92 / 116
当たり前の家族の幸せ
4
しおりを挟む
『麗華…あのね、私も…慶都さんが好きだったの。ごめん、黙ってて。でも、言えなかった。雪都を授かって身を引こうとしたけど、再会して、自分の気持ちに気づいて…』
『何よ、それ。自分だけ幸せになるなんてズルいわ。さっさと別れなさいよ!慶都さんは私の婚約者だったんだから』
その勢いに思わず後ずさる。
『…でも、麗華にはたくさんボーイフレンドがいて、それはきっと慶都さんも知ってたはずだよ』
『何?私が悪いっていうの?みんな友達よ。結婚したいと思える人なんていなかった。慶都さんみたいなハイスペックな人、他にいる訳ないじゃない。それに、結婚するから友達と会っちゃいけないなんて決まりないでしょ?慶都さんなら、全て受け入れてくれると思ってた。なのに、彩葉さんに乗り換えて。どうせあなたが誘惑したんでしょ、私への腹いせに』
麗華の辛辣な言葉が私の胸をえぐる。
『腹いせなんて。私はね、麗華のことを大切な妹だと思ってる。だからずっと苦しかった。あなたの気持ち…痛いほどわかるから。もし逆の立場だったらっていつも考えてたよ。私以上に…麗華はものすごく苦しかったんだよね』
母になってわかったことがある。
自分がいなくなったら雪都はどんなにつらいだろうか、その悲しみを背負うことがどんなに苦しいことだろうか。
だから、いつも笑って、元気に生きていたいって。
なのに麗華にはお母さんがいなくて…
それを思うと心が苦しくなる。
でも…
でも、私のお母さんだって、本当は麗華の前でずっと笑っていたかったはず。
どうすることも出来なくて、だんだん笑えなくなったお母さんのつらさも…
子どもを持った今だからこそ、よくわかる。
『やめてよ!あなたに何がわかるの?わかるはずない。私達は…住む世界が違うんだから』
『私はずっと麗華と何でも話せる友達みたいな関係になりたかった。今でも同じ気持ちだよ』
『何よ、それ。自分だけ幸せになるなんてズルいわ。さっさと別れなさいよ!慶都さんは私の婚約者だったんだから』
その勢いに思わず後ずさる。
『…でも、麗華にはたくさんボーイフレンドがいて、それはきっと慶都さんも知ってたはずだよ』
『何?私が悪いっていうの?みんな友達よ。結婚したいと思える人なんていなかった。慶都さんみたいなハイスペックな人、他にいる訳ないじゃない。それに、結婚するから友達と会っちゃいけないなんて決まりないでしょ?慶都さんなら、全て受け入れてくれると思ってた。なのに、彩葉さんに乗り換えて。どうせあなたが誘惑したんでしょ、私への腹いせに』
麗華の辛辣な言葉が私の胸をえぐる。
『腹いせなんて。私はね、麗華のことを大切な妹だと思ってる。だからずっと苦しかった。あなたの気持ち…痛いほどわかるから。もし逆の立場だったらっていつも考えてたよ。私以上に…麗華はものすごく苦しかったんだよね』
母になってわかったことがある。
自分がいなくなったら雪都はどんなにつらいだろうか、その悲しみを背負うことがどんなに苦しいことだろうか。
だから、いつも笑って、元気に生きていたいって。
なのに麗華にはお母さんがいなくて…
それを思うと心が苦しくなる。
でも…
でも、私のお母さんだって、本当は麗華の前でずっと笑っていたかったはず。
どうすることも出来なくて、だんだん笑えなくなったお母さんのつらさも…
子どもを持った今だからこそ、よくわかる。
『やめてよ!あなたに何がわかるの?わかるはずない。私達は…住む世界が違うんだから』
『私はずっと麗華と何でも話せる友達みたいな関係になりたかった。今でも同じ気持ちだよ』
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
194
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる