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夏の雨と共に現れたあなた
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『なぜ麗華ちゃんが見合いを受けたのかはわからない。いっそ断って欲しかった。俺は…麗華ちゃんを愛することは出来ないから。それに、父と一堂社長の深い思いを知っていたから、無下には出来なかった。俺のことを誰よりも理解してくれている恩のある人達だからね』
『九条さん…』
あの時、九条さんがそんな思いでいたなんて全然知らなかった。
ものすごく苦しんだんだ…
『あの日のことは今もずっと忘れられない。君に偶然出会って、体を重ねた日のことを。もう、どうしようもなく君を求めてしまった。たまらなく愛おしくて、何も考えられず、おかしくなるくらいに君を…』
『…あの時、私もあなたを求めました。九条さんに抱かれて…幸せでした』
忘れられないよ、あの日のこと。
今でもこの肌に九条さんの感触が残ってる。
目を閉じれば、激しく、そして優しく、私を愛してくれたことの全てが鮮やかに蘇る。
死ぬまで…私はあの永遠のように感じた2人の時間を忘れることはないだろう。
『父にも君のことをもっと早く話せば良かったし、彩葉にもキチンと経緯を話しておけば良かったんだ。そうすれば、こんなにも君を苦しめずに済んだ。君が妊娠してどんなに悩んだかと思うと…自分のしたことが許せない。全て曖昧にした俺の責任だ』
『そんなこと…そんなこと決してありません。お願いですからご自分を責めないで下さい。断っていたとはいえ、麗華とのお見合いがはっきり解消になっていない時に、私にどう話せばいいか悩んでくれたんだってわかります。麗華や父の気持ちも大事にしてくれたんだって。それに…私が妊娠するなんて…そんなこと、わかるはずないですから』
九条さんは首を横に振った。
『俺は…情けない。今さら何を言っても言い訳にしかならないとわかってる。だけど、あの時、ちゃんと全てを話して君を海外に連れて行くべきだった』
お願い…そんな悲しい顔、しないで…
『向こうにいって、仕事を理由にようやく父にも一堂社長にも見合いの話を破談にしてもらえた。でも、その時、何も知らない君は1人で…悔やんでも悔やみきれない』
『九条さん…』
あの時、九条さんがそんな思いでいたなんて全然知らなかった。
ものすごく苦しんだんだ…
『あの日のことは今もずっと忘れられない。君に偶然出会って、体を重ねた日のことを。もう、どうしようもなく君を求めてしまった。たまらなく愛おしくて、何も考えられず、おかしくなるくらいに君を…』
『…あの時、私もあなたを求めました。九条さんに抱かれて…幸せでした』
忘れられないよ、あの日のこと。
今でもこの肌に九条さんの感触が残ってる。
目を閉じれば、激しく、そして優しく、私を愛してくれたことの全てが鮮やかに蘇る。
死ぬまで…私はあの永遠のように感じた2人の時間を忘れることはないだろう。
『父にも君のことをもっと早く話せば良かったし、彩葉にもキチンと経緯を話しておけば良かったんだ。そうすれば、こんなにも君を苦しめずに済んだ。君が妊娠してどんなに悩んだかと思うと…自分のしたことが許せない。全て曖昧にした俺の責任だ』
『そんなこと…そんなこと決してありません。お願いですからご自分を責めないで下さい。断っていたとはいえ、麗華とのお見合いがはっきり解消になっていない時に、私にどう話せばいいか悩んでくれたんだってわかります。麗華や父の気持ちも大事にしてくれたんだって。それに…私が妊娠するなんて…そんなこと、わかるはずないですから』
九条さんは首を横に振った。
『俺は…情けない。今さら何を言っても言い訳にしかならないとわかってる。だけど、あの時、ちゃんと全てを話して君を海外に連れて行くべきだった』
お願い…そんな悲しい顔、しないで…
『向こうにいって、仕事を理由にようやく父にも一堂社長にも見合いの話を破談にしてもらえた。でも、その時、何も知らない君は1人で…悔やんでも悔やみきれない』
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