君の視線の向かう先は。

勇黄

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君の視線の向かう先は。

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「まぁくん!まぁくん!」
















苦痛に顔を歪ませるまぁくんは
ひどく苦しそうな表情で……。




















「……んぐほっ…………ぅぅ……うう!」


















口から黒っぽい血をたくさん吐いた。


















「いやぁぁああ!まぁくん!
あああ!まぁくん!」

















看護師が慌ててナースコールを押し
バタバタと人が入ってきて
僕は握っていたまぁくんの手を
無理やり引き離される。




















「いやぁぁぁぁああ!真仁まひとぉぉぉ!
あああ!お願い!まぁくん!
ああああああああぁぁぁ!」




















真湖まこさんがはがいじめにして
抱きしめてくれるも
僕はまぁくんのもとへ行こうとした。




















「いやだ!離して!まぁくん!
まぁくん!いやぁぁぁぁあ!」











 
 






紅李翔くりと様!」


















駆け寄ってきてくれる深見ふかみさんに
真湖まこさんは僕を任せて
容態を聞いてくれている。 



















英語をだいぶ勉強したはずなのに
何も入ってこなくて……
ただ泣き叫ぶことしかできなかった。




















「これから緊急手術になるそう……。
大丈夫。大丈夫だからね……
紅李翔くりとくん……」





















「いやあああああ!真仁まひと真仁まひと!」




















ストレッチャーに移され
連れていかれるまぁくんを
ただただ泣き叫びながら
追いかけようとする。





















紅李翔くりと様!しっかりしてください!
あなたは真仁まひとくんの夫でしょう!?
あなたがちゃんとしないで
どうするんですか!!紅李翔くりと様っ!」





















「ぅぅぅぅ………ふ、かみ、さんっ……
ごめ、なさい……はぁ……はぁ……。」




















「さあ、行きましょう。
真仁まひとくんのもとへ。
最愛の紅李翔くりと様が
そばにいてくれるのが1番の薬です。
だから近くまで行きましょう。」




















「……ぅぅぅぅ…………はい。
ふか、みさ、ん……。
ありが、とうござ……います…………。
ごめ……なさい……。」




















それから手術室の手前まで
深見ふかみさんに連れて行ってもらい
僕は必死に祈った。




















「神様……お願いします……。
まぁくんを助けて……。」

































手術が終わり集中治療室に入った
まぁくんに僕は少しの間だけ
面会することが出来て
その手をギュッ、と握る。

















「まぁくん……。真仁まひと……。
もう大丈夫だからね……。
僕がそばにいるから。
もう、離れないから。」



















そうしてしばらくまぁくんの手を
さすっていると指先が
少し動いた気がした。



















「!!……まぁくん?」



















弱々しく、だが、確実に
僕の手を握り返してくれるまぁくん。



















「まぁくん……紅李翔くりとだよ。。
大丈夫。僕がそばにいる。」




















薄く目を開け僕の顔をみると
まぁくんの目から涙が零れる。





















それと同時にその手は力強く
もう離さない、というように
強く握りしめられた。



























****************************

「……ちゃん…………くーちゃん。
起きて!ほら!遅刻するよ?」


















いつも僕を起してくれる
まぁくんの声がする。



















「ん~。まぁくん……。
ちゅーして~?じゃないと
起きれない……。」



















「もう~しょーがない
甘えただなぁ……。はい、ちゅっ。
……ね、ご飯できてるから。」




















「ん。んふふ……。」
 
























2週間後退院した真仁まひと
僕はロサンゼルスで
一緒に住み始めた。


















まだ療養中のまぁくんは
仕事のある僕の代わりに
家事をすべてしてくれている。











 


 
  

まぁくんのエプロン姿なんて
想像も出来なかったけど
かなりかっこいいことがわかった。








 






 

「まぁくん!美味しくできてる!
このスープ!」

















 
「よかった!紅李翔くりとのレシピで
作ってみたんだよ!
アレンジしたけど。あはは!」



















「うん。カレー粉入れたよね……?」




















「イケてるだろ?」




















「うん、ほのかなカレーの風味が
食欲をそそる!ちょっとこのアイデア
もらうね……。」






















食事そっちのけでメモをとる僕を
笑顔で眺めているまぁくんは
一時10キロ以上落ちた体重を
少し戻してきている。


















まだまだ万全とはいかないけど
お薬と食事療法が効いているみたい。




















だいぶ荒れた食生活と不規則な生活と
僕がいないストレスが
まぁくんの胃に相当な負担を
かけていたようだ。




















あれから順調に回復して
来月には仕事復帰できるとのこと。

















 
 
感が鈍ってないかなぁ……と
本人は心配するしているが
毎日熱心に勉強してるし
大丈夫だと思う。




















まぁくんが仕事復帰したら
また忙しい日々が始まるな……。















こんな甘い日はまたなくなっちゃう……。











   

それでも僕はまぁくんに
バリバリ仕事をして欲しいし
元気でいて欲しい。
















まぁくんが飛行機をこよなく
愛していることは間違いない。


















「おい!紅李翔くりと
ちょ!こんな時間だよ?大丈夫?」




















「あああ!やばい!いってきます!」




















僕はカバンを引っ付かみ
玄関へと駆け出した。



















「くーちゃん忘れ物!」















「え?」



















まぁくんの深い口づけが降りてくる。

















 
「んっ……んんっ……ふぅ……
んっ……は…………。」



















「ふふ……真っ赤!
いってらっしゃい。」




















「はぁ……はぁ……もう……。
行きたくなくなっちゃうじゃん……。」










 
  



「休んじゃう?」















「まさか!今日は大事な会議が
あるんだから!もう!バカ!
………………じゃあ、ね。
早く帰るから。」


















「ごはん作って待ってるよ。」


















「アパートごと燃やさないでね?」


















「そこまで下手じゃないし!
あははは!」
 














「んふふ……。ん、じゃあね。」








































これからもこうしてずっと
隣で笑っていたい。
















今、君の視線の向かう先は………………。

僕、だ。
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