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1章
15話 絶望へのカウントダウン 後編
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~ヒアラが新潟方面行きの探索者用地下鉄に乗った頃~
「よし、こっちも大体民間人の避難終わったかな!」
みんなと離れてから40分くらい。少し時間かかったけどなんとかここら一帯の民間人は無事にシェルターに案内できたと思う。
「近いのはノノの方かな…ちょっと様子を見に行こうっと!」
商店街の方に行ったヒアラとは別に住宅街を二手に分かれた私とノノは位置的に少し近い。建物の屋根から屋根へと飛びながらノノの姿を探す
民間人の流れを見た感じあっち側もそろそろ終わる頃なはず。合流してヒアラの所に行くのが効率がいいよね
「ノノー!!どこ~?」
閑散とした住宅街にキュアーの声が響く
「キュアー!こっちに来てたのか!」
瞬きをした瞬間にすぐ近くまで走ってきたノノはどうやら案内を終え周りの見回りをしていたようだ
「どうする?これからヒアラの方向かって合流してから私達も避難する?」
「そうだな、やらないといけないことは多分これくらいだろうし、俺らのレベルじゃこれ以上の依頼も厳しいだろう」
ノノはおもむろに端末を開き依頼の状況を確認する
「え?これやばいじゃん!見てキュアー!次元龍ってやつもう出てきてるよ!」
「嘘!?…もう半分以上出てるじゃん!早くヒアラと合流しよう!ヒアラの位置は…って、えええええええええ!?!?」
サーチャーシンボルに表示されたヒアラの位置を見て思わず目を疑った。次元龍が居る新潟方面に向かっているのだ
「ちょっと!?ヒアラさん!?私達に無断でなんてことしてるんだー!!ノノ!急ごう!私達も後を追わなきゃ!」
「よし!キュアー!着いてこいよ!」
「分かった!」
2人は1人新潟に向かうヒアラを追い新潟方面に向かい走り出した
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2人が走り出してからさらに20分後…
もうすぐ降りる駅だ。もう新潟に入っている。地下鉄なので外の状況が分からないけど緊迫感のようなものが感じられる
「…1人で来ちゃった。キュアーにはテレパシーも出来るけど…巻き込む訳には行かないよね」
到着した駅を降りてもまるで人がいない。
そもそも電車もAI運転なのでアナウンスも機械音で少し寂しい
「でも降りる客は何人かいるっぽいな。みんな探索者かな?」
かなり強そう。多分討伐依頼を受けた人達なのだろう、私のように単独の人は居ない
「君、探索者?1人で来るなんて無謀すぎるよ!パーティは組んでないのかい?」
地上への階段を登っていると後ろから探索者のお兄さんに声をかけられてしまった。
3人パーティのようで後ろに仲間の人達がいた
「あ、えっと…パーティは組んでるんですけど訳あって今1人で…」
「訳ありなのはわかったけど、これはそんな状態で来ていい場所じゃない。見たんだろう?次元龍のこと。ここは戦場の最前線になる。死人だってどれだけ出るか分からないんだ。連携やサポートがない状態じゃただ自殺しに来ただけみたいなもんだよ」
「それは…」
私の様子を見て少し困った様子のお兄さんは少し考えたあと、何かを思いついたようにこちらに迫ってきた
「よし、どーゆー理由か分からないけど、君はここで戦う必要があるんだよね?だったらこの場だけでもうちのパーティーに入らないか?わざわざ登録する必要は無い。ただ同じ作戦で動いて連携に加わるだけでいい」
「え?いいんですか!?」
「見た感じ、装備は遊撃そうだからうちのパーティーとバランスも悪くないと思うんだ。なぁ、2人もいいだろう?」
「はい!私は悪い人じゃなければ誰でも歓迎です!」
「うん。俺も大丈夫だよ。リーダーの判断に任せる」
後ろのヒーラー?魔術使い?っぽい女の子と剣を持ったアタッカーっぽい人は20代前半かな?2人ともすごくいい人そうだ。このパーティーなら今だけ頼ってもいいかな…
「じゃあ…ご迷惑をおかけしてしまいますが、よろしくお願いします。ヒアラと申します!今は双剣使ってます!」
「あぁ、よろしく!俺は前衛タンクをしてるソウヤだ。」
「私はウィザードのサヤです!女の子1人だったので心強いです!」
「僕は剣士のカイだよ。よろしくね」
「皆さん…その武器職?とかの名前ってどこで確認してるんですか?」
「え?タンクとかウィザードとかってこと?」
「はい」
「あはは!正式な職とかじゃないよ!ゲームとか漫画の知識で自分で勝手につけてるだけさ!RPGとかやったことある?」
「ゲームはあんまりやらないですね、いつも一緒にいるパーティの子の方が詳しくて…」
「そっかそっか!じゃあここで生きて帰ってその戦果で称号とか職に名前をつけないとな!」
「ソウヤ、早くしないと次元龍迎撃作戦の配置に間に合わないぞ!」
一同は陣形を前からソウヤ、ヒアラ、カイ、サヤの順番で組み、討伐作戦の集合場所に向かった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おーい!急げー!今結界術士がなんとか止めてるが、もう持たん!依頼を受けたパーティはまだ後ろにいたか!?」
既に集まっていた探索者の中の一人が場を仕切っており、ソウヤ達のパーティーはギリギリ間に合った。手に持っていたタブレットに今回参加のパーティとその配置、陣形が載っている
「すみません!後ろはもういませんでした!次元龍は?」
「最初の1匹、おそらく1番でかいであろう個体が完全に穴から出た状態だ。周りから出てこないから今は結界術士20人が食い止めてるが、持ってあと3分、援軍なんか来たらイチコロって感じだ」
「かなりきついな…了解です。…サヤ!カイ!ヒアラさん!俺たちは探索者パーティの総陣形の中でも後方だった!」
タブレットで自分達の配置を確認したソウヤはすぐにみんなを引っ張って行動してくれた。これが頼れるリーダーなんだろう。この人達はまだ20代前半だと思うけど、どのくらい強いのだろうか、少し気になった
配置に着いた4人は移動の際の陣形を崩さないまま戦闘態勢に入る
「なんだか、ゲームのレイドボスみたいだよな、カイ」
「あぁ、死なないように必ず生きて帰ろう」
「ヒアラさんも私が支援しますからね!安心してください!」
「皆さん…こんな私を仲間に入れてくれてありがとうございます!私も死なないように全力で頑張ります!」
戦闘態勢に入り準備を整えた頃、最前線から戦闘開始の狼煙と共に号令がかかる
「結界が解けるぞー!戦闘開始ぃー!!」
「うおおおおおおおおおおおお!!」
人類と次元龍の戦いが始まる ー。
「よし、こっちも大体民間人の避難終わったかな!」
みんなと離れてから40分くらい。少し時間かかったけどなんとかここら一帯の民間人は無事にシェルターに案内できたと思う。
「近いのはノノの方かな…ちょっと様子を見に行こうっと!」
商店街の方に行ったヒアラとは別に住宅街を二手に分かれた私とノノは位置的に少し近い。建物の屋根から屋根へと飛びながらノノの姿を探す
民間人の流れを見た感じあっち側もそろそろ終わる頃なはず。合流してヒアラの所に行くのが効率がいいよね
「ノノー!!どこ~?」
閑散とした住宅街にキュアーの声が響く
「キュアー!こっちに来てたのか!」
瞬きをした瞬間にすぐ近くまで走ってきたノノはどうやら案内を終え周りの見回りをしていたようだ
「どうする?これからヒアラの方向かって合流してから私達も避難する?」
「そうだな、やらないといけないことは多分これくらいだろうし、俺らのレベルじゃこれ以上の依頼も厳しいだろう」
ノノはおもむろに端末を開き依頼の状況を確認する
「え?これやばいじゃん!見てキュアー!次元龍ってやつもう出てきてるよ!」
「嘘!?…もう半分以上出てるじゃん!早くヒアラと合流しよう!ヒアラの位置は…って、えええええええええ!?!?」
サーチャーシンボルに表示されたヒアラの位置を見て思わず目を疑った。次元龍が居る新潟方面に向かっているのだ
「ちょっと!?ヒアラさん!?私達に無断でなんてことしてるんだー!!ノノ!急ごう!私達も後を追わなきゃ!」
「よし!キュアー!着いてこいよ!」
「分かった!」
2人は1人新潟に向かうヒアラを追い新潟方面に向かい走り出した
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2人が走り出してからさらに20分後…
もうすぐ降りる駅だ。もう新潟に入っている。地下鉄なので外の状況が分からないけど緊迫感のようなものが感じられる
「…1人で来ちゃった。キュアーにはテレパシーも出来るけど…巻き込む訳には行かないよね」
到着した駅を降りてもまるで人がいない。
そもそも電車もAI運転なのでアナウンスも機械音で少し寂しい
「でも降りる客は何人かいるっぽいな。みんな探索者かな?」
かなり強そう。多分討伐依頼を受けた人達なのだろう、私のように単独の人は居ない
「君、探索者?1人で来るなんて無謀すぎるよ!パーティは組んでないのかい?」
地上への階段を登っていると後ろから探索者のお兄さんに声をかけられてしまった。
3人パーティのようで後ろに仲間の人達がいた
「あ、えっと…パーティは組んでるんですけど訳あって今1人で…」
「訳ありなのはわかったけど、これはそんな状態で来ていい場所じゃない。見たんだろう?次元龍のこと。ここは戦場の最前線になる。死人だってどれだけ出るか分からないんだ。連携やサポートがない状態じゃただ自殺しに来ただけみたいなもんだよ」
「それは…」
私の様子を見て少し困った様子のお兄さんは少し考えたあと、何かを思いついたようにこちらに迫ってきた
「よし、どーゆー理由か分からないけど、君はここで戦う必要があるんだよね?だったらこの場だけでもうちのパーティーに入らないか?わざわざ登録する必要は無い。ただ同じ作戦で動いて連携に加わるだけでいい」
「え?いいんですか!?」
「見た感じ、装備は遊撃そうだからうちのパーティーとバランスも悪くないと思うんだ。なぁ、2人もいいだろう?」
「はい!私は悪い人じゃなければ誰でも歓迎です!」
「うん。俺も大丈夫だよ。リーダーの判断に任せる」
後ろのヒーラー?魔術使い?っぽい女の子と剣を持ったアタッカーっぽい人は20代前半かな?2人ともすごくいい人そうだ。このパーティーなら今だけ頼ってもいいかな…
「じゃあ…ご迷惑をおかけしてしまいますが、よろしくお願いします。ヒアラと申します!今は双剣使ってます!」
「あぁ、よろしく!俺は前衛タンクをしてるソウヤだ。」
「私はウィザードのサヤです!女の子1人だったので心強いです!」
「僕は剣士のカイだよ。よろしくね」
「皆さん…その武器職?とかの名前ってどこで確認してるんですか?」
「え?タンクとかウィザードとかってこと?」
「はい」
「あはは!正式な職とかじゃないよ!ゲームとか漫画の知識で自分で勝手につけてるだけさ!RPGとかやったことある?」
「ゲームはあんまりやらないですね、いつも一緒にいるパーティの子の方が詳しくて…」
「そっかそっか!じゃあここで生きて帰ってその戦果で称号とか職に名前をつけないとな!」
「ソウヤ、早くしないと次元龍迎撃作戦の配置に間に合わないぞ!」
一同は陣形を前からソウヤ、ヒアラ、カイ、サヤの順番で組み、討伐作戦の集合場所に向かった
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「おーい!急げー!今結界術士がなんとか止めてるが、もう持たん!依頼を受けたパーティはまだ後ろにいたか!?」
既に集まっていた探索者の中の一人が場を仕切っており、ソウヤ達のパーティーはギリギリ間に合った。手に持っていたタブレットに今回参加のパーティとその配置、陣形が載っている
「すみません!後ろはもういませんでした!次元龍は?」
「最初の1匹、おそらく1番でかいであろう個体が完全に穴から出た状態だ。周りから出てこないから今は結界術士20人が食い止めてるが、持ってあと3分、援軍なんか来たらイチコロって感じだ」
「かなりきついな…了解です。…サヤ!カイ!ヒアラさん!俺たちは探索者パーティの総陣形の中でも後方だった!」
タブレットで自分達の配置を確認したソウヤはすぐにみんなを引っ張って行動してくれた。これが頼れるリーダーなんだろう。この人達はまだ20代前半だと思うけど、どのくらい強いのだろうか、少し気になった
配置に着いた4人は移動の際の陣形を崩さないまま戦闘態勢に入る
「なんだか、ゲームのレイドボスみたいだよな、カイ」
「あぁ、死なないように必ず生きて帰ろう」
「ヒアラさんも私が支援しますからね!安心してください!」
「皆さん…こんな私を仲間に入れてくれてありがとうございます!私も死なないように全力で頑張ります!」
戦闘態勢に入り準備を整えた頃、最前線から戦闘開始の狼煙と共に号令がかかる
「結界が解けるぞー!戦闘開始ぃー!!」
「うおおおおおおおおおおおお!!」
人類と次元龍の戦いが始まる ー。
応援ありがとうございます!
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