えと…婚約破棄?承りました。妹とのご婚約誠におめでとうございます。お二人が幸せになられますこと、心よりお祈りいたしております

暖夢 由

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トーマス・スターン視点③

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母上はきっとリアンと当主になると、こうなるとわかっていたんだ……だから俺に金を残してくれたんだ……でも俺は長男だ!それなのになぜリアンばかりが優遇される。なぜ俺は罰を受けなければならない。……………なぜリアンばかりが………こんな話をどこかで聞いたな……

あぁ、そうか。俺はいつからかマリアとリアンを重ねていたのか。そしてナディアと俺を。
出来損ないだけどそれを認められない……

あぁ、そうだったんだ。だからいつからか、ナディアばかりを優遇することに気持ちよさを覚えていたんだ。

リアンに勝ったような気持ちになっていたのか。勝てたわけでも、負かせたわけでもないのに………


んぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!


やめろ!!!やめてくれぇぇ!!!!!


んああああああああっっっ!!!!!!!!


裁判が終わった日そのまま糞尿処理施設に移動させられた。
その日は夜の分の鞭打ちだけして、明日から働くと言われた。

1回目叩かれたとき、身体の中でなにかが弾けたような感覚がして、目の前が真っ暗になった。

次に目を開けたら、なぜかずぶぬれになっていた。

なにがあったのかよくわかっていなかったら、また同じ衝撃が背中に走った。2度目、3度目叩かれて、4度目の後はもう覚えていない。

そして、朝、どこかの部屋で起こされた。まだどこも暗い。それなのに、今からまた鞭で打たれて、それから今日は仕事だという。

いやだ………あんな感覚もういやだ………

鞭を打つのはとても身体が大きい男で、その男が目に入るだけで身体が震えてしまう……

昨日は4回しか叩かれず、そのまま気絶して運ばれてしまったらしい。
だから今日の朝は6回打たれなければならないのだという。

5回も我慢できないのに、6回なんて我慢できるわけない!

それなのに耳元でヒュンッ!!と音がすると背中に衝撃が走る。

鞭で打たれたというよりも剣で切られたのではないかというような痛みなんだ……

お願いだ……もう許してくれ……


俺が悪かったんだ……

弟が優秀であることを、自分がそうなれないことを受け止められなかったんだ……

あやまる……あやまるから……


んぎゃーーーーー!!!


たのむ……誰か助けてくれ………………


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