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花火が咲いた夜、君と見た景色~慶都side~
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地上から高く上へと勢いよく飛び出し、その豪華な姿を魅せる花火達。
鮮やかな色で、大きく、くっきりと描かれていく。
俺達は、2人、笑顔でそのキラキラした夜空を眺めた。
川の向こう岸から上がる花火は、水面にも映り込み、観るものを圧倒した。
『すごく綺麗…』
『ああ、綺麗だ…』
十分過ぎる程堪能した最後を飾るのは、メインのスターマイン。
数百発の様々な花火が連続して見事に打ち上がる。
周りの大きな歓声。
自然に湧き上がる感動。
そのあまりにも壮大で美しい世界観に触れ、どうしようもなく温かくて幸せな気持ちに包まれた。
涙を堪える自分を見せるのは、正直、はばかられる。
今まで、人前で泣くことなど1度もなかったから。
でも、彩葉になら…
俺は全てを見せてもいいと思った。
どうしてそんなに可愛いのか、どうしてそんなに優しいのか、どうしてそんなに…
魅力的なのか。
俺は、彩葉に心の中で問いかけた。
ずっと君を見ていたい、その素肌に触れていたい。
君にもう一度出会えて…本当に良かった。
花火が終わっても感動が冷めることはなく、余韻を噛み締めるように、俺達は手を繋いだまま同じ道を帰った。
ゆっくりと歩きながら、俺は勇気を出して言った。
『一緒に住もう。今の保育園から近い場所に新しいマンションが建ったんだ。そこに3人で住みたいと思ってる。すぐにでも、いいだろ?』
彩葉は急な申し出に戸惑っているようだった。
引っ越し、家賃のこと、これからの生活のこと…
簡単ではないことはわかるつもりだ。
『俺は君の夫になる。雪都の父親になるんだ。君が保育士を続けたいならもちろん応援する。でも、生活の一切、経済的なことは何も心配して欲しくない』
彩葉はなかなか「うん」とは言わなかったが、最後は納得してくれた。
何度も謝る彩葉に、俺は続けた。
『俺は「この人さえいてくれれば安心だ」って思われたい。経済的なことだけじゃなく、いろんな面で頼れる男になる。だから、精一杯甘えて欲しい』
鮮やかな色で、大きく、くっきりと描かれていく。
俺達は、2人、笑顔でそのキラキラした夜空を眺めた。
川の向こう岸から上がる花火は、水面にも映り込み、観るものを圧倒した。
『すごく綺麗…』
『ああ、綺麗だ…』
十分過ぎる程堪能した最後を飾るのは、メインのスターマイン。
数百発の様々な花火が連続して見事に打ち上がる。
周りの大きな歓声。
自然に湧き上がる感動。
そのあまりにも壮大で美しい世界観に触れ、どうしようもなく温かくて幸せな気持ちに包まれた。
涙を堪える自分を見せるのは、正直、はばかられる。
今まで、人前で泣くことなど1度もなかったから。
でも、彩葉になら…
俺は全てを見せてもいいと思った。
どうしてそんなに可愛いのか、どうしてそんなに優しいのか、どうしてそんなに…
魅力的なのか。
俺は、彩葉に心の中で問いかけた。
ずっと君を見ていたい、その素肌に触れていたい。
君にもう一度出会えて…本当に良かった。
花火が終わっても感動が冷めることはなく、余韻を噛み締めるように、俺達は手を繋いだまま同じ道を帰った。
ゆっくりと歩きながら、俺は勇気を出して言った。
『一緒に住もう。今の保育園から近い場所に新しいマンションが建ったんだ。そこに3人で住みたいと思ってる。すぐにでも、いいだろ?』
彩葉は急な申し出に戸惑っているようだった。
引っ越し、家賃のこと、これからの生活のこと…
簡単ではないことはわかるつもりだ。
『俺は君の夫になる。雪都の父親になるんだ。君が保育士を続けたいならもちろん応援する。でも、生活の一切、経済的なことは何も心配して欲しくない』
彩葉はなかなか「うん」とは言わなかったが、最後は納得してくれた。
何度も謝る彩葉に、俺は続けた。
『俺は「この人さえいてくれれば安心だ」って思われたい。経済的なことだけじゃなく、いろんな面で頼れる男になる。だから、精一杯甘えて欲しい』
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