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三章
百四十二話 仕事帰り
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深夜街に戻ってから、門が閉じている事を思い出した。
リアルではそもそも街に門なんてないし、こっちでも深夜に街に入った事は無かったからすっかり忘れていた。
さてどうしたもんかと考えていたら、大きな門の隣、通用口のようなところから門兵が出てきた。昼の人とは別の人だ。
門はガッツリ閉じちまってるし、多分無理だと思うが一応ダメ元で聞くだけ聞いてみるか。
「協会の依頼をこなして戻ってきたんですけど、入ることは出来ますか?」
「それを証明できるものはあるか?」
証明か。身分証明みたいなのは無いが……
「えっと、これでも良いですか?」
とりあえず協会から受け取った依頼票の半身と腕にはまった腕輪を見せる。
自分の出自の証明にはならないが、協会の依頼を受けたという証明にはなる筈。
「ふむ……依頼票とギアスリングか。依頼をこなしてきたと言ったが、証明物はあるか?」
「えぇ、この尻尾ですが……」
「そうだな、依頼表の内容とも一致している。よかろう、通ってよし」
実のところコレだけでは認めてもらえないと思っていたんだが、思っていたよりも随分とあっさり通過を認められたな。門を開けてもらう訳ではなく通用口からだったが通れるなら何でも良い。
セキュリティがしっかりしてるのかザルなのかイマイチ基準がよくわからんな。
まぁ、簡単に入れるのはこっちとしては楽で良いんだが。
協会への報告は……というかこの時間に開いてるのか? まぁ今日は疲れたから明日で良いか。
◇◇◇
さっさと宿に戻り、お湯をもらって汚れを落とした。
ついでに、念のために今日負った傷口を念入りに洗い
湯船につかってる訳でもないのに、汗を拭うだけでこの爽快感よ。これだから湯浴びはやめられんのだよなぁ。
しかし、今更になって思い返してみると一番簡単なランクの仕事とはいえ、結構面倒な依頼だったんじゃないだろうか。
今回は獲物が無駄に殺気立って襲い掛かってきてくれたから楽だったが、普段の臆病なシュリガーラの駆除依頼だった場合、臆病で小さくすばしこい獣を追い掛け回すのは相当手間だろう。
いくらスキルで強化されているとはいえ、真っ直ぐ逃げるシュリガーラに人の足で追いつくのはむりそうだったしな。
日雇い的な、こういう仕事で銭を得ようとなると、やっぱり簡単にはいかないって事か。一見楽に見えても、金が関わる以上はそう楽な事はない……って事だな。
流石に製品版はこんなシビアな事にはなってないとは思うが、ゲームだってのに世知辛い話だなまったく……
「うっ……ぉ……」
ベッドに転がって身体を伸ばせば、腰からバキボキと快音が聞こえる。
すばしこく走り回る獣を追い回していたからな。普段使わない筋肉使って身体が悲鳴上げてるのか。
獣なんて狩り慣れてると思ったが、喰う為の狩りと駆除のための狩りってのは、どうやら俺が思っていたよりも違うものだったようだ。
大した経験にならんと思っていたが、これだけの負担がかかっていたって事は、何かしら今までとは違うスキルが育ってるかもしれんな。
敵と戦えて金ももらえてラッキー、位に考えていたが、協会の仲介依頼をこなすのは思ったよりも良いアイデアだったのかもしれないな。
今までは自分がやりたいことをして、必要だと思った通りの訓練をしてきた。
だが依頼を受けるという形であれば、今回のように慣れない相手に手こずる事もあるかもしれない。あるいは予想だにしない相手と戦う機会もだ。
要するに、どこかしらで想定外が起きる可能性がそれなりにある。
そういう想定外によって無意識に避けているような敵やシチュエーションと否応なく直面する事になるというのは、苦手克服という点ではかなり有効なんじゃないだろうか。
別に訓練を好き嫌いしている訳じゃないが、やっぱり無意識に自分にとって楽な方に逃げるというのはあるだろうからな。
強制的に意図しないシチュエーションが発生するってのは、アリかもしれんなぁ。
しかも金まで入ってくる……レベル上げになるってだけでも十分価値はあるが、自分の不得意な戦いであっても収入というもう一つのモチベーションのお陰で、そこまで戦いが苦にならないってところが特にいい。
これはこの街に滞在している間、積極的に参加した方が良さそうだな。宿泊費とかチェリーさんに任せてるけど、武器の修理で結構カツカツっぽいし、大会が終わった後もしばらく滞在する事になりそうだからな。そうなると宿屋も新しく探さなきゃならないし、生活費はいくらあっても困らない筈だ。
