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最後に言わせてほしい
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空には星と月。
澄み切った秋の空気は清々しくて…
私は、この美しい夜の告白に心が揺れた。
七海先生の言葉を正直まだ全部飲み込めないでいたし、やっぱり信じられない。
でも…
すごく…
感動したんだ。
ねえ、七海先生。
ずっと私を想ってくれてたなんて…本当?
お見合い相手がいるのに私なんかを?
先生に痛いほど真っ直ぐに見つめられても、私、その気持ちにどう答えたらいいのかわからない。
そんなの…わからないよ。
『僕はもうすぐこの病院を去る。それまでに返事をもらえないかな?』
『えっ…でも先生には大切なお見合い相手の人が…』
『彼女にはもう一度きちんと話すつもりだよ。初めから「好きな人がいる」って言えば良かったんだ。両親の手前、バッサリ切れなかった自分がいた。でも、僕には大切に想ってる人がいるって、今度はちゃんと話すよ。だから藍花ちゃんは何も考えないで、自分の僕への気持ちだけを考えて返事して欲しい。どんな答えがきても必ず覚悟を決めるから』
今の私にそんな重大なことを決められる自信は無い。
先生がいなくなるまであと1週間…
そんな短い間に結論を出せるの?
七海先生は私に微笑んでから、背を向けてみんなのところに歩いていった。
それを見届ける自分に問いかける。
私は…
この人が好きなの?
この人と結婚して死ぬまで一緒にいたいと思えるの?
自分の将来のことだけど、でも…
七海先生の一生の問題でもあるんだよ。
ちゃんと考えないと、ちゃんと。
本当にどうしよう、どうしたらいい?
ダメだ、とにかく冷静にならないと。
今のままじゃ答えなんて出せるわけない。
七海先生からの申し出はとても嬉しいし、有難いことだと思う。
だけど、どうやって返事したらいいのかなんて、やっぱり今の私には全くわからなかった。
とにかく、私も…1歩前に足を踏み出し、複雑な気持ちを引きづったまま歩き出した。
澄み切った秋の空気は清々しくて…
私は、この美しい夜の告白に心が揺れた。
七海先生の言葉を正直まだ全部飲み込めないでいたし、やっぱり信じられない。
でも…
すごく…
感動したんだ。
ねえ、七海先生。
ずっと私を想ってくれてたなんて…本当?
お見合い相手がいるのに私なんかを?
先生に痛いほど真っ直ぐに見つめられても、私、その気持ちにどう答えたらいいのかわからない。
そんなの…わからないよ。
『僕はもうすぐこの病院を去る。それまでに返事をもらえないかな?』
『えっ…でも先生には大切なお見合い相手の人が…』
『彼女にはもう一度きちんと話すつもりだよ。初めから「好きな人がいる」って言えば良かったんだ。両親の手前、バッサリ切れなかった自分がいた。でも、僕には大切に想ってる人がいるって、今度はちゃんと話すよ。だから藍花ちゃんは何も考えないで、自分の僕への気持ちだけを考えて返事して欲しい。どんな答えがきても必ず覚悟を決めるから』
今の私にそんな重大なことを決められる自信は無い。
先生がいなくなるまであと1週間…
そんな短い間に結論を出せるの?
七海先生は私に微笑んでから、背を向けてみんなのところに歩いていった。
それを見届ける自分に問いかける。
私は…
この人が好きなの?
この人と結婚して死ぬまで一緒にいたいと思えるの?
自分の将来のことだけど、でも…
七海先生の一生の問題でもあるんだよ。
ちゃんと考えないと、ちゃんと。
本当にどうしよう、どうしたらいい?
ダメだ、とにかく冷静にならないと。
今のままじゃ答えなんて出せるわけない。
七海先生からの申し出はとても嬉しいし、有難いことだと思う。
だけど、どうやって返事したらいいのかなんて、やっぱり今の私には全くわからなかった。
とにかく、私も…1歩前に足を踏み出し、複雑な気持ちを引きづったまま歩き出した。
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