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7.婚約指輪?

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「どういうこと?」

「いいか?これは恐らくディアランの指輪というものだ。一説によれば、この魔法は誰にも、それも魔法をかけた本人にも解くことができないらしい。また、どちらか何らかの形で裏切った場合、その魔法をかけた魔法使いは死ぬと言われている」

……おおう。

魔法の指輪なんて素敵!とか少し思ってたけど、思っていたよりもかなりえげつないものだった。

なんて恐ろしいものを私につけてくれたんだ……。これは、お兄様の反応にも納得だ。

「そして、今回の場合この説が真実だとすると、お前がその相手と結婚をしなかった場合……相手が死ぬ可能性がある。わかったか?事の重大さが……」

はい……よくわかりました………。

今思えば、確かにあの人もディアランの指輪どうとか言ってた気がする。だとすると、恐らく間違いないのだろう。

「しかし……幸か不幸か、一つだけ間違いないことがある」
「……それはなんですか?」
「それはな…………」

ごくり。

「……ほぼ確実にそいつは金持ち!エリートだということだ!」

「……はい?」
「考えてもみろ!下手にフォレグナーの鳥籠姫とか呼ばれているせいで表に出しにくく、結婚は絶望的だと思っていたのに、お前に魔法をかけたやつはお前と結婚したくなくなってもするしかない!」

私の結婚……絶望的だと思ってたんだ……。

それにきっとお兄様、彼に対して私の顔に騙されて可哀想に……とか思ってるんだろうなぁ。

「それにしても本当に名前すら分からないのか?」
「……いろいろあり過ぎて忘れて………」

いや、待て。
確か彼は言っていた。
この指輪の魔法の呪文を詠唱する時に。
確か………

「レイス・オーレスト……」
「……は?まさか、それが相手の名前だって言うんじゃないだろうな……?」

信じられない。信じたくない。そんな顔をするお兄様。もしかして、彼のことも知っているのだろうか?

「多分……魔法の呪文の詠唱をする時に言っていました。もしかして、知っているんですか?」
「……ああ、知っているとも…というかなんでお前は分からないんだ……お前は一度、歴史を学び直せ……!」



「俺も直接あったことがある訳ではないから確証は無い。が、オーレストというのには聞き覚えがある」

そこまで言われば、私にも思い当たる節があった。
しかし、それは到底ありえないことである。
だって、まさか……

「オーレスト魔王国。その国の名と同じ名を持つことを許されるのは魔王のみ……つまり、お前に求婚したのは魔王だということだ」
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