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魔術学院2年目
080 星暦550年 桃の月 7日 世紀の大発見?
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凄い発見をしたような気がする・・・。
でも、報告しない身としては他の魔術師が既にこれを発見して報告していたのか分からないなぁ。
◆◆◆
「魔力って魔術師が単に放出するだけだったら属性がないんだな?術になる時、どの段階で属性が付く?」
アレクが聞いてきた。
「かなり早い段階、かな?殆ど『術を成そう』と言う意図を持った時点で色が付くね」
だから気を変えて途中で術を変えると白かった魔力が何度も色を変換し、視ていて面白い。
「術回路の場合は?」
シャルロが口をはさむ。
ふむ。
あまり術回路のことは考えていなかったな。
どこで変わったっけ?
作った火器と凍結庫、そして保存庫の魔石から流れ出る魔力を何度もスイッチを入れたり切ったりして丹念に調べて視た。
魔術師の場合、術の種類を迷っていたりすると術の構成に時間がかかる為、場合によってはノンビリ属性の色がついていく過程が見える。だが、術回路は決まったことしかしないので魔力の変換・術の具現化が早い為、中々見難い。
迷いのある術回路なんて聞いたことも無いしね。あったらちょっと怖いかも。(笑)
「・・・魔石から魔力が出てきて最初の部分で色がいているな。もしかして、効率的に動かす為に最初に属性を付与しているのか?」
「属性に関する研究はそれ程ない。大抵の人間はウィルのように視ることができないから、『属性とは何か』という議論そのものが困難だしな。だが、もしかしたら経験的に効率的な魔石の利用方法として術回路の最初で属性を付与する構造に意図せずになってきたのかもしれない」
火器の術回路を取り出しながらアレクが言った。
「何をやっているの?」
シャルロがアレクの手元を覗きこむ。
「術回路の最初のどの部分まで削っても効率が下がるものの術が発動するのか視ている。
発動する部分の前が多分属性を付与する術なんじゃないか?」
ふむふむ。中々いいアイディアじゃん。
俺とシャルロが見守っている下で、アレクが魔石に一番近い部分の術回路をほんの少し切り外してからスイッチを入れた。
火器《コンロ》に火はついた。
魔力の消費は元の状態に比べて微妙に効率が悪いかも?
色がついたのがどこだったのかは・・・イマイチはっきり視えなかった。
「もう一回やって」
結局3回やらせた後、更に術回路を切り外してどうなるのか何度も試していった。
シャルロは術回路の最初の部分の拡大図を写してそれに何回目でどこまで切ったかを記録していく。
「そういえば、どんな術回路で属性を付与できるのか推定出来ても、試せないと困るな」
2刻近く実験を続けて各色系統に対して俺が『これかな?』と思える術回路が出来た時点でふとアレクが呟いた。
「術回路をガラスに繋げて魔力を放出させよう。
そうすれば魔石から術回路を通ってガラスから放出させた魔力に属性が付いているか視える」
魔石は必ず木か石の箱に入れて保管される。
金属やガラスだと魔力が伝達されて放出してしまうからだ。
金属の方が伝達率は高いのだが、ガラスでも十分魔力の放出のツールとして使える。
「なるほど。普通の板ガラスときらきらしたガラスと、どっちがいいかな?」
シャルロが作業机に置いてあった砂(本来は木の部品磨き用だと思う)を手にすくって尋ねた。
「変に反射すると視ずらいから板ガラスにしよう」
俺の返事に、あっという間にシャルロの手にあった砂が手のひらぐらいのガラス板に錬金される。
相変わらず、お見事。造るのはうまいよね~こいつ。
芸術性のある魔具でも作らせたらいい味出すだろうに。貴族のお坊っちゃまじゃあそう言う訳にもいかないんだろうけど。
属性を与えると思われる術回路をガラスと魔石に繋いでみた。
「あ・・・色が見える」
「だな」
ガラスが変色していた。
魔力の色でもあるのだが・・・実際に物理的にガラスが変色て見えるのだ。
魔石を外したら普通のガラスに戻る。
「・・・これって魔術院の学会で発表したら一気に術の属性の研究が進みそうな気がしない?」
シャルロが半ば呆然としながら呟いた。
半ば遊びのような学生の研究であっさり『困難』と思われていた属性の研究方法が分かってしまうというのは・・・あり得ないだろう、普通。
「めんどい。わざわざ教えなくてもいいなじゃないか?俺たちが使っていればそのうち広まるだろ」
術回路ではなく単にその使い方だから特許は取れない。
報告したところで『良くやった』と言われるだけだ。
「しっかし。これだけあっさり見える様に出来るんだったら、何度もスイッチ入れたり切ったりせずに、 1イクチずつぐらい切って試せばよかったな」
アレクがため息をついた。
「ま、いいとしよう。
とりあえず、凍結庫の魔力を魔石に注ぎ込む際にどうやったら属性を打ち消せるのかを試さないと」
でも、報告しない身としては他の魔術師が既にこれを発見して報告していたのか分からないなぁ。
◆◆◆
「魔力って魔術師が単に放出するだけだったら属性がないんだな?術になる時、どの段階で属性が付く?」
アレクが聞いてきた。
「かなり早い段階、かな?殆ど『術を成そう』と言う意図を持った時点で色が付くね」
だから気を変えて途中で術を変えると白かった魔力が何度も色を変換し、視ていて面白い。
「術回路の場合は?」
シャルロが口をはさむ。
ふむ。
あまり術回路のことは考えていなかったな。
どこで変わったっけ?
