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媚薬の効果、再び…
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それから二日ほど経った日の午後、再び媚薬のせいで酷い目に遭った。突然身体が疼きだしたのだ。
(な、何なの…?)
戸惑い、自分の体に起きている事が信じられなかったけれど、それでもすぐに理由が思いついた。あの、王女に飲まされた媚薬のせいだ。
副団長はあれには副作用があると言っていた。一週間ほどはあの媚薬の効果が現れる可能性があるので気を付けるようにと。そして、我慢すると心身に悪影響があるとも。
(でも…一体どうしろと…)
さすがに治療をお願いするのは…私の羞恥心とプライドが許さなかった。ううん、違う、これはプライドじゃない。これ以上近づいたら…後戻り出来なくなりそうだったのだ。何が…なんて考えるのもダメな気がした。
だから我慢した。半日ほど我慢したけれど、下腹部に溜まる熱に耐えきれなくなって、水風呂に入ってみた。こうすればこの熱も少しは落ち着くかと思って。なのに…
(余計に熱く感じるなんて…)
身体が冷えていく一方で、下腹部の熱を一層強く感じるだけだった。それでも水風呂から出ると一気に熱が爆発しそうで、出るのも怖かった。でも、結局は侍女に見つかってしまい、その後副団長が戻ってきた。
「エリアーヌ嬢!何をしている?!」
濡れるのも気にせず、彼は水風呂で動けなくなった私を抱き上げてベッドに運んでくれたけど…その頃には恥ずかしい気持ちも薄れていた。身体を冷やし過ぎたのと、媚薬の効果で意識が朦朧とし始めていた、のだろう…
結局熱に負けて、いわゆる…そう、治療をして貰った。今度は意識も残っていたから、そりゃあもう大変だった。恥ずかしくて死にたくなるし、でも筆舌に尽くし難い気持ちよさで、恋愛小説で昇天するとか虜になるって書いてあったのはこういう事なのかと思い知らされた。媚薬のせいで余計にそう感じたのかもしれないけど…
最初の時は全くと言っていいほど覚えていなかったけれど、今回はしっかり記憶に残った一夜だった。何よりも印象に残ったのは、副団長の色気駄々洩れのエロボイスとエロボディだった。彼は…脱いでも凄かった。思い出したら今すぐにでも鼻血が出そうなくらいに。
(…こ、これで落ちない女性なんていないでしょ…)
誤算だったのは、自分の中にまだ少女の様な感情が残っていた事だ。今になって迂闊にもときめいてしまったのだ、副団長に。そりゃあ、好みドストライクのイケメンだし、仕事は出来るし頼りになるし、私の中にあった首席絡みの積年の恨みもなくなってしまったので、この展開は仕方ないのかもしれない。我ながらチョロい…と思わざるを得ない。虚しい…
目が覚めた時、副団長の姿はなく一人だった。副団長と顔を合わせずに済んだ事にホッとする一方で、一人残された事にチクリと胸が痛んだ。私と副団長はそういう関係じゃないし、こうなったのも治療のためなのだと自分に言い聞かせた。
(そう、治療なのよ…)
ベッドの上に寝転がり、天井を眺めた。治療と言ったのは、ちっぽけな私のプライドを守るためだった。私と副団長は上司と部下で、この婚約は契約で仕事の一環なのだ。私達の間に甘い何かなんて欠片も存在していない。
しかも私は一方的な理由で彼を敵視し続けてきた。それもつまらない嫉妬とプライドからで、最悪な事にその事を知られているのだ。
こんな状態で、惚れただなんてどの口が言えるだろう。そんな恥知らずな事を言える筈もないし、副団長だってこんな年増の可愛げのない女に好意を寄せられても迷惑でしかないだろう。私だったら引く。ドン引きだ。
(…早く、この契約が終わって欲しい…)
契約が終わったら、元いた会計監査局に戻りたいと切に思った。超がつくブラック職場だったけれど、余計な事を考える暇がないほどに忙しいあの場所が、今は懐かしいどころかいっそ恋しく思えた。
(な、何なの…?)
