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第8部 ストーリー類型

3 進行段階別パターン分析(1)

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(1)転移転生直前の状況
交通事故系
社畜として疲労困憊し注意力が散漫になったことにより左右確認せず道路を横断しようとして、あるいは道路に出た幼児等を助けようとして、トラックに轢かれて死亡し転生するケース。
殺人事件系
自宅でゲーム中に窃盗犯が侵入して殺害され、又はコンビニ勤務中に強盗が入って殺害され、(事後)強盗殺人事件の被害者となって、あるいは通り魔により殺害され、転生するもの。ゲーム世界等への転生は、前者のパターンが多い。
病死系
熱中症により、あるいは社畜生活での過労や離婚による心労などにより衰弱して病気に罹り、アパートの一室で死亡し転生するというもの。
睡眠系
自宅で飲酒中あるいは就寝後、又はゲーム中に意識が飛び、目が覚めると異世界に転移又は転生しているというもの。特にゲーム中の場合は、当該(準)ゲーム世界への憑依型転生が多い。
移動中系
通勤通学や私用などで移動中(電車やバスへの乗車中、あるいは徒歩でトンネル通過中)に気づいたら異世界に転移していたというもの。
ログアウト不能系
(特にサービス終了間際のオンライン)VRゲームをプレイ中にゲームを離脱・終了できなくなるというもの。(準)ゲーム世界に転移したものとして扱われる。
学校系
教室にいたところ転移する。クラス転移はこのケース又は移動中系。
広範囲・無差別系
ある範囲内に属する多人数がランダムで転移するケースと、国ごと転移するケースがある。

(2)転移転生段階
a 転移転生の種類
(a) 転移
自然型転移
死亡や幽体離脱せず、召喚もされず、時空間の歪みの発生など何らかの自然現象により、生きたまま異世界に移動する。単独転移と集団転移があるが、多くは単独転移である。集団転移は、ある範囲内の人間(+所持品)ないし生物だけが転移するものと、土地建物ごと(時には国の領土領海ごと)転移するものがある。
召喚型転移
異世界人王室又は神の召喚術により、生きたまま異世界に移動する。通常は特殊能力を得ている(強化召喚型転移)が、そうでない場合もあるし(単純召喚型転移)、集団召喚された者のうち一部が強化召喚型転移で、残りを単純召喚型転移とする作品もある。単独召喚と集団召喚がある。集団召喚は、学級ごと(これは特に「クラス召喚」といわれる)、無差別、国の領土領海ごとの3タイプがあり、無差別召喚の場合は、自然型転移とは異なり、ある範囲内の人間すべてが転移するとは限らない。
自力型転移
魔法又はSF的装置を用い、自力で異世界に転移するもの。極めて稀。
押出型転移
元世界の第三者が魔法又はSF的装置を用いて主人公を異世界に転移させるもの。極めて稀。
(b) 転生
コピー型転生
死亡した後、胎児からではなく成長した姿で、前世の知識経験・自意識・人格を持ったまま生まれ変わるもの。前世は地球人とは限らず、当該異世界の過去の生粋異世界人であることもある。死亡から転生までの間に神様と称する者とやり取りするケースが多い(他力型転生の一種としてのコピー型転生)。単純コピー型転生(死亡した後、生前と同様の心身で異世界に生まれ変わる)と強化コピー型転生(死亡した後、生前と同様ないし若返った外見で、特殊能力を得て、異世界に生まれ変わる)、劣化コピー型転生(死亡した後、生前と同様ないし若返った外見で、異世界に生まれ変わるが、知識経験・自意識・人格が前世より劣化しているもの。例:賢者から無自覚系への転生)の3タイプがある。異世界に突然出現するので、当該異世界に家族はいない。
生まれ変わり型転生
 死亡した後、異世界人(ないし動植物や物品)として異世界に生まれる。胎内~出産時点から意識がはっきりしているケースと、ある日突然地球で死亡した記憶とともに前世の記憶を思い出すケースとがある。
 前世を思い出すケースでは、思い出す前の異世界人として生活した時期の記憶も残存しているのが特徴(憑依型転生との区別)で、思い出した後に人格が前世の性格に変わるケースと、思い出し前の性格と前世の性格が融合するケースがあるが、通常は前者である。前世を思い出すのであれば、今世で何年も生活していて今世の情報をそれなりに持っているわけだから、「今はこうだけど、昔はああだったんだな」などという発想になるのが通常だと思われるが、なろう小説ではほぼ必ず、前世からタイムトラベルしてきたかのような気持ちになって「前世ではああだったけど、今はどうなってるんだ?」という発想になり、現在は何年何月何日かなど現状を周囲に尋ね始める(このようなケースは憑依型転生のはずであるが、主人公の認識は「前世を思い出した」である。)。
 死亡から生まれ変わるまでの間に神様と称する者とやり取りするケースが多い(他力型転生の一種としての生まれ変わり型転生)。前世の知識経験・自意識・人格がそのまま残存する単純生まれ変わり型転生と、知識経験・自意識・人格が前世より劣化している劣化生まれ変わり型転生とがある。コピー型転生とは異なり、当該異世界に家族がいる。
憑依型転生
死亡や幽体離脱した後、異世界在住の生粋異世界人(ないし動植物や物品)に精神だけ憑依する(生粋異世界人の身体を乗っ取る)。前世の知識経験・自意識・人格を持っている。憑依前の生粋異世界人として生活した時期の記憶等(被憑依者自身の知識経験・自意識・人格)がないが(生まれ変わり型との区別)、前世の身体・名前・経歴とは異なる(コピー型転生との区別)のが特徴。憑依後については転生異世界人として区別する。ただし、被憑依者が胎児の時に憑依した場合、生まれ変わり型転生との区別が付かない。コピー型転生とは異なり、当該異世界に家族がいる。
他力型転生
第三者が魔法又はSF的装置を用い、死者を生まれ変わらせるもの。生まれ変わり型転生とコピー型転生の2タイプがある。
自力型転生
魔法又はSF的装置を用い、自らの死後に生まれ変わるように仕組み、それが実現する。前世の知識経験・自意識・人格を持っている。極めて稀。
b 導入
※パターンAの転生は上記すべてのケースがありえる。
パターンA-1型
交通事故・通り魔・病気などにより死亡⇒(自称)神と面会し特殊能力を得て転生
パターンA-2型
交通事故・通り魔・病気などにより死亡して転生
パターンB-1型
異世界人又は神の召喚術により単独で召喚型転移
パターンB-2型
異世界人又は神の召喚術により学級ごと召喚型転移
パターンB-3型
異世界人又は神の召喚術により無差別に多人数が召喚型転移
パターンC
飲酒して眠って(明確な描写はないが幽体離脱し)起きたら憑依型転生
パターンD
移動中(徒歩中、電車等乗車中)にいつの間にか自然型転移
※眠って起きたら自然型転移というケースがなぜか少ない

c 転生先
高位貴族~貧困領主の息子
平民(農民)~下層民
動植物や物品
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