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8.妖精の里へ
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結論からいうと、セインとの特訓は上手くいった。
妖精の里があるという森に到着するまでの3日間。細かく時間を作って鍛錬して貰ったのだが、俺の予想以上に上達した。
神様に問い合わせたところ、今の俺のステータスはこんな感じらしい。
【モヒ―・カーン】
種族:天使
職業:犯罪者(馬車を襲ったため)
力 :165
魔法:100
速さ:120
防御:220
魔防:150
スキル:
・超成長:物凄く能力値とかが上昇しやすい。
・肉体系魔法の素質(超):肉体系の魔法の素質がある。
・神のご加護(超):神様からの数々のご加護がある。
・投石L3
・光神騎士団剣術L2
・斧戦闘L3
なんと、技能だけでなく身体能力まで上がってる。セインに沢山殴られたおかげだ。
斧戦闘の技能が上がっているのは二日目から神様に用意して貰った木製の剣と斧で練習したからだ。
投石スキルは、石を投げて兎狩りをしたからだろう。ちなみに獲物はセインが調理してくれた。美味かった。
たった三日の訓練だが、上がった身体能力のおかげで鍛錬でセインを追い込む場面も増えてきた。技術ではなく基本スペックで力押ししてるだけだが、上達は嬉しいもんだ。
ついでに、バギーに備え付けられていた斧についても神様に聞いてみた。これもきっと、ただの武器じゃないはずだからな。
【神具「モヒカンの斧」】
巨大な刃を二つ持つ斧。以下の特殊能力を有する。
・モヒー・カーンが投擲した場合に限り、ブーメランのように回転して手元に戻ってくる。
・モヒー・カーンが使った場合、魔法的な防御を無視して切り裂く。
・モヒ―・カーンがこの斧を持ち「汚物は消毒だー!」とコマンドワードを叫ぶと、任意の範囲を爆炎で焼き尽くすことが出来る。
※上記特殊能力の効果はモヒー・カーンの能力に依存します。また、コマンドワードの設定はただの嫌がらせです。
※それと火を使う時、眩しいといけないのでサングラスを差し入れておきますね。
……わざわざ嫌がらせなのを明記するとは律儀な神様だ。機会を見て反撃してやる。
俺のそんな決意はともかく、強力な武器を用意してくれたのは有り難い。
ブーメラン機能を試してみると障害物を切り裂きながら戻ってきたし、爆炎の方は草原が数百メートルが吹き飛んだ上で焼け野原になった。
どちらも使い方を間違えると危険なので慎重にいこうと思う。あと、貰ったサングラスも悪くない。
とにかく、この斧は頼りになる相棒だ。それは間違いない。
そんな感じで俺は自分の実力を確かめながら移動しつつ、妖精の里があるという森に到着したのだった。
森の前でライクレイ姉妹は馬の馬具を外しながら名残惜しそうに撫でていた。
「ここでお別れですわね」
「ええ、ここに来る前に買った馬ですが、よく走ってくれました」
「なんだ。離すのか?」
「ええ、妖精の里に連れていけませんし、出てくるまでどのくらい時間がかかるかもわかりませんから」
「妖精の協力を取り付ける目処はついてるんだろ?」
「はい。道中でお話した通り、ライクレイ家はかつて妖精の里の危機を救ったことがあるのです」
「その時の縁で困った時には力を貸して貰えるはずですの」
なんでも、ライクレイ家の祖先は過去に妖精の里を滅びの危機から救ったらしい。その時に貰ったのが『妖精の曙光』であり。そいつをアクセサリを持っていればいつでも妖精の里に出入りして協力を仰ぐことができるそうだ。
「実際に妖精に会ったことがあるわけじゃねぇんだよな」
「ええ、お恥ずかしい話ですが。割と出たとこ勝負ですの」
「妖精に与えられるという身を隠す力がなんとしても欲しいのです」
二人の顔は故郷で割れている。そのために強力な隠れ身の力が欲しいそうだ。
両親の死について調べている時に、最終的に殺し屋みたいのを差し向けられた慌てて逃げ出したらしい。
俺に協力を依頼したのも、その時の経験からのもので、戦力として期待していると正直に話してくれた。
「そうだ。カーン様のバギー? でしたか。そちらはどうするですの?」
「ん、ああ。便利な機能がある。よし、キーになるんだ」
俺がそう言うと、バギーが光に包まれた。
「な、なんですの!」
「カーン殿。バギーが!」
光が消えると、バギーがあった場所に鍵と荷物と斧が残っていた。
「どうだ、便利なもんだろう?」
自慢気に言うと、二人は感心した様子だった。
「流石は神具ですね」
「神様からの心遣いが行き届いておりますわ」
鍵を懐に入れ、荷物と斧を背負う。しばらくバギーとはお別れだ。ちょっと寂しい。バギーを走らせながら「ヒャッハー!」と叫ぶととてもスッキリするんだ。
「では、行きましょう。こちらですわ」
準備を終えた俺達は、シーニャの先導で森に入った。
妖精の里があるという森に到着するまでの3日間。細かく時間を作って鍛錬して貰ったのだが、俺の予想以上に上達した。
神様に問い合わせたところ、今の俺のステータスはこんな感じらしい。
【モヒ―・カーン】
種族:天使
職業:犯罪者(馬車を襲ったため)
力 :165
魔法:100
速さ:120
防御:220
魔防:150
スキル:
・超成長:物凄く能力値とかが上昇しやすい。
・肉体系魔法の素質(超):肉体系の魔法の素質がある。
・神のご加護(超):神様からの数々のご加護がある。
・投石L3
・光神騎士団剣術L2
・斧戦闘L3
なんと、技能だけでなく身体能力まで上がってる。セインに沢山殴られたおかげだ。
斧戦闘の技能が上がっているのは二日目から神様に用意して貰った木製の剣と斧で練習したからだ。
投石スキルは、石を投げて兎狩りをしたからだろう。ちなみに獲物はセインが調理してくれた。美味かった。
たった三日の訓練だが、上がった身体能力のおかげで鍛錬でセインを追い込む場面も増えてきた。技術ではなく基本スペックで力押ししてるだけだが、上達は嬉しいもんだ。
ついでに、バギーに備え付けられていた斧についても神様に聞いてみた。これもきっと、ただの武器じゃないはずだからな。
【神具「モヒカンの斧」】
巨大な刃を二つ持つ斧。以下の特殊能力を有する。
・モヒー・カーンが投擲した場合に限り、ブーメランのように回転して手元に戻ってくる。
・モヒー・カーンが使った場合、魔法的な防御を無視して切り裂く。
・モヒ―・カーンがこの斧を持ち「汚物は消毒だー!」とコマンドワードを叫ぶと、任意の範囲を爆炎で焼き尽くすことが出来る。
※上記特殊能力の効果はモヒー・カーンの能力に依存します。また、コマンドワードの設定はただの嫌がらせです。
※それと火を使う時、眩しいといけないのでサングラスを差し入れておきますね。
……わざわざ嫌がらせなのを明記するとは律儀な神様だ。機会を見て反撃してやる。
俺のそんな決意はともかく、強力な武器を用意してくれたのは有り難い。
ブーメラン機能を試してみると障害物を切り裂きながら戻ってきたし、爆炎の方は草原が数百メートルが吹き飛んだ上で焼け野原になった。
どちらも使い方を間違えると危険なので慎重にいこうと思う。あと、貰ったサングラスも悪くない。
とにかく、この斧は頼りになる相棒だ。それは間違いない。
そんな感じで俺は自分の実力を確かめながら移動しつつ、妖精の里があるという森に到着したのだった。
森の前でライクレイ姉妹は馬の馬具を外しながら名残惜しそうに撫でていた。
「ここでお別れですわね」
「ええ、ここに来る前に買った馬ですが、よく走ってくれました」
「なんだ。離すのか?」
「ええ、妖精の里に連れていけませんし、出てくるまでどのくらい時間がかかるかもわかりませんから」
「妖精の協力を取り付ける目処はついてるんだろ?」
「はい。道中でお話した通り、ライクレイ家はかつて妖精の里の危機を救ったことがあるのです」
「その時の縁で困った時には力を貸して貰えるはずですの」
なんでも、ライクレイ家の祖先は過去に妖精の里を滅びの危機から救ったらしい。その時に貰ったのが『妖精の曙光』であり。そいつをアクセサリを持っていればいつでも妖精の里に出入りして協力を仰ぐことができるそうだ。
「実際に妖精に会ったことがあるわけじゃねぇんだよな」
「ええ、お恥ずかしい話ですが。割と出たとこ勝負ですの」
「妖精に与えられるという身を隠す力がなんとしても欲しいのです」
二人の顔は故郷で割れている。そのために強力な隠れ身の力が欲しいそうだ。
両親の死について調べている時に、最終的に殺し屋みたいのを差し向けられた慌てて逃げ出したらしい。
俺に協力を依頼したのも、その時の経験からのもので、戦力として期待していると正直に話してくれた。
「そうだ。カーン様のバギー? でしたか。そちらはどうするですの?」
「ん、ああ。便利な機能がある。よし、キーになるんだ」
俺がそう言うと、バギーが光に包まれた。
「な、なんですの!」
「カーン殿。バギーが!」
光が消えると、バギーがあった場所に鍵と荷物と斧が残っていた。
「どうだ、便利なもんだろう?」
自慢気に言うと、二人は感心した様子だった。
「流石は神具ですね」
「神様からの心遣いが行き届いておりますわ」
鍵を懐に入れ、荷物と斧を背負う。しばらくバギーとはお別れだ。ちょっと寂しい。バギーを走らせながら「ヒャッハー!」と叫ぶととてもスッキリするんだ。
「では、行きましょう。こちらですわ」
準備を終えた俺達は、シーニャの先導で森に入った。
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