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卒業後
1123 星暦558年 青の月 16日 遊ぼう!(10)
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周囲の船乗りや漁師がぽかんと口を開けて凝視するぐらいの早さで海を滑るように進んだ俺たちの屋敷船は、途中で船の中でのんびりと昼食を終え、食後の腹ごなしに運動でもしようかと話している所で港が見えてきた。
いや、港はいくつも見えて通り過ぎていたのだが、必死になって地図や海図と現在地を確認していたズロクナが次に見えてくるのがチャールトン(の筈!)と言った港町が見えてきたのだ。
「ここって何があるんだ?
ニシンが美味いって話だけど、アレクならまだしもケレナが知っているってことはこの街に関連する何かが他にもあるんだろ?」
入港する為に船が速度を落としてきた所でケレナに尋ねる。
「以前娘さんの為に馬を買いに来た地方領主と話していた時に、夫《シャルロ》は(甘い物以外だったら)ニシンが好きなの~って言ったらここの街の港から大通りを通って2ブロックほど進んだところの赤い屋根の建物の所を右に曲がった奥にある食事処は飛び切り美味いんだぞ~って言っていたのよね。
あと、ここはニシンの燻製も凄く良いらしいわよ?何か海流の関係で脂が良い感じにのった美味しいニシンが大量に水揚げされるとかで。
まあ、王都郊外で馬を売った相手がチャールトンまで来るとは思っていなかったと思うけど」
ケレナが言った。
ニシンかぁ。
魚なんて海に面してりゃどこででも取れるんじゃねえの?と思っていたんだが、考えてみたら気温や土が違えば育つ植物だって違うし、生きている動物も違うんだ。
海水にそこまで違いがあるかは知らんが、水温はそれなりに違うだろうから、シャルロが蒼流に頼むっていうのならまだしも、普通の漁師が水揚げする魚の種類は港によって違うんかも?
「ちなみにニシンの燻製ってどのくらい保つのかな?
パディン夫人とかシェイラとか学院長へのお土産に持って帰っても悪くならないか?」
うっかり腐ったりカビが生えた魚なんぞ土産に持って帰ったら誰もが不幸になる。
「保存庫(フリッジ)に入れておけば大丈夫じゃないか?
なんだったら干物も買っておけばそっちは湿度管理さえすれば数週間は確実に大丈夫だろうし。
ちなみに領主貴族からの招待が面倒だからアファル王国内ではそう言うのが居る港を避けたいって話だったが、チャールトンにその馬を買った領主は滞在していないのか?」
アレクが言った。
「大丈夫!
その馬を買ってもらったお嬢さんの結婚式だとかで、今年の夏は王都で過ごすって言っていたから」
にっかり笑いながらケレナが言った。
何かそれなりにその馬を買った領主とやらと仲良くやっているっぽいのに、食事に招待されてきっちり着飾るのは面倒というのは不思議な感覚だ。
まあ、コルセットとか皮膚呼吸が出来なくなりそうな化粧とか、女性は色々と面倒そうだもんな。
今回はパディン夫人と下働きのメイドが一緒に来てくれたが、侍女って訳じゃあないから貴族女性が着るようなドレスの着付けとか化粧はあまり得意じゃないだろうし。
「それじゃあ、適当に港町を歩き回って、分かれた場合は夕食時にその美味しい食事処で集合と言うことにしようか。
先に人をやって予約だけしておこうぜ」
店が閉まっていたなんて場合は金を握らせて特別に開かせるか、別の店を誰かに勧めて貰う必要があるし。
「私はちょっと別行動させてもらって、その食事処で合流させてもらうよ。
店が閉まっている場合は携帯用通信機で連絡してくれ」
セビウス氏が口を挟んだ。
あ~。
まあ、彼の場合は情報収集とかで会いたい人間とか、いそうだよね。
予定が決まっていなかったとしてもそう言う相手を探し出して伝手を培うのもやりたいだろうし。
まあ、ニシンが売りな港町がシェフィート商会にどのくらい重要性があるのか知らんが、もしもノルダスとの交易を始めることになったら北の方へ行く途中で補給の為に寄港する可能性もあるし、街の事とか、近隣の港町の事とか、聞いておいて損は無いだろう。
「じゃあ、行こう!!」
ワクワクとした感じでシャルロが腕を突き上げた。
シャルロってそれ程自分から出かけようと言わないわりに、新しい場所は好きだよなぁ。
しっかし。
考えてみたら宿住まいなシェイラにニシンの燻製なり干物なりを持って行ったら、どうやって食べるんだろ?
宿屋の女将さんに特別料理してもらうんだったら余分に女将さんの分も買っていく必要があるか?
・・・食べ物だったら菓子とかお茶程度の方が無難かも?
いや、港はいくつも見えて通り過ぎていたのだが、必死になって地図や海図と現在地を確認していたズロクナが次に見えてくるのがチャールトン(の筈!)と言った港町が見えてきたのだ。
「ここって何があるんだ?
ニシンが美味いって話だけど、アレクならまだしもケレナが知っているってことはこの街に関連する何かが他にもあるんだろ?」
入港する為に船が速度を落としてきた所でケレナに尋ねる。
「以前娘さんの為に馬を買いに来た地方領主と話していた時に、夫《シャルロ》は(甘い物以外だったら)ニシンが好きなの~って言ったらここの街の港から大通りを通って2ブロックほど進んだところの赤い屋根の建物の所を右に曲がった奥にある食事処は飛び切り美味いんだぞ~って言っていたのよね。
あと、ここはニシンの燻製も凄く良いらしいわよ?何か海流の関係で脂が良い感じにのった美味しいニシンが大量に水揚げされるとかで。
まあ、王都郊外で馬を売った相手がチャールトンまで来るとは思っていなかったと思うけど」
ケレナが言った。
ニシンかぁ。
魚なんて海に面してりゃどこででも取れるんじゃねえの?と思っていたんだが、考えてみたら気温や土が違えば育つ植物だって違うし、生きている動物も違うんだ。
海水にそこまで違いがあるかは知らんが、水温はそれなりに違うだろうから、シャルロが蒼流に頼むっていうのならまだしも、普通の漁師が水揚げする魚の種類は港によって違うんかも?
「ちなみにニシンの燻製ってどのくらい保つのかな?
パディン夫人とかシェイラとか学院長へのお土産に持って帰っても悪くならないか?」
うっかり腐ったりカビが生えた魚なんぞ土産に持って帰ったら誰もが不幸になる。
「保存庫(フリッジ)に入れておけば大丈夫じゃないか?
なんだったら干物も買っておけばそっちは湿度管理さえすれば数週間は確実に大丈夫だろうし。
ちなみに領主貴族からの招待が面倒だからアファル王国内ではそう言うのが居る港を避けたいって話だったが、チャールトンにその馬を買った領主は滞在していないのか?」
アレクが言った。
「大丈夫!
その馬を買ってもらったお嬢さんの結婚式だとかで、今年の夏は王都で過ごすって言っていたから」
にっかり笑いながらケレナが言った。
何かそれなりにその馬を買った領主とやらと仲良くやっているっぽいのに、食事に招待されてきっちり着飾るのは面倒というのは不思議な感覚だ。
まあ、コルセットとか皮膚呼吸が出来なくなりそうな化粧とか、女性は色々と面倒そうだもんな。
今回はパディン夫人と下働きのメイドが一緒に来てくれたが、侍女って訳じゃあないから貴族女性が着るようなドレスの着付けとか化粧はあまり得意じゃないだろうし。
「それじゃあ、適当に港町を歩き回って、分かれた場合は夕食時にその美味しい食事処で集合と言うことにしようか。
先に人をやって予約だけしておこうぜ」
店が閉まっていたなんて場合は金を握らせて特別に開かせるか、別の店を誰かに勧めて貰う必要があるし。
「私はちょっと別行動させてもらって、その食事処で合流させてもらうよ。
店が閉まっている場合は携帯用通信機で連絡してくれ」
セビウス氏が口を挟んだ。
あ~。
まあ、彼の場合は情報収集とかで会いたい人間とか、いそうだよね。
予定が決まっていなかったとしてもそう言う相手を探し出して伝手を培うのもやりたいだろうし。
まあ、ニシンが売りな港町がシェフィート商会にどのくらい重要性があるのか知らんが、もしもノルダスとの交易を始めることになったら北の方へ行く途中で補給の為に寄港する可能性もあるし、街の事とか、近隣の港町の事とか、聞いておいて損は無いだろう。
「じゃあ、行こう!!」
ワクワクとした感じでシャルロが腕を突き上げた。
シャルロってそれ程自分から出かけようと言わないわりに、新しい場所は好きだよなぁ。
しっかし。
考えてみたら宿住まいなシェイラにニシンの燻製なり干物なりを持って行ったら、どうやって食べるんだろ?
宿屋の女将さんに特別料理してもらうんだったら余分に女将さんの分も買っていく必要があるか?
・・・食べ物だったら菓子とかお茶程度の方が無難かも?
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