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「で?ストーカーの件はどうすんだ?」


「なになに?すばるんストーカーされてるの?」


「僕は人違いだと思ってるよ!」


「そっかーすばるん悪い男に捕まったのかー」


「いや、だから人違いだよ桜ちゃん。てかなんで悪い男前提なの!?」


「そっかそっか~」


「…話を聞いて桜ちゃん。あとなんでそんなに嬉しそうなの?」


「ふふふ(もしかしてそのストーカーは宇都宮君だったりしないかな~)」


ダメだ、桜ちゃんと会話が不能だ。とりあえず桜ちゃんは放置でいいらしい。将人がほっとけって。
…やっぱり彼女の扱い雑いよね??


「とりあえず引っ越したりとか警察に相談なりした方がいいんじゃないか?刺されたりしたらどうすんだ?」


「さ、刺されたりするの?」


なにその流血事件、怖すぎ。僕まだ死にたくない。なんなら痛い思いして死にたくない。
自分が刺されたことを想像してしまい身震いする。


「例えばの話な。ニュースで殺人事件とかよくなってるし…ストーカー甘く見ないほうがいいと思うぞ」


「た、確かに…」


「どういう事?昴ストーカーされてるの?」


僕の背後から宇都宮君が顔を覗かせる。


「ひゃい!」


急に現れた推しの存在にビックリしすぎて変な声が出た。
それを宇都宮君が笑っている。
うぅ…推しに笑われてるよいい笑顔すぎ!!
同じような事何度もされてるのに未だに驚いちゃう僕はビビりです。


「それで誰が昴にストーカーしてるのかな」


「さぁな?昴が犯人探しをするみたいだが」


「そう、犯人探しなんてそんなこと危ないからしちゃダメだよ昴?」


「はぅ…」


眉毛下がって心配している顔の宇都宮君が見れました。
イケメン…心做しか垂れ耳としっぽが見える。


「って事でこれから毎日送り迎えしてあげるね昴」


「うん、…うん?え、宇都宮君今なんて!?」


「ふふふ、言質はとったからね?ほら次の講義行くよすーばる」


「う、宇都宮君!?あの、普通に歩けるよ僕」


「いいからいから」


強引に宇都宮君に肩を抱かれたまま教室まで連行される。

み、皆が見てるよ…。僕は周りの視線に耐えられなくてパーカーのフードを被り、顔を隠した。


「ふふふ、昴なんでフード被ったの?恥ずかしい?もうすぐ教室つくよ?」


宇都宮君の楽しそうな声が聞こえるが反応できなかった。
とにかく教室に早くつけ早くつけ~と願う。だってだって宇都宮君との距離が近いよ!!今日はウッディ系の香りがするんだもん、心臓がドキドキしちゃうよ。
推しのファンサに過呼吸寸前な僕です。


宇都宮と昴が去り、残された将人と桜は顔を見わせる。


「なぁ…アイツらってやっぱ付き合ってんのか?」


「いや~?まだじゃない?でも近いうちに付き合うんじゃないかな?」


「ま、まじか…」


「楽しみだな~もし付き合うってなったらすばるんに色々教えてあげないとだよね~将人」


「ノーコメントで」


こんな会話を2人がしていたなんて知らない僕は今日も推しに振り回されていた。
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