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17.素敵な女性

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「あぁ、もちろん。
ラミー、2人を貴族の間へご案内して。リボン、僕はまだ用事があるからクロード子爵を丁重におもてなししてもらえるかい?」

リボンの予想とは裏腹に、即座に子爵との時間を持つことが決まってしまった。
それでもリボンはルドファに用事があるからなんだと疑問にすら思わなかった。

「まぁ、用事があるのですね。それでは仕方ありませんわ。
わかりました。私がルドファ様の代わりに子爵のお相手をさせて頂きますわ。
子爵、私のことはどうぞリボンとお呼びくださいませ。さぁ、こちらですわ」

そう言ってリボンはなんの疑問も抱えることなく子爵を部屋に招き入れた。
そこで座った場所はベッドの淵。
普通男女が部屋に入ってまずベッドに座るなどありえない。

だが、子爵も応えるように横に腰かけ、すぐに唇が重なった。

「あっ、ダメですわ……まだルドファ様だっていらっしゃるのに……」

そう言って抵抗する気もない手が子爵の胸を押す。
その手を優しく包み込むように握る子爵の手。

「こんなに素敵な女性がいるんだ。我慢なんてできるはずがないじゃないか。
リボン、君は僕が求めている最高の女性だよ。
ほら、君の乱れる姿を僕に見せて。そしたら今度は君の欲しがるものを一つ君にプレゼントしてあげよう」

そんなことを言われてリボンの心には即座に火がついた。
これでこの男は自分のもの。貴族界に戻れるのも遠くない未来だ。
やっぱり自分はこうして尽くされるべき女性なのだ。これは持って生まれたもの。だから仕方ない。

「そんな欲しいものだなんて。
ではグラファイ様と名前で呼ぶ許可を頂けますか………そうすれば………私恥ずかしいけれど、グラファイ様の前では恥ずかしい姿もお見せできるかも……」

上目遣いで子爵を見つめながらリボンは言った。
そうしてこの日2人で熱い夜を過ごしたのだった。


だが、リボンの予想に反してグラファイはリボンのことを連れ帰りはしなかった。
体を重ねたんだからきっと自分のものにしたくなり、自分の家に連れ帰るだろうと思ったが、そうではなかった。

そうか。きっとこの人も結婚しているんだ。
だから妻の手前、自分を連れ帰ることができないんだ。

リボンは1人で勝手にそう納得した。それから1週間後、またここにグラファイがやってきた。

「やぁ、リボン。やはり君は今日も美しいね。
さぁ今日も君の部屋でもてなしてもらおうかな」

リボンの腰を当たり前のように抱いて、部屋に向かうグラファイ。
だがリボンはその態度が許せなかった。

身体を許してあげたにも関わらず、1週間もの間、姿を見せなかったのに当たり前のようにリボンのことを所有物から扱いしている。しかも詫びの一言もないなんて。

だが淑女というのは面では感情を出さないようにする。
だからリボンもラミーの前では仮面をかぶり、素直に挨拶をし、腰を抱かれて部屋に向かった。
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