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3.お祝いに宝石とリボンを
しおりを挟む「わかりました。
それまで私は奥様とカダール様を信じて、迎えに来てくれるのを待っていますわ」
「あぁ、あの人がこんなにも可愛らしくて健気な子を見つけていたなんて。
こんな子がいらっしゃるなら早く教えてくださればよかったのに。
そうすれば私だってもっと早くに身を引くことだってできたのに。
これでは私が2人の仲を引き裂いてしまっていたようで恥ずかしいわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
「まぁ!!奥様そんなに気を遣ってもらって。
喜んで頂きますわ!!」
「そう?
でしたらあの人があなたを迎えに行くときにプレゼントも持って行ってもらうようにするわ。遠慮するといけないから返品は受け付けないと先に伝えておくわね。
ああ、本当に今日はあなたと話ができてよかったわ。
私はこの後神殿に向かうけれど、あなたは馬車で送らせるわ。
あの人の大事な人ですもの。
傷でもつけたら大変。
クレー、彼女をお送りして。とても大切なお客様なの。丁寧にね」
こうして従者に部屋から案内され馬車に向かうと、そこにはとても豪華な馬車が用意されていた。外観も豪華なのにドアを開けるとそこは自分が乗ってことがあるお尻が痛くなるような馬車ではなく、ふかふかの布が敷かれた座席になっていた。これがカダールが迎えに来てくれた時から自分のものになる、そう思うだけでナリッタは最高の幸せを手に入れたと感じていた。
一方伯爵家ではキュリールが神殿に向かう準備をしていた。
ナリッタが会っていたと言った日、カダールがなにをしていたかを調べていたのだ。
調べたところ、ナリッタが言っていた日はカダールは取引先相手がどうしても男同士で話がしたいと言ってきたと1日出かけていた日ばかりだった。
そのため神殿に行く前に取引先相手のところに行き、その日カダールと会っていたか確認をした。
その日は取引先相手は他領との取引のために外出しており、カダールとは会っていないことがわかった。
こうして集められる証拠を集めてキュリールは神殿に向かった。
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