ν - World! ――事故っても転生なんてしなかった――

ムラチョー

文字の大きさ
35 / 330
一章

三十二話 ミアリギス

しおりを挟む
「さて、好きなものを……と言われてもな」

 眼の前に並べられた武器を見渡す。
 威力不足の補いという意味から、俺の持ってるショートソードよりも重そうな物ばかりだ。
 この際だから俺でも威力を出せる武器を見繕いたいところだけど……

 今のモノより切れ味が良い使い慣れた片手剣……というだけなのは駄目だな。
 当然あるに越したことはないというか、あったほうが絶対いいんだが。
 ただ、今回は一つだけという話だからな。
 現状でも火力不足とはいえ十分使えるショートソードがあるのだから片手剣はそれを使えばいいし、であれば自分に合う新しい武器を見繕ったほうが良いだろう。

 片手で使う武器であまり重すぎると俺の力じゃマトモに振れないだろうし、どうせなら両手持ちの長物なんかが良い気がする。
 長物系の武器はまだ一度も振ったこと無いし、あるもの全部確かめてみるしか無いか。
 理想で言えばツヴァイハンダーとかの両手剣がカッコいいと思うんだが、この際見た目の好みよりも実際の手触り優先で決めよう。

 まずは両手剣。コレを基準に他の武器の使い勝手を見るか。
 まぁ、使い勝手は見たとおり……というか見た目以上に重いな。
 今の俺の力だと全力で振り回すと重さと遠心力で思い切り身体が流される。
 コレは少し厳しいか?
 ただし、刀身が長いから攻撃範囲はかなり広いな。
 手元からかなり遠くまで攻撃間合いがあるし、威力も片手剣とは比べ物もならないくらい高そうだ。
 力任せに叩きつけるだけでぶった切れそうな勢いがある。

 では斧はどうか?
 これは数度振って諦めた。
 先端に両刃のついたラブリュスとバルディッシュの2つがあったが、バルディッシュはともかくラブリュスは肩がスッポ抜けるかと思った。
 単純に俺自身のガタイも体重も筋力も足りていない。
 バルディッシュの方は思いの外使い勝手が良い。
 重いことには変わりがないが絵が長い分持ち手の位置を自由にできるから両手剣に比べて取り回しが多少楽なのだ。
 これは、割と有りかもしれんな。

 次は槍だが、これはかなり使いやすい。
 斧に比べてやや軽く間合いを取りやすいのが良いな。
 突き、切り払い、取り回しやすいから柄を使えば打撃も出来る。
 斧や両手剣に比べて一撃の威力は落ちてしまうが片手剣よりは威力があるし、何よりリーチと取り回しやすさがかなり良い。
 これも有りだな。
 というかこれがかなり良い感じだ。
 求めている威力という点で、今よりは良いってレベルでしか向上してないという問題点はあるけど、この取り回しは結構理想的な感じがしていい。
 キープだなキープ。

 次は……戦鎚か。
 斧と対して変わらん気もするが……
 ううむ、やっぱり触り心地はあまり変わらないな。
 刃がないから耐久性はあるかもしれんけど、俺にとってはラブリュスと同じで流石にコレは重すぎる。
 戦闘中に肩が外れそうだし、コレはなしだな。

 他に両手武器はなにか……これもそうか。
 これは、何だ?
 ハルバート……ではないよな?
 本来ハルバートの斧があるべき部分に先の尖った刃がついている。
 死神の鎌っぽい形ではあるけど、鎌にしては刃が短くて刈り取る様な使い方はできそうにない。
 とはいえ、鎌槍かと言われるとそういう訳でもない。
 これはあれか、見た目そのまま鎌槍ってやつの仲間かね。
 俺の知ってる……といってもRPGの知識でしか無いが、鎌槍ってこんな形してたっけか?。

 ううむ……?