作った火器と凍結庫、そして保存庫の魔石から流れ出る魔力を何度もスイッチを入れたり切ったりして丹念に調べて視た。
魔術師の場合、術の種類を迷っていたりすると術の構成に時間がかかる為、場合によってはノンビリ属性の色がついていく過程が見える。だが、術回路は決まったことしかしないので魔力の変換・術の具現化が早い為、中々見難い。
迷いのある術回路なんて聞いたことも無いしね。あったらちょっと怖いかも。(笑)
「・・・魔石から魔力が出てきて最初の部分で色がいているな。もしかして、効率的に動かす為に最初に属性を付与しているのか?」
「属性に関する研究はそれ程ない。大抵の人間はウィルのように視ることができないから、『属性とは何か』という議論そのものが困難だしな。だが、もしかしたら経験的に効率的な魔石の利用方法として術回路の最初で属性を付与する構造に意図せずになってきたのかもしれない」
火器の術回路を取り出しながらアレクが言った。
「何をやっているの?」
シャルロがアレクの手元を覗きこむ。
「術回路の最初のどの部分まで削っても効率が下がるものの術が発動するのか視ている。
発動する部分の前が多分属性を付与する術なんじゃないか?」
ふむふむ。中々いいアイディアじゃん。
俺とシャルロが見守っている下で、アレクが魔石に一番近い部分の術回路をほんの少し切り外してからスイッチを入れた。
火器《コンロ》に火はついた。
魔力の消費は元の状態に比べて微妙に効率が悪いかも?
色がついたのがどこだったのかは・・・イマイチはっきり視えなかった。
「もう一回やって」
結局3回やらせた後、更に術回路を切り外してどうなるのか何度も試していった。
シャルロは術回路の最初の部分の拡大図を写してそれに何回目でどこまで切ったかを記録していく。
「そういえば、どんな術回路で属性を付与できるのか推定出来ても、試せないと困るな」
2刻近く実験を続けて各色系統に対して俺が『これかな?』と思える術回路が出来た時点でふとアレクが呟いた。
「術回路をガラスに繋げて魔力を放出させよう。
そうすれば魔石から術回路を通ってガラスから放出させた魔力に属性が付いているか視える」
魔石は必ず木か石の箱に入れて保管される。
金属やガラスだと魔力が伝達されて放出してしまうからだ。
金属の方が伝達率は高いのだが、ガラスでも十分魔力の放出のツールとして使える。
「なるほど。普通の板ガラスときらきらしたガラスと、どっちがいいかな?」
シャルロが作業机に置いてあった砂(本来は木の部品磨き用だと思う)を手にすくって尋ねた。
「変に反射すると視ずらいから板ガラスにしよう」
俺の返事に、あっという間にシャルロの手にあった砂が手のひらぐらいのガラス板に錬金される。
相変わらず、お見事。造るのはうまいよね~こいつ。
芸術性のある魔具でも作らせたらいい味出すだろうに。貴族のお坊っちゃまじゃあそう言う訳にもいかないんだろうけど。
属性を与えると思われる術回路をガラスと魔石に繋いでみた。
「あ・・・色が見える」
「だな」
ガラスが変色していた。
魔力の色でもあるのだが・・・実際に物理的にガラスが変色て見えるのだ。
魔石を外したら普通のガラスに戻る。
「・・・これって魔術院の学会で発表したら一気に術の属性の研究が進みそうな気がしない?」
シャルロが半ば呆然としながら呟いた。
半ば遊びのような学生の研究であっさり『困難』と思われていた属性の研究方法が分かってしまうというのは・・・あり得ないだろう、普通。
「めんどい。わざわざ教えなくてもいいなじゃないか?俺たちが使っていればそのうち広まるだろ」
術回路ではなく単にその使い方だから特許は取れない。
報告したところで『良くやった』と言われるだけだ。
「しっかし。これだけあっさり見える様に出来るんだったら、何度もスイッチ入れたり切ったりせずに、 1イクチずつぐらい切って試せばよかったな」
アレクがため息をついた。
「ま、いいとしよう。
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