずローラン教師には適当なことを言って誤魔化したが、当然それでは済まされず学院長の部屋に呼び出された。
「向こうで何やら不思議なことが起きたらしいな」
いつものごとくお茶を淹れながら、学院長が俺に声をかけた。
「はあ・・・」
学院長の後ろに精霊がいた。
色からして、火の精霊かな。
そっか、この人も加護持ちだった訳?
まあ特級魔術師なんだから当然と言えば当然かもしれないが。
今まで一緒にいるのを見たことなかったけど、やはりシャルロのみたいにべったりしている方が珍しいのかな?
「炎華の話では、水の幼子と仲良くなったとか?」
「やっぱ、こいつガキですか。イマイチ100歳が精霊の『若者』のレベルなのか、『子供』なのか分からなくって」
しらを切るのは諦めて、学院長から情報を得ることにした。
「精霊とは生まれた時から力が決まっているらしい。別に年を経たものが力が強い訳ではないが、若い精霊は人間に騙されたり愚かな間違いを犯して滅してしまったりすることもあるから、周りの精霊から庇護されるようだな」
「人間に騙されるって・・・。精霊って人間の本質が見えるんじゃないんですか?」
「人間はそこら辺の紙のように薄っぺらい、単純な存在ではないからな。仲間や友から見たらこの上なく高潔な男が、敵を滅する為にならどのような卑怯な真似もする場合もある。本質が見えるからこそ、盲点を突かれて騙されることもあるのだよ」
表面しか見えない人間は、嘘をつかれている可能性をある程度は常に意識している。
本質が見える精霊は却って己が騙されるという状況が想定できないのか。
幾つか読んだ本に出ていた、精霊の命を使った術や魔具というのは・・・そうやって騙された精霊が犠牲になって作り出されたものなのかな。
だからこそ蒼流に卑怯なことをしたら滅すると脅された訳か。
「川辺で術を使った時、今までに比べてずっと術の威力が上がっていました。
あれってやはり加護の石を貰ったからですかね?」
「まあ、精霊が多いところの方が術の発動が楽になり威力が上がると言うのは本当だ。それを実感させるための遠足だからな。
それとは別に、精霊の加護を貰うとほぼ全ての精霊から好意的に接されて術がやりやすくなるのも事実だ」
で?
あんたなら俺が何を聞きたいか、分かっているだろうに。
・・・素知らぬ顔をして学院長はお茶を飲んでいる。
「加護の石を貰っていると言う事実は、人から隠した方がいいですか?
国の為、魔術院の為に何かをせよと強制される状況は避けたいんですが」
学院長がクッキーを口に放り込み、お茶で喉を湿らす。
「加護と言うのは精霊の好意から与えられるものだから、却って召喚よりも影響力が大きい。加護を与えた人間に無理をさせて精霊を怒らせても本末転倒だろう?精霊の報復とは時々思いがけない形を取る時があるからな。別に加護を貰ったことを公開してもそれを悪用しようとする者は少ないだろうよ」
あっそ。
じゃあ、俺は単に清早と楽しく遊んでいればいいのね。
良かった。
ただ、同じ言語を話していても必ずしも意思が通じ合うとは限らないのが問題だが。
「今まで他の人間とも話したりしてきたのか?」
清早に尋ねる。
「メルシャナとか言う森の方のお気に入りとは時々話したけど、他のは俺らのこと見えていないのが殆どだったから」
「具現化したら人間にも見えるんじゃないのか?」
精霊の存在と言うものは大抵の人間には見えない。
加護の石を貰うと石をくれた相手は見えるようになるらしいが。
シャルロいわく、精霊が庇護者を見つけやすくなるように波長を合わせる効果があるらしい。
「別にそこまでエネルギーを使うほど話したい相手なんていなかったし。
それよりは見えないまま、悪戯をした方が楽しいぞ」
ガキらしい返事だ。まあ、話して楽しい人間なんてそう沢山いるもんじゃあないけど。
「・・・お前って生まれてどのくらいたつの?人間の年月で」
翠の髪を揺らしながら清早が首をかしげた。
「どーだろ?百年ぐらい?」
そっか。
精霊って100年で子供なんだ。
・・・つうか、こいつって精霊の基準で見たら、子供なんだよな?!
「100歳って・・・精霊としては子供の部類?シャルロのなんて何歳ぐらいなのかな?」
清早が偉そうにそっくりかえる。
確かに加護の石を貰ってから具現化していない精霊の細部までがはっきりと見えるようになったなぁ。
以前は集中しなければ存在しか見えていなかったのに、今では何も努力しなくても詳細までが鮮明に視える。
「俺は若いけど、強いんだぞ!蒼様なんて俺のこと赤子だっていうけど、俺の力は一人前以上だ!」
「で、あの蒼いのは何歳ぐらい?」
「さあ?5千年ぐらいじゃないの?」
うう~ん・・・。単なる子供の無頓着な想像なのか、本当に5千年も前から存在する精霊なのか。
判断に苦しむ。
まあ、蒼流が何歳だろうと俺には直接関係ないけど。
気力が尽きる前にもっと俺個人にとって重要なことを確認しておくか。
「この石って加護の石って人間の間では呼ばれているんだけど、精霊にとってこれってどんな意味があるの?清早はどんなつもりで俺にこれをくれたの?」
別に、友達のシルシっていうのでもまあ、構わない。
人(というか精霊だけど、この場合)に頼って生きるつもりは無い。人間と全然考え方の違う精霊という存在と友達づきあいしていくのも楽しいだろう。
「ん~?俺も良く知らないんだよね。仲良くするシルシって聞いたけど」
・・・やっぱ、そんなもんか。
「でも、ウィルが気に入ったから、傍にいることも多いと思うし、呼べば助けてやるぞ?」
「ありがとよ。
そう言えば、今朝川辺で術を使ったら妙に普段に比べて術の効果が大きかったんだけど、何でかな?」
清早が指の先から水を噴出させて小さな虹を作って遊ぶ。
キラキラして、綺麗だった。
・・・もうすぐ2年に進級したら物に術を込める方法を学ぶようになる。
あんな風に虹を作る魔術品を作れないかな。
高く売れそうだ。
「う~ん、俺の友達のシルシを持っていたから、他の精霊たちも仲良しになりたかったんじゃない?」
「これってどこに行ってもどの精霊も仲良しになろうとしてくれるのか?
それともこの近辺だからお前のトモダチが大切にしてくれただけ?
火の精霊とかだったら俺がお前と仲良しだったらかえって敬遠したりする?」
ああ、蒼流に直接聞きたい。
シャルロを使ってあっちに問い詰めた方が、人間の視点から見た質問の真意というのが伝わりそうだ。
でもまあ、ここで分かり合う努力をしなかったら分かり合える前に俺の寿命が尽きちまうかもしれないからなぁ・・・。
「この大陸の精霊とは仲間だぞ。まだほかの大陸までは遊びに行ったことないけど。
ウィルが旅に行くなら一緒に行くのも楽しいかもね~」
何やら期待を込めて見つめられた。
おい。
他の大陸なんて、殆ど伝説の存在のなんだぞ。
そんなに気楽に遊びに行けるか。
「例えば火と水、土と風って術としての相性は悪いけど精霊も仲悪いのか?」
「別に?あんまり同じ所にいないから知り合いは少ないけど、特に仲が悪いという訳ではないぞ」
なるほど。
少なくとも清早に加護を貰ったから火の系統の術が使えなくなるとか言う訳はなさそうだ。
後でちょっと術を試してみた方がいいだろうが。
「ま、これからも末永くよろしくな。お互い、楽しくやって行こうぜ。」
「勿論だ!」
学院側はここまで話は単純ではなかった。
シャルロに加護を貰っていることに関してどんな干渉があったのか聞いたのだが、何分あれだから・・・。
干渉をされたことがないと言っていたが、ぽや~としていて気がつかなかったのか、侯爵家の三男にプレッシャーをかける度胸がある人間がいなかったのか、それとも本当に精霊の加護を利用しようとする人間がいなかったのか。
分からん。
とりあえずローラン教師には適当なことを言って誤魔化したが、当然それでは済まされず学院長の部屋に呼び出された。
「向こうで何やら不思議なことが起きたらしいな」
いつものごとくお茶を淹れながら、学院長が俺に声をかけた。
「はあ・・・」
学院長の後ろに精霊がいた。
色からして、火の精霊かな。
そっか、この人も加護持ちだった訳?
まあ特級魔術師なんだから当然と言えば当然かもしれないが。
今まで一緒にいるのを見たことなかったけど、やはりシャルロのみたいにべったりしている方が珍しいのかな?
「炎華の話では、水の幼子と仲良くなったとか?」
「やっぱ、こいつガキですか。イマイチ100歳が精霊の『若者』のレベルなのか、『子供』なのか分からなくって」
しらを切るのは諦めて、学院長から情報を得ることにした。
「精霊とは生まれた時から力が決まっているらしい。別に年を経たものが力が強い訳ではないが、若い精霊は人間に騙されたり愚かな間違いを犯して滅してしまったりすることもあるから、周りの精霊から庇護されるようだな」
「人間に騙されるって・・・。精霊って人間の本質が見えるんじゃないんですか?」
「人間はそこら辺の紙のように薄っぺらい、単純な存在ではないからな。仲間や友から見たらこの上なく高潔な男が、敵を滅する為にならどのような卑怯な真似もする場合もある。本質が見えるからこそ、盲点を突かれて騙されることもあるのだよ」
表面しか見えない人間は、嘘をつかれている可能性をある程度は常に意識している。
本質が見える精霊は却って己が騙されるという状況が想定できないのか。
幾つか読んだ本に出ていた、精霊の命を使った術や魔具というのは・・・そうやって騙された精霊が犠牲になって作り出されたものなのかな。
だからこそ蒼流に卑怯なことをしたら滅すると脅された訳か。
「川辺で術を使った時、今までに比べてずっと術の威力が上がっていました。
あれってやはり加護の石を貰ったからですかね?」
「まあ、精霊が多いところの方が術の発動が楽になり威力が上がると言うのは本当だ。それを実感させるための遠足だからな。
それとは別に、精霊の加護を貰うとほぼ全ての精霊から好意的に接されて術がやりやすくなるのも事実だ」
で?
あんたなら俺が何を聞きたいか、分かっているだろうに。
・・・素知らぬ顔をして学院長はお茶を飲んでいる。
「加護の石を貰っていると言う事実は、人から隠した方がいいですか?
国の為、魔術院の為に何かをせよと強制される状況は避けたいんですが」
学院長がクッキーを口に放り込み、お茶で喉を湿らす。
「加護と言うのは精霊の好意から与えられるものだから、却って召喚よりも影響力が大きい。加護を与えた人間に無理をさせて精霊を怒らせても本末転倒だろう?精霊の報復とは時々思いがけない形を取る時があるからな。別に加護を貰ったことを公開してもそれを悪用しようとする者は少ないだろうよ」
あっそ。
じゃあ、俺は単に清早と楽しく遊んでいればいいのね。
良かった。
1
あなたにおすすめの小説
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で
重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。
魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。
案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【毒僧】毒漬け僧侶の俺が出会ったのは最後の精霊術士でした
朝月なつき
ファンタジー
※完結済み※
落ち着かないのでやっぱり旧タイトルに戻しました。
■ ■ ■
毒の森に住み、日銭を稼ぐだけの根無し草の男。
男は気付けば“毒漬け僧侶”と通り名をつけられていた。
ある日に出会ったのは、故郷の復讐心を燃やす少女・ミリアだった。
男は精霊術士だと名乗るミリアを初めは疑いの目で見ていたが、日課を手伝われ、渋々面倒を見ることに。
接するうちに熱に触れるように、次第に心惹かれていく。
ミリアの力を狙う組織に立ち向かうため、男は戦う力を手にし決意する。
たとえこの身が滅びようとも、必ずミリアを救い出す――。
孤独な男が大切な少女を救うために立ち上がる、バトルダークファンタジー。
■ ■ ■
一章までの完結作品を長編化したものになります。
死、残酷描写あり。
↓pixivに登場人物の立ち絵、舞台裏ギャグ漫画あり。
本編破壊のすっごくギャグ&がっつりネタバレなのでご注意…。
https://www.pixiv.net/users/656961
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる