えと…婚約破棄？承りました。妹とのご婚約誠におめでとうございます。お二人が幸せになられますこと、心よりお祈りいたしております

エピローグ②

元レイズ伯爵夫人に関しては少なからず自身でも違法薬物を摂取していたようで、その影響が徐々に身体を蝕んだようです。それが元で、雑菌が入り込み熱が出た時に、幻覚症状なのか、若い子を求める言動を始めたそうです。そして糞尿処理施設で労働中に男性の身体をまさぐろうとしたそうです。その時にはすでに目がおかしく、会話もままならなくなっていたそうですが、それでも働かせようとすると、男性にすり寄っていくので労働はやめさせ、独房に入れられたそうです。独房に入れられても鞭打ちは続いているようですが、それほどまでに違法薬物とは怖いものなのですね。自身が手を出すことはもちろん、そんなものを他者へ提供するなんてありえません。そう考えると当たり前の罰なのです。

5年の鞭打ち刑だったナディアは、他の方と同様に何度か熱を出したりもしたようですが、鞭打ちが終わる5年が経っても元気にしており、今でも文句を言いながら糞尿処理施設で働いているようです。賠償金と慰謝料が払い終えるだけ働いたら外に出れるようですが、賠償の400万ルペルに慰謝料の請求。きっと賠償の金額は終えたのではないかと思いますが、慰謝料の対象が多すぎて出られるのがいつになるのかわかりません。でも案外元気に出てくるのではないかと思っています。

でもすでに私たちは赤の他人。どうとでも生きてくれればいいと思います。

そういえば、スティーブ様もあの後は真面目に働いているそうです。施設での労働でスコップ作業が慣れていたのか、割と早くに掘削作業で重宝されるようになったとレオナルドが驚きながら言っていました。生まれてくる家が違えば、どこかで変わっていられればきっと人生も変わっていたのでしょう。

でもそれは私も一緒です。みんな私が元家族に対して恨みを持たないことに優しすぎると言いますが、恨みを持たないのではなく、きっと関心を持たなかったのです。きっと気にしていたら小さい頃の私は壊れてしまっていたでしょう。だから自己防衛のために気にしなくなったのです。そして、今の両親が居なければ今の私はいません。そしてレオナルド達とあのお茶会で仲良くなることができなければ、また今とはかわっていたでしょう。

いろいろな分岐点でその道を選んだからこそ、今の自分がいるのです。だから今ある全てのものに感謝して、これからも生きていこうと思います。