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当たり前の家族の幸せ

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『今日は麗華とゆっくり話してやってくれ。母親を亡くしてから変わってしまったが…あの子は本当は優しい子なんだ。私は仕事が忙しくてあまり構ってやれなかった。その分、麗華は母親にずいぶん甘えていてね。それなのに…大切な母親を亡くしてしまった』


『心の支えだったお母さんを亡くして、悲しみのどん底にいる時に、私達がやってきて…認められなかった気持ちはわかる』


『受け入れて仲良くしたい気持ちはあったと思う、でも、どうしたらいいのかわからなかったんだろう』


『うん…そうだね』


その時、麗華が帰ってきた。


私と雪都の靴を見たせいか、機嫌悪くリビングに入ってきた。


『おかえりなさい、麗華』


『おかえり。今日は彩葉と雪都が来てくれたから夜はみんなで食事しよう』


『結構よ、食事はいらない。彩葉さん、何しに来たの?』


麗華は、私を睨みつけるように言った。


『麗華、少し落ち着きなさい。いつまでも姉妹でいがみ合っていても仕方ないだろう?ちゃんと話し合いなさい。彩葉、私は雪都と向こうの部屋にいるから。2人でゆっくり話しなさい』


『あっ、うん。ありがとう』


お父さんと雪都はリビングを出た。


『何?疲れてるんだけど』


麗華はソファに座り、こちらを見ずにスマホを触り始めた。


『麗華、私ね…』


『知ってるわ。お父様から聞いてるから。慶都さんと結婚するんでしょ?雪都は慶都さんとの子どもだったのね』


まだスマホから目を離さない。


『ごめんなさい。本当に…ごめんなさい』


どうやって謝ればいいかわからない。


心が痛くなるよ…


その時、麗華はようやくスマホを置いて私を見た。


『私から慶都さんを奪っておいて、今さら謝るなんて』


そう言ってすぐに立ち上がり、私の目の前まで迫り、さらに続けた。


『慶都さんも慶都さんだわ。私とのお見合いを解消して、彩葉さんとの子どもを作るなんて。私はね、慶都さんが好きだったの。あの人となら結婚してもいいと思ってたのに。なのに、彩葉さんなんかと…』
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