 横刃の形状以外はほぼハルバートと違いはない。
 槍より多少重いが、これはこれで火力アップにはなるか。
 槍の穂先で切り払う、というより横刃の先で突き刺すようななぎ払いになるが、鎧みたいな硬い殻もってる奴にはむしろこっちのほうが良いか……?
 取り回しはやりとほぼ同じで問題ないな。
 普通のハルバートがあれば使い比べて見たかったけど、無いものは仕方がないな。
 かなり見た目は特殊な感じがするけど、ハルバートとザグナルの間の子位の感覚で使えば良いのか。

 柄を長く持てば遠くの敵を突けるし、遠心力を使って横刃で引き裂いたりもできる。
 十文字槍みたいに刃が開いてるから相手も避けにくいだろうし、手元に入られても柄を短く持ってやれば物騒な横刃のお蔭である程度は捌けるだろう。
 やや重いのが気にかかるが、両手剣やバルディッシュよりは軽いし扱いやすい。
 槍よりも威力は高そう……というか鎧とかに対する突破力だけなら先が尖ってる分コレのほうが強いかもしれない。
 もうちょっと刃が長ければ死神の鎌っぽくて中二心をくすぐるんだが。
 まぁ、実際鎌があってもあんなの振り回すのはよっぽどじゃないと無理だろうし、案外これでいいのかもしれないな。

「よっ……」

 何度か振り回したり突いたりを繰り返してみたが、やはり選ぶとしたら槍かこの中途半端な鎌っぽいハルバートだな。
 槍は今の俺の筋力でも普通に扱える。
 割と大振りしても武器に身体を持ってかれる感じがほとんどしないのが実に良い。
 突きを外しても、割と穂先が長いからそのまま薙ぎ払って切り裂くこともできる。
 咄嗟に刃を相手に向けるのになれが必要かもしれんが、まぁそれはどの武器でも同じだろう。

 一方、この鎌槍は俺の筋力ではやや持て余す。
 ただ、少し鍛えれば普通に使いこなせるようになるとは思う。
 多少重いが、思ったとおりには一応振り回せはするからな。
 穂先を持って振り回すと流石に身体が泳ぐが、そこはまぁ自分の体の成長に合わせて柄の長さを調節すればどうとでもなるだろう。
 そして重い分威力も当然高くなる。
 本来の目的が火力の強化だったから、トレードオフの具合で言えば多少の扱い難さは十分相殺できる。

 即戦力としては槍だろう。
 だが、先のことを考えると……
 ここは、あえて冒険してみるのも有りだよな。
 問題なのは重さだけで、取り回しは問題ないという事は、つまりは俺に力がつけば使いこなせるという事でもある……はず。
 だったら、現実的に火力アップも見込めるこのへんてこなハルバートが、俺が使うべき長物武器だ。

 よし決めた。
 これで行こう。
 使い勝手にそれほどの差がないのなら、せっかくなら面白そうな方を選んだほうが吉だろ。
 取り敢えずはこの鎌槍を使いこなせる程度まで使い倒してみようか。

 再び、振り回す。
 今度はさっきと違い、自分にとっての必要な――可能な動きを突き詰める。
 片手突きから両手突き、手元を払うような切り払いから長柄持ちのなぎ払い。
 重心移動と遠心力を使った渾身の一撃。
 まだ、全力では振り切れない。
 握力が足らない。
 筋力が足らない。
 重心移動と流れを捌く足運びが出来ていない。
 だから、今できる部分を出来る限りで埋めていく。

 今はとにかく振って、振って、振り回して違和感を探し続けるだけでいい。
 足らない部分を探し出せば、つまりはそれがこれからの俺の詰めるべき改善点だ。
 今すぐに治す必要はない。
 そうせ付け焼き刃でどうにかなるようなものではない事ぐらい俺だって理解している。
 今すぐ治せるような物でもないのなら、身体を作りながら改善していけばいいだけなのだから。

 武術なんて子供の頃に稽古で空手と剣道をすこしだけ習った程度だ。
 練習方法の参考にはなるかもしれんが、戦い方をどうこうという意味では殆ど役になんて立たないだろう。
 
 俺が人よりも優れていることなんて対戦ゲームくらいしかない。
 だったら今まで通りその知識を生かしてやればいい。
 同じ身体を使うことでもリアルでの戦いではゲームの知識なんてそれこそ大した役には立たないだろう。
 ただし、この世界でなら話は別だ。
 果てしなくリアルではあってもコレはあくまでゲームなんだ。
 俺の身体もリアルのものより遥かに頑丈だし身体性能もいい。
 才能だって俺より優れているのか、鍛えた分だけちゃんと強くなっていくのがよく分かる。
 しかもスキルなんて便利なものまであるわけだ。
 何より、俺より遥かにレベルの高いライノスやSADに対して俺のやり方が普通に通用したのが一番でかい。
 SAD達は俺のプレイングがジャンルゲームの間違えてるとか言っていたが、その結果として遥か格上相手に戦いになっているんだから、一般的でなかったとしても間違ってはいないんだと思う。

