B29を撃墜する方法。

ゆみすけ

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敵の爆撃だ。 

とうとう、2回目の爆撃だ。

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 それは、突然やってきた。 富士山電波探信儀の丸い電波受信画面に明るい点が、2個いや4個、いや8個だ。 「敵爆撃機、8機と思われる、帝都まで、30分だ。」 
電話で、帝都防空隊へ急報だ。 
「敵爆撃機は8機だ、あと30分でくるぞ。」 「サイレンだ、避難警報だ。」 
「ラジオ局に連絡だ。」 次々と、マニュアルどうりに指令が飛ぶ。 
さすが、日ごろの訓練のかいがあるのだ。 
そして、過給機装置付きのハヤブサ戦闘機の初陣だ。 その数は10機だ。 
まだ、量産ができないから10機分の過給機しかないが・・・ 
いずれは、耐熱素材が完成すれば、高度1万メートルも怖くないのだ。 
それに、酸素マスクや耐圧飛行服も開発しているらしいのだ。 
高度が高くなると、酸素が薄くなる。 酸素が薄くなると頭に酸素が廻らない。 
それで、頭がボーとしてしまう。 それを防ぐために酸素マスクをつけるのだが、現在のマスクは調子がイマイチなのだ。
 そして、血が足へ廻ってしまい、貧血となりやすいから、体に圧力をかけて、血が頭に廻るようにする耐圧服を考案したいるらしい。 まだ、研究段階だが・・・ 早期の配備が待たれるのだ。
 
 帝都防衛飛行隊の宿舎から、飛行服のベルトを止めながら飛行士らが飛び出してくる。 
「廻せ、廻せ。」と盛んに腕を振る。
 整備士らが、あわててクランクを二人で廻す。 (一人では重くて廻せない。) 
そして、操縦席でスイッチを切り替える。 
「プスン、プスン、プスプス、ババババババ。」 とエンジンが廻りだした。 
「キーン。」とタービンが廻る音も聞こえる。 ちゃんと、機械式ターボが動いているようだ。
 試験的には、高度1万でも動けたが、敵の爆撃機に対抗できるか? 
「この前の、苦恥辱を忘れまじだ。」 飛行士の佐伯3等空曹は操縦幹を握る。 
「4番機、離陸する。」 「管制塔了解。」 
タキシングして、滑走路に乗る。 さあ、ターボの具合はどうか・・・ スロット全開だ。 
エンジンカウルが開く。 エンジン音が「キーーーーーン。」 と高鳴る。 
ターボ独特の音だ。 「いけるぞ。」 そう感じる佐伯だ。 
帝都防衛隊の名を知らしめるのだ。 
ターボ改良ハヤブサは、高音をたなびかせて空へ舞い上がった。 
「高度、2000、3000、4000、まだまだ行くぞ。」 
いままでの、エンジンとは別物だ。 高度計の針が止まらない。 
3000上がるのも、それなりに時間が・・・ それが、数分だ。
 雲泥の差だ。 「5000、6000。」 「おっと、酸素マスクを点検だ。 電熱服の電圧計も確認だ。」
 声に出して、確認する。 
「7000だ、イヤ8000だ。」 「まだ、まだ、行けるぞ。」 
「おお、とうとう10000だ。」 もう、目盛りがないぞ。 
空は黒い青色だ。 雲は、はるか下だ。 
ターボのおかげで、エンジン馬力があり、発電機も快調だ。 
電流も大電流だから、翼の着氷も無いぞ。 電熱服も、温かくて凍えることはなさそうだ。 
「敵の爆撃機は?」 あわてて、周りを見廻す。 
「あれか。」 居たっ!  はるか遠くに黒い点が、数個見える。 
「いくぞ。」 スロットを緊急ブーストまで上げる。 
「キーーーーーーン。」 とペラが吠える。 加速感は無いが、黒い点が大きくなった。
 酸素が供給されているからか、頭はボケない。 
ラダーやエルロンの聞き具合が・・・ まだ、そこまで改良されていないからだ。 
機銃を点検する。 13ミリ機銃を試し撃ちだ。 
「ダ、ダ、ダ、ダ。」 うん、調子いいな。 
これならイケそうだ。 さあ、いくぞ・・・・・ 
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