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24.探すカダール

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唖然とするカダールだが、唖然としている時間も利子が増え始めている。

焦ったカダールはオーナーに泣きついた。
自分の才能を勝ったこの男ならたった一度の失敗くらい見逃すかもと思ったのだ。

「ははっ、カダールさん、もう一回貸してくれってあんた今でも借金抱えてんのにどうやって返すん?
こっちも慈善事業やってるわけじゃないのよ。
借りたきゃ一度返してから借りな。

それにな、あんたはどうしたってこれから上昇せんよ。
えらいなもんに目をつけられてしまったからな。
まぁこれからせいぜい頑張んな」

「は?それってどういう?」
「さぁ、そういうこった。こっちとしては3日間だけ猶予をやったる。3日後が上限金額の日やかいな。
それまでに返せるように必死に気張り。それでだめだったら自分を恨むこった。
とんずらしようなんて素振り見せたらその時点で捕まえるからな。
それじゃあ3日後楽しみにしとるわ」

「ちょ、ちょっとまってくれ。さっきのどういう意味」

カダールの言葉など聞く必要もないとばかりに、力ずくで外に追い出されたカダール。


「待ってくれ、金を借りられれば!!それで大勝ちして絶対返してみせる!!!だから…だから頼むから金を貸してくれ!!!!!!」

閉められた扉はカダールの声に反応して開けられることは2度となかった。

それから2日間、カダールはナリッタを探し続けた。
ナリッタはきっと宝石を持ってる。
伯爵家からもらった宝石ならきっと借金も返せるはずだ。
ナリッタさえ見つかればすぐにでも金を返せる。

そう思って2日間ナリッタを必死に探し回った。
仕事を探すでもなく、ただただナリッタを探し回った。

結果、ナリッタを見つけることはできなかった。

ナリッタの家で生活するカダールはいつかナリッタは帰ってくるだろうと高を括っていた部分も大きい。
だが、ナリッタは結局帰ってこなかった。
おかげでカダールは2日間食事もまともにとっていない。
水分はナリッタの家に用意されていたものを飲んだ。

水分だけでは腹が膨れないが、あるだけましだった。

そして3日後、この日もナリッタを探そうとしていたカダールだったが、朝から筋肉隆々の男が2人、朝早くに家に押し入ってきた。

「なんだお前たち!!
突然家に入ってくるなんて無礼だぞ!!!」

カダールの怒りは男たちに一蹴された。

「無礼だぞ、だってさ。はははははっ!
無礼ですみませんねぇ。

で?無礼だからどうするわけ?
追い出すか?追い出してみろよ!!はははっ!

追い出さないわけ?じゃあ一緒に来てもらおうか。今日は約束の3日目だ。
どうせ返せやしねぇ金額を背負わされてるんだ。
返そうと思うだけ無駄さ」

男は右手でカダールの腕を掴むと、どんどんと玄関まで進んでいく。
カダールは必死でその手を振り払おうとするが、まるで大人と子供ほどの力の差。振りほどくどころか自由に手さえ動かすことができない。

喚いてこうとも、もう一方の手で叩こうとも、笑って流されるだけ。
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