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騎士課のお二人
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「おう、ベル。急に呼び出して何の用だ?」
ベルティーユ様の返事も待たずにドアが開き、現れたのは背の高い騎士科の制服を着た男子生徒二人でした。一人は金髪を短く切り揃え、碧眼は強い意志を感じさせます。何となく誰かに似ている気がしますが…男性的なイケメンですわね。黙っていれば貴公子に見えそうですが、口も態度も悪そうです。もう一人は黒髪をこちらも短く切り、深い緑色の瞳で、失礼ですが厳ついとの形容詞がぴったりです。金髪の男性よりもワイルド感が増し増しで背も少しだけ高いですわね。
「ちょっと、返事する前に入ってこないでよね!」
「ああ?呼び出したのはそっちだろう?一々細かいこと気にするな」
すかさずベルティーユ様が抗議の声をあげましたが、金髪の男性はそれをあっさりと聞き流しています。あのベルティーユ様に臆せず言い返すなんて…それなりの家の方のようですわね。
「もう!今日はクラスメイトがいるんだから気を使いなさいよ!」
「え?あ、ああ…し、失礼。何だお前、珍しく友達と一緒なのか?」
「珍しいって何よ?私に友達がいないとでも言いたいの?」
「そんなんじゃねぇけど、お前、特定の相手と群れる気はないっていつも言ってるじゃないか」
「そりゃあそうだけど。今はその事はいいでしょう!」
ぽんぽん交わされる会話のテンポが速すぎて面食らってしまいますわ。これはもしかして、相当仲が悪い…のでしょうか?
「うわ、めっちゃ美人じゃん!お前、どこでこんな美少女と知り合ったんだ?」
私に気が付いた男性が、徐に驚きの声をあげました。
「うるさいわね!悪かったわね、美人じゃなくて!」
「誰もそんな事言ってないだろう?妬いてるのか?」
「そんなわけないでしょ!馬鹿っ!」
またまたベルティーユ様が反論して、言い合いになってしまいましたわ。しかも貴族らしいご令息に馬鹿なんて言って大丈夫なのでしょうか…あまりの剣幕に心配になってきましたわ。
「ああもう、レティシア様、ごめんなさいね。こいつはロイク=シュマンで、後ろにいるのがクレマン=ダラス。二人とも騎士課の生徒で一つ上よ。そしてロイクは私の婚約者なの」
「え?この方がベルティーユ様の、婚約者…」
そう言えばベルティーユ様、エルネスト様との婚約直前に婚約の約束をしたと仰っていましたわね。その相手がこの方、ですか。とても砕けた口調で話すところを見るに、気安い間柄…なのでしょうか。
「ロイク、こちらはレティシア様。ラフォン侯爵家のご令嬢よ」
「はぁぁ?ラフォン家だって?ええ?このご令嬢が?」
「そうだと言っているでしょう」
「だ、だが…あの令嬢は縦ロールで…」
「それ、いつの情報よ。あんた、騎士になりたいくせに情報が遅すぎるわ!」
「いや、だって…でも、どうして…」
「殿下との婚約がなくなったからよ。あの縦ロールは王妃様のご命令だったの。これが本来のレティシア様よ」
「……」
ロイク様もクレマン様も固まっていますが…そんなに驚く事でしょうか。いえ、確かに以前の私の姿は酷かったとは思いますが…それにしても、ベルティーユ様はどうしてこのお二人をお呼びしたのでしょうか。
ベルティーユ様の返事も待たずにドアが開き、現れたのは背の高い騎士科の制服を着た男子生徒二人でした。一人は金髪を短く切り揃え、碧眼は強い意志を感じさせます。何となく誰かに似ている気がしますが…男性的なイケメンですわね。黙っていれば貴公子に見えそうですが、口も態度も悪そうです。もう一人は黒髪をこちらも短く切り、深い緑色の瞳で、失礼ですが厳ついとの形容詞がぴったりです。金髪の男性よりもワイルド感が増し増しで背も少しだけ高いですわね。
「ちょっと、返事する前に入ってこないでよね!」
「ああ?呼び出したのはそっちだろう?一々細かいこと気にするな」
すかさずベルティーユ様が抗議の声をあげましたが、金髪の男性はそれをあっさりと聞き流しています。あのベルティーユ様に臆せず言い返すなんて…それなりの家の方のようですわね。
「もう!今日はクラスメイトがいるんだから気を使いなさいよ!」
「え?あ、ああ…し、失礼。何だお前、珍しく友達と一緒なのか?」
「珍しいって何よ?私に友達がいないとでも言いたいの?」
「そんなんじゃねぇけど、お前、特定の相手と群れる気はないっていつも言ってるじゃないか」
「そりゃあそうだけど。今はその事はいいでしょう!」
ぽんぽん交わされる会話のテンポが速すぎて面食らってしまいますわ。これはもしかして、相当仲が悪い…のでしょうか?
「うわ、めっちゃ美人じゃん!お前、どこでこんな美少女と知り合ったんだ?」
私に気が付いた男性が、徐に驚きの声をあげました。
「うるさいわね!悪かったわね、美人じゃなくて!」
「誰もそんな事言ってないだろう?妬いてるのか?」
「そんなわけないでしょ!馬鹿っ!」
またまたベルティーユ様が反論して、言い合いになってしまいましたわ。しかも貴族らしいご令息に馬鹿なんて言って大丈夫なのでしょうか…あまりの剣幕に心配になってきましたわ。
「ああもう、レティシア様、ごめんなさいね。こいつはロイク=シュマンで、後ろにいるのがクレマン=ダラス。二人とも騎士課の生徒で一つ上よ。そしてロイクは私の婚約者なの」
「え?この方がベルティーユ様の、婚約者…」
そう言えばベルティーユ様、エルネスト様との婚約直前に婚約の約束をしたと仰っていましたわね。その相手がこの方、ですか。とても砕けた口調で話すところを見るに、気安い間柄…なのでしょうか。
「ロイク、こちらはレティシア様。ラフォン侯爵家のご令嬢よ」
「はぁぁ?ラフォン家だって?ええ?このご令嬢が?」
「そうだと言っているでしょう」
「だ、だが…あの令嬢は縦ロールで…」
「それ、いつの情報よ。あんた、騎士になりたいくせに情報が遅すぎるわ!」
「いや、だって…でも、どうして…」
「殿下との婚約がなくなったからよ。あの縦ロールは王妃様のご命令だったの。これが本来のレティシア様よ」
「……」
ロイク様もクレマン様も固まっていますが…そんなに驚く事でしょうか。いえ、確かに以前の私の姿は酷かったとは思いますが…それにしても、ベルティーユ様はどうしてこのお二人をお呼びしたのでしょうか。
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