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―――――第4部―――――
7話「君が、離れないために。」㊲
しおりを挟む冷めた、カレーのにおいから、
逃げて。
道を、引き返すと、
桜が立っていた場所には、
貸していた料理の本が、落ちていて。
それの端を、
力ない手で、掴んだ。
そして、家の前に、着き。
地面に落ちている、
自分のリュックが、目に入って。
ぼんやりと、それを拾い。
そうすると
チャックが開いているのが、見え。
……違和感を、覚えて。
リュックの中の、
そのペンケースを手に取ると、
桜のくれた、ストラップが、
なくて。
体が、冷たくなる感じがしながら、
奥へ手を突っ込み。
すると、
指先に、柔らかい物が当たり。
取り出すと、
マスコットだけが、掌に乗っていて。
今までそこにあった、
紐は、
切れていた。
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