 例え他人と違っておかしな事をしていたとしても、それで結果が出るならそれで良い。
 ならば俺がやるのはトレモ練習だ。
 繰り返し繰り返し、身体が慣れるまで只管繰り返す。
 重要なのは一度に与えるダメージじゃない。
 それは武器を変えたことで既に手に入れている。
 自分の身体で繰り出せる、最も攻撃が途切れない連携法。
 攻め続け、固め続け、反撃を許さない継続性と状況有利を常に取れるように。
 鋭く早く、隙は小さく戻しは早く。
 受け止められても常に次の攻撃を重ねられる立ち回りを意識する。
 派手なだけの一撃は要らないが、威力のデカイ一発技は見せるだけで牽制になる。
 必要なのはどう派手か。
 テレフォンパンチで問題ない。
 重要なのは、避けられたり受け切られたりしたときにどれだけこちらの隙を無くせるか。
 なら、では遅くても良いから、出し切った時の戻しをとにかく優先する。
 ガードされても状況有利を維持できればそれで良い。
 最悪当たらなくても、相手にとって「無視してはヤバイ」と思わせる一撃を見せられればそれで良い。
 それだけで相手は受けるか、避けるかの二択にハマる。
 ただでさえ突きは受けにくいだろうから、相手は避け主体になる可能性が高い。
 なら、用意するべき札は下がった相手への追撃と、横へ避けた相手への薙ぎ払いだろうから……
 いや、ここはあえて両対応の切り札を……
 ……
 …………
 ………………

「おいおい、熱中するのもいいがそろそろ日が暮れるぞ?」
「へ?」

 言われて、ようやく日が落ちかけていることに気がついた。
 ……あれ? もう夕方?

「あ、やばっエリスの昼飯……」
「それはウチで食ってたから問題ねぇよ。それよりお前だよ。飯に呼んだのにまるで聞こえやがらねぇ」
「ああ……なんかすいません。ちょっとコレの扱いに熱中しすぎたみたいで……それでエリスは?」
「稽古は昼前に終わったからな。二人で遊びに行ってるよ。ちゃんと声かけてったんだがな」
「全然気付かんかった……」
「集中することは悪いことじゃあ無いが、しすぎて他のものが目に入らなくなるのも良い傾向とはいえんな」
「おっしゃる通りで」

 視野狭窄云々を注意されたばかりだったのに、似たようなことまた繰り返すとはなぁ。
 昔からトレモ練習してると気がつくと日付変わってたりしたが、確かにトレモのつもりでやってはいたけど自分の体を動かしていても同じ様になるとはなぁ。

「それにしても目をつけたのがミアリギスたぁ、ずいぶんとまた変わり種に目をつけたもんだが、見た感じお前さんには結構馴染んでいたみたいだな」
「ミアリギス?」
「武器の銘だよ。刃の付け根に彫ってってあるだろう?」

 言われてみれば確かになにか文字が彫ってある。
 まぁ読めないんだが。

「すいません、こっちの文字はどうにも読めなくて」
「その言い方だと読み書きを習ったことはあるがこの文字が解らないって感じか。だとしたら、相当遠くから来たってことだろうなぁ。この文字は地続きのここいら全土で普及してるはずだからな」
「言われてみれば今まで全部会話だけで、文字は一切使わなかったから今の今まで文字のことをすっかり忘れてましたよ」
「まぁ、文字なんて読めるヤツのほうが少ねぇから気にすんな。ちなみにその堀文字のミアギリスは古い言葉で『貫く牙』という意味らしいが……まぁ当時古語の発音にハマった師匠が作ったものことごとくに古い言葉を使った銘をつけるのがブームだったから特別な意味とかは特に無くて、多分適当に格好良さげな言葉をつけただけだと思うぞ?」

 何ということでしょう。
 ネトゲの世界にも中二病患者がいるようだ。

「ここにあるものは一通り触ったことがあるからな。何かあればアドバイスしてやっても良い。ただし……」
「明日を乗り切ってから……ってことですね」
「そういうこった。昼飯抜きで身体を動かしまくったんだ、今日は飯食ったらすぐ寝ろ。夜明け前に男衆は村の入口に集合だからな。明日に疲れ残すんじゃねぇぞ?」

 確かに、訓練しすぎて当日疲れて動けませんでした、は流石に洒落にならない。
 今日は忠告に従って大人しく早めに寝ておくか。

 はてさて、明日はどうなることやら。


---------------------------------


お盆の帰省により続きは盆明けからになります。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

処理中です...