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本当のさよなら
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『うん』
何かを覚悟したような返事。
少し顔が強ばった気がした。
私の中に緊張が走る。
『七海先生に、この前のお返事をさせて頂きたくて…』
『…だよね。でも不思議だね、藍花ちゃんの返事を待っていたはずなのに…今はあまり聞きたくないのはなぜかな』
『先生…』
『うん、でも聞かせてくれるかな?』
『…あの、私…七海先生から告白してもらった時は本当に自分の気持ちがわからなくて迷ってました。でも、それから、すぐに自分の気持ちがわかった…というか、素直になれたというか』
全く何を言ってるのか、支離滅裂だ。
それでも伝えなきゃ。
『…そうなんだね』
『はい…私…』
急いで呼吸を整える。
『大丈夫、ゆっくりでいいから。落ち着いて』
『すみません。私…他に好きな人がいます』
それだけ言って目をギュッと閉じた。
七海先生の顔、見れないよ。
その時、私の頭に大きな手のひらが触れた。
ハッと目を開ける。
すぐ近くに先生の顔。
すごく穏やかで…
こんな素敵な笑顔を見たら、やっぱりキュンとしちゃうよ。
『…それは白川先生だね』
えっ…
どうして?
七海先生に白川先生の名前を先に出されて、言葉が出てこなくなった。
『今、藍花ちゃんの顔見て確信したよ。本当に…白川先生が好きなんだって』
私は…驚いたまま何も言わずにうなづいた。
『彼はやっぱりモテるね。うらやましいよ。2人はもう…付き合ってるのかな?』
『…はい』
その瞬間、先生は眼鏡の奥の瞳を閉じた。
『…わかった。なら僕が藍花ちゃんにフラれたってことだね』
『…』
どういう風に答えればいいのか…
『覚悟してたよ。ちゃんと覚悟は決めてたんだ。でもやっぱり…つらいんだね、大好きな人にフラれるって。初めてだよ、こんなに胸が苦しいのは。君には別に好きな人がいて、僕はそれを受け入れないとダメなんだね』
何かを覚悟したような返事。
少し顔が強ばった気がした。
私の中に緊張が走る。
『七海先生に、この前のお返事をさせて頂きたくて…』
『…だよね。でも不思議だね、藍花ちゃんの返事を待っていたはずなのに…今はあまり聞きたくないのはなぜかな』
『先生…』
『うん、でも聞かせてくれるかな?』
『…あの、私…七海先生から告白してもらった時は本当に自分の気持ちがわからなくて迷ってました。でも、それから、すぐに自分の気持ちがわかった…というか、素直になれたというか』
全く何を言ってるのか、支離滅裂だ。
それでも伝えなきゃ。
『…そうなんだね』
『はい…私…』
急いで呼吸を整える。
『大丈夫、ゆっくりでいいから。落ち着いて』
『すみません。私…他に好きな人がいます』
それだけ言って目をギュッと閉じた。
七海先生の顔、見れないよ。
その時、私の頭に大きな手のひらが触れた。
ハッと目を開ける。
すぐ近くに先生の顔。
すごく穏やかで…
こんな素敵な笑顔を見たら、やっぱりキュンとしちゃうよ。
『…それは白川先生だね』
えっ…
どうして?
七海先生に白川先生の名前を先に出されて、言葉が出てこなくなった。
『今、藍花ちゃんの顔見て確信したよ。本当に…白川先生が好きなんだって』
私は…驚いたまま何も言わずにうなづいた。
『彼はやっぱりモテるね。うらやましいよ。2人はもう…付き合ってるのかな?』
『…はい』
その瞬間、先生は眼鏡の奥の瞳を閉じた。
『…わかった。なら僕が藍花ちゃんにフラれたってことだね』
『…』
どういう風に答えればいいのか…
『覚悟してたよ。ちゃんと覚悟は決めてたんだ。でもやっぱり…つらいんだね、大好きな人にフラれるって。初めてだよ、こんなに胸が苦しいのは。君には別に好きな人がいて、僕はそれを受け入れないとダメなんだね』
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