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酔っ払い
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あまりの普段との落差に俺が言葉を失っていると、ベッドの上に座り込んでいた彼女が、上目遣いで俺を上から下までじ~っと見つめていた。さっきからの様子で俺の顔が気に入っている事はわかったが、普段あんなにツンケンした態度を崩さないだけに、態度の落差にも戸惑う。どうしたものか…
(もう遅いし、早く寝てくれ…)
これ以上深入りしない方がいいだろう。俺を嫌っていた筈なのだ、酔ってこんな姿を見られるのは本意ではないだろう。そう思ったのに…
「ね~ふくらんひょ~(ねぇ、副団長)」
「……何だ?」
「ねよ~(寝よう)」
「……は?」
今…なんて言った?言われた意味が直ぐには理解出来なかった。
「うわっ!」
どうしたものかと逡巡していると、突然腕を引かれてベッドの上に倒れこんでしまった。それだけならまだよかったのだが…
「な、何するんだ?」
笑顔のままの彼女が、俺に覆いかぶさってきた。さすがにこれはマズいだろう…部下に手を出す趣味はない。しかも彼女は王太子殿下に護るように頼まれている相手だ。
「にゃにって…いっちょにねりゅの~(何って、一緒に寝るの)」
「わっ」
何かを言った途端、返事をする間も与えられずに彼女が抱きついてきた。胸に柔らかい感触が押し付けられる…マズい…色んな意味で…
「おい、落ち着け!」
「おちちゅいてまひゅよ~(落ち着いてますよ)」
「いや、落ち着いてない。酔った勢いはやめておけ」
「ええ~ふくだんひょ~いやにゃの?(副団長、嫌なの?)」
「え?い、いや…」
「いやにゃんだぁ~やっぴゃりわちゃひのきょと、きりゃいにゃんだ…(嫌なんだ、やっぱり私の事、嫌いなんだ…)」
途端にしゅんと泣きそうな表情になって、焦った。もしかして泣き上戸なのか?それはそれで非常に厄介なのだが…
「き、嫌いなんて、そんな事ないぞ」
「でみょ、だりぇもきゅーきょんしてくりぇなきゃったし…(でも、誰も求婚してくれなかったし)」
「そうか?でもミュッセ嬢は優秀で美人で、妻としては理想的だと思うぞ?」
「しょうにゃの?ふくだんひょ~もしょうおみょう?(そうなの?副団長もそう思う?)
(……どうするんだよ、これ…)
うるうるとした目が殺人的な可愛らしさなんだけど…しかも今は俺の上で上半身を持ち上げているから、豊かな胸が至近距離だ…落ち着け俺、相手は部下だ。
「ああ、そう思うぞ」
「しょう?じゃぁふくあんひょ~とけっきょんしゅる(そう?じゃ副団長と結婚する)」
「は?」
「だめにゃの?(ダメなの?)」
「え…い、いや、俺は結婚は…」
「…や、やっぴゃりわちゃひにゃんて…だりぇもけっきょんしたくにゃいんだ…(やっぱり私なんて、誰も結婚したくないんだ…)」
そう言って泣き出してしまった。参った、酔っ払いが泣くと宥めるのが大変なんだが…
(…ったく、どうしてこうなったんだ?俺が何したっていうんだよ…)
正直言って、彼女にはいい印象はなかった。学園時代から知ってはいたが、いつも睨まれていたからだ。話した事もないし、接点もなかったはずだ。気のせいかと思っていたが、異動してきてからの態度がそうではない事を物語っていた。なのに、さっきから好きだと言っているのは何なんだ?
「…じゃ、結婚するか?」
魔が差したというか、悪戯心が湧いた。一つ、賭けをしよう。
(もう遅いし、早く寝てくれ…)
これ以上深入りしない方がいいだろう。俺を嫌っていた筈なのだ、酔ってこんな姿を見られるのは本意ではないだろう。そう思ったのに…
「ね~ふくらんひょ~(ねぇ、副団長)」
「……何だ?」
「ねよ~(寝よう)」
「……は?」
今…なんて言った?言われた意味が直ぐには理解出来なかった。
「うわっ!」
どうしたものかと逡巡していると、突然腕を引かれてベッドの上に倒れこんでしまった。それだけならまだよかったのだが…
「な、何するんだ?」
笑顔のままの彼女が、俺に覆いかぶさってきた。さすがにこれはマズいだろう…部下に手を出す趣味はない。しかも彼女は王太子殿下に護るように頼まれている相手だ。
「にゃにって…いっちょにねりゅの~(何って、一緒に寝るの)」
「わっ」
何かを言った途端、返事をする間も与えられずに彼女が抱きついてきた。胸に柔らかい感触が押し付けられる…マズい…色んな意味で…
「おい、落ち着け!」
「おちちゅいてまひゅよ~(落ち着いてますよ)」
「いや、落ち着いてない。酔った勢いはやめておけ」
「ええ~ふくだんひょ~いやにゃの?(副団長、嫌なの?)」
「え?い、いや…」
「いやにゃんだぁ~やっぴゃりわちゃひのきょと、きりゃいにゃんだ…(嫌なんだ、やっぱり私の事、嫌いなんだ…)」
途端にしゅんと泣きそうな表情になって、焦った。もしかして泣き上戸なのか?それはそれで非常に厄介なのだが…
「き、嫌いなんて、そんな事ないぞ」
「でみょ、だりぇもきゅーきょんしてくりぇなきゃったし…(でも、誰も求婚してくれなかったし)」
「そうか?でもミュッセ嬢は優秀で美人で、妻としては理想的だと思うぞ?」
「しょうにゃの?ふくだんひょ~もしょうおみょう?(そうなの?副団長もそう思う?)
(……どうするんだよ、これ…)
うるうるとした目が殺人的な可愛らしさなんだけど…しかも今は俺の上で上半身を持ち上げているから、豊かな胸が至近距離だ…落ち着け俺、相手は部下だ。
「ああ、そう思うぞ」
「しょう?じゃぁふくあんひょ~とけっきょんしゅる(そう?じゃ副団長と結婚する)」
「は?」
「だめにゃの?(ダメなの?)」
「え…い、いや、俺は結婚は…」
「…や、やっぴゃりわちゃひにゃんて…だりぇもけっきょんしたくにゃいんだ…(やっぱり私なんて、誰も結婚したくないんだ…)」
そう言って泣き出してしまった。参った、酔っ払いが泣くと宥めるのが大変なんだが…
(…ったく、どうしてこうなったんだ?俺が何したっていうんだよ…)
正直言って、彼女にはいい印象はなかった。学園時代から知ってはいたが、いつも睨まれていたからだ。話した事もないし、接点もなかったはずだ。気のせいかと思っていたが、異動してきてからの態度がそうではない事を物語っていた。なのに、さっきから好きだと言っているのは何なんだ?
「…じゃ、結婚するか?」
魔が差したというか、悪戯心が湧いた。一つ、賭けをしよう。
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