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「この世界は、私に優しくない。」終
しおりを挟むしっかりと、言い切って。
「おれは、
…
今の
母さんが、
1番、
好き だよ。」
私に
真っすぐに、
言葉を
向けてくれた。
私は、
碧に、
背を向けて。
「……
ありがとう…。」
高めの声を、出して。
碧に、
今の顔を、
見られないように、
そのまま、
部屋に戻って。
部屋の中で、
…自然に
溢れてくる
涙を、
流した。
…その
碧の言葉に、
私は
…救われて。
本当に、
私は、
碧が
…好き だなって、
感じて。
…本当に、
碧が
…大事で、
愛おしい
って、思った。
そして
私は、
強く、思った。
…優しくない
この世界で、
私のことを、
“好き” と言ってくれる、
優しい、碧にとって、
…優しい人に、なりたい。
碧のことを、
ちゃんと、見て。
碧のことを、
丸ごと、受け入れて。
…碧自身の
“幸せ” を、
考えて。
願って。
そのために、
…生きて、いこう。
…碧のために、
私は、
生きていきたい。
碧が、
…
“生まれてきたく
なかった”
なんて、
絶対に、
この先
一生
思うことが、ないように。
私は
碧にとって、
優しい人で、あり続ける。
…“普通”でも、
“特別”でもない、
変な、
私だけど。
たくさんの人がいる、
この世界で、
…私みたいな人が、
いたって、
…いいよね。
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