戸惑い、自分の体に起きている事が信じられなかったけれど、それでもすぐに理由が思いついた。あの、王女に飲まされた媚薬のせいだ。
副団長はあれには副作用があると言っていた。一週間ほどはあの媚薬の効果が現れる可能性があるので気を付けるようにと。そして、我慢すると心身に悪影響があるとも。
(でも…一体どうしろと…)
さすがに治療をお願いするのは…私の羞恥心とプライドが許さなかった。ううん、違う、これはプライドじゃない。これ以上近づいたら…後戻り出来なくなりそうだったのだ。何が…なんて考えるのもダメな気がした。
だから我慢した。半日ほど我慢したけれど、下腹部に溜まる熱に耐えきれなくなって、水風呂に入ってみた。こうすればこの熱も少しは落ち着くかと思って。なのに…
(余計に熱く感じるなんて…)
身体が冷えていく一方で、下腹部の熱を一層強く感じるだけだった。それでも水風呂から出ると一気に熱が爆発しそうで、出るのも怖かった。でも、結局は侍女に見つかってしまい、その後副団長が戻ってきた。
「エリアーヌ嬢!何をしている?!」
濡れるのも気にせず、彼は水風呂で動けなくなった私を抱き上げてベッドに運んでくれたけど…その頃には恥ずかしい気持ちも薄れていた。身体を冷やし過ぎたのと、媚薬の効果で意識が朦朧とし始めていた、のだろう…
結局熱に負けて、いわゆる…そう、治療をして貰った。今度は意識も残っていたから、そりゃあもう大変だった。恥ずかしくて死にたくなるし、でも筆舌に尽くし難い気持ちよさで、恋愛小説で昇天するとか虜になるって書いてあったのはこういう事なのかと思い知らされた。媚薬のせいで余計にそう感じたのかもしれないけど…
最初の時は全くと言っていいほど覚えていなかったけれど、今回はしっかり記憶に残った一夜だった。何よりも印象に残ったのは、副団長の色気駄々洩れのエロボイスとエロボディだった。彼は…脱いでも凄かった。思い出したら今すぐにでも鼻血が出そうなくらいに。
(…こ、これで落ちない女性なんていないでしょ…)
誤算だったのは、自分の中にまだ少女の様な感情が残っていた事だ。今になって迂闊にもときめいてしまったのだ、副団長に。そりゃあ、好みドストライクのイケメンだし、仕事は出来るし頼りになるし、私の中にあった首席絡みの積年の恨みもなくなってしまったので、この展開は仕方ないのかもしれない。我ながらチョロい…と思わざるを得ない。虚しい…
目が覚めた時、副団長の姿はなく一人だった。副団長と顔を合わせずに済んだ事にホッとする一方で、一人残された事にチクリと胸が痛んだ。私と副団長はそういう関係じゃないし、こうなったのも治療のためなのだと自分に言い聞かせた。
(そう、治療なのよ…)
ベッドの上に寝転がり、天井を眺めた。治療と言ったのは、ちっぽけな私のプライドを守るためだった。私と副団長は上司と部下で、この婚約は契約で仕事の一環なのだ。私達の間に甘い何かなんて欠片も存在していない。
しかも私は一方的な理由で彼を敵視し続けてきた。それもつまらない嫉妬とプライドからで、最悪な事にその事を知られているのだ。
こんな状態で、惚れただなんてどの口が言えるだろう。そんな恥知らずな事を言える筈もないし、副団長だってこんな年増の可愛げのない女に好意を寄せられても迷惑でしかないだろう。私だったら引く。ドン引きだ。
(…早く、この契約が終わって欲しい…)
契約が終わったら、元いた会計監査局に戻りたいと切に思った。超がつくブラック職場だったけれど、余計な事を考える暇がないほどに忙しいあの場所が、今は懐かしいどころかいっそ恋しく思えた。
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