……って、生活費は今は置いておいて、まずはレベリングの事を中心に考えねぇと。
ステータスやスキルの確認は……今はまだいいか。
コンシューマのRPGと違い、ネトゲみたいにレベルアップが遠いゲームだと、こまめにステータス確認しても伸びがそこまでないからちょっとした虚無感があるんだよな。
ふと気づいたときに思い出したように見るくらいが、ステータスとかゴリっと上がってて気持ちいい。スゲー強くなった気がして。
この間みたいに負けた時には自分に足りていないものを見直すために確認したりするつもりだが、ステータスが一つ二つ上がるたびに一々「思ってたステータスと違う」とか気にしてたらゲームなのにストレスたまってやってられん。
というかこのゲームはステータスが上がれば上がるほど、要求される時間が加速度的に増えていくという仕様だったはずだが、上がりにくいがステータスの最大値に限界は無かったはず。
相反するステータスやスキルというのもあった筈だから、すべてのステータスを満遍なく最高まで上げるというのは流石に無理だろうが、目的のステータスを一つ限界まで伸ばすだけなら必ずできる筈だ。
要するにやり直しがきく訳だ。もちろん、かかる時間を考慮しなければの話だが。
であれば、それこそパワーを上げようと思ってるのに全く上がらないとかそういう時に原因を突き止めるために確認するくらいで丁度良い。気にならん程度の上り幅ならそんなもんは誤差だ。
誤差程度の振れ幅なら、そんなものは技術で補える。
なら気一々にするだけ損だ。何らかの壁にぶち当たった時、その時に集中して突破口を作るくらいの気持ちで良いと俺は思う。
今回でいえば、大会後にこの街に来てやったことがどれだけの成果が出ているのか確認するくらいで丁度良いだろう。
チェリーさんなんかは毎日のように確認してるみたいだけどな。
まぁ、社会人は時間に縛りがあるし、パラメータを上げる時間をちゃんと計算してプレイしたいというのも分からんでもない。その辺は、単なるプレイスタイルの差でしか無いのだから、各人が自分にやった好きなやり方でやれば良いと思う。
そもそも、βテスト参加組でもレベル6でも1年、10に到達するのに理論値で十数年もかかるって話だったしな。そこまでサービス続いてんのか? って感じだ。
そんなことを考えていたら、眠気に襲われた。
横になっていたからというのもあるが、流石に普段使わない筋肉使って動いたから、身体が疲れていたんだろう。
ガキの頃プールで一日泳ぎまくった後とか、やたら腹が減って眠くなったのをよく覚えている。あれと同じ状況なんだろうと、寝ぼけた頭でぼんやりと思い浮かべる。
そして普段ならあり得ない位の寝つきの良さで、一瞬で意識を布団に刈り取られてしまった。
やっぱ布団はつえーわ……
リアルではそもそも街に門なんてないし、こっちでも深夜に街に入った事は無かったからすっかり忘れていた。
さてどうしたもんかと考えていたら、大きな門の隣、通用口のようなところから門兵が出てきた。昼の人とは別の人だ。
門はガッツリ閉じちまってるし、多分無理だと思うが一応ダメ元で聞くだけ聞いてみるか。
「協会の依頼をこなして戻ってきたんですけど、入ることは出来ますか?」
「それを証明できるものはあるか?」
証明か。身分証明みたいなのは無いが……
「えっと、これでも良いですか?」
とりあえず協会から受け取った依頼票の半身と腕にはまった腕輪を見せる。
自分の出自の証明にはならないが、協会の依頼を受けたという証明にはなる筈。
「ふむ……依頼票とギアスリングか。依頼をこなしてきたと言ったが、証明物はあるか?」
「えぇ、この尻尾ですが……」
「そうだな、依頼表の内容とも一致している。よかろう、通ってよし」
実のところコレだけでは認めてもらえないと思っていたんだが、思っていたよりも随分とあっさり通過を認められたな。門を開けてもらう訳ではなく通用口からだったが通れるなら何でも良い。
セキュリティがしっかりしてるのかザルなのかイマイチ基準がよくわからんな。
まぁ、簡単に入れるのはこっちとしては楽で良いんだが。
協会への報告は……というかこの時間に開いてるのか? まぁ今日は疲れたから明日で良いか。
◇◇◇
さっさと宿に戻り、お湯をもらって汚れを落とした。
ついでに、念のために今日負った傷口を念入りに洗い
湯船につかってる訳でもないのに、汗を拭うだけでこの爽快感よ。これだから湯浴びはやめられんのだよなぁ。
しかし、今更になって思い返してみると一番簡単なランクの仕事とはいえ、結構面倒な依頼だったんじゃないだろうか。
今回は獲物が無駄に殺気立って襲い掛かってきてくれたから楽だったが、普段の臆病なシュリガーラの駆除依頼だった場合、臆病で小さくすばしこい獣を追い掛け回すのは相当手間だろう。
いくらスキルで強化されているとはいえ、真っ直ぐ逃げるシュリガーラに人の足で追いつくのはむりそうだったしな。
日雇い的な、こういう仕事で銭を得ようとなると、やっぱり簡単にはいかないって事か。一見楽に見えても、金が関わる以上はそう楽な事はない……って事だな。
流石に製品版はこんなシビアな事にはなってないとは思うが、ゲームだってのに世知辛い話だなまったく……
「うっ……ぉ……」
ベッドに転がって身体を伸ばせば、腰からバキボキと快音が聞こえる。
すばしこく走り回る獣を追い回していたからな。普段使わない筋肉使って身体が悲鳴上げてるのか。
獣なんて狩り慣れてると思ったが、喰う為の狩りと駆除のための狩りってのは、どうやら俺が思っていたよりも違うものだったようだ。
大した経験にならんと思っていたが、これだけの負担がかかっていたって事は、何かしら今までとは違うスキルが育ってるかもしれんな。
敵と戦えて金ももらえてラッキー、位に考えていたが、協会の仲介依頼をこなすのは思ったよりも良いアイデアだったのかもしれないな。
今までは自分がやりたいことをして、必要だと思った通りの訓練をしてきた。
だが依頼を受けるという形であれば、今回のように慣れない相手に手こずる事もあるかもしれない。あるいは予想だにしない相手と戦う機会もだ。
要するに、どこかしらで想定外が起きる可能性がそれなりにある。
そういう想定外によって無意識に避けているような敵やシチュエーションと否応なく直面する事になるというのは、苦手克服という点ではかなり有効なんじゃないだろうか。
別に訓練を好き嫌いしている訳じゃないが、やっぱり無意識に自分にとって楽な方に逃げるというのはあるだろうからな。
強制的に意図しないシチュエーションが発生するってのは、アリかもしれんなぁ。
しかも金まで入ってくる……レベル上げになるってだけでも十分価値はあるが、自分の不得意な戦いであっても収入というもう一つのモチベーションのお陰で、そこまで戦いが苦にならないってところが特にいい。
これはこの街に滞在している間、積極的に参加した方が良さそうだな。宿泊費とかチェリーさんに任せてるけど、武器の修理で結構カツカツっぽいし、大会が終わった後もしばらく滞在する事になりそうだからな。そうなると宿屋も新しく探さなきゃならないし、生活費はいくらあっても困らない筈だ。
……って、生活費は今は置いておいて、まずはレベリングの事を中心に考えねぇと。
ステータスやスキルの確認は……今はまだいいか。
コンシューマのRPGと違い、ネトゲみたいにレベルアップが遠いゲームだと、こまめにステータス確認しても伸びがそこまでないからちょっとした虚無感があるんだよな。
ふと気づいたときに思い出したように見るくらいが、ステータスとかゴリっと上がってて気持ちいい。スゲー強くなった気がして。
この間みたいに負けた時には自分に足りていないものを見直すために確認したりするつもりだが、ステータスが一つ二つ上がるたびに一々「思ってたステータスと違う」とか気にしてたらゲームなのにストレスたまってやってられん。
というかこのゲームはステータスが上がれば上がるほど、要求される時間が加速度的に増えていくという仕様だったはずだが、上がりにくいがステータスの最大値に限界は無かったはず。
相反するステータスやスキルというのもあった筈だから、すべてのステータスを満遍なく最高まで上げるというのは流石に無理だろうが、目的のステータスを一つ限界まで伸ばすだけなら必ずできる筈だ。
要するにやり直しがきく訳だ。もちろん、かかる時間を考慮しなければの話だが。
であれば、それこそパワーを上げようと思ってるのに全く上がらないとかそういう時に原因を突き止めるために確認するくらいで丁度良い。気にならん程度の上り幅ならそんなもんは誤差だ。
誤差程度の振れ幅なら、そんなものは技術で補える。
なら気一々にするだけ損だ。何らかの壁にぶち当たった時、その時に集中して突破口を作るくらいの気持ちで良いと俺は思う。
今回でいえば、大会後にこの街に来てやったことがどれだけの成果が出ているのか確認するくらいで丁度良いだろう。
チェリーさんなんかは毎日のように確認してるみたいだけどな。
まぁ、社会人は時間に縛りがあるし、パラメータを上げる時間をちゃんと計算してプレイしたいというのも分からんでもない。その辺は、単なるプレイスタイルの差でしか無いのだから、各人が自分にやった好きなやり方でやれば良いと思う。
そもそも、βテスト参加組でもレベル6でも1年、10に到達するのに理論値で十数年もかかるって話だったしな。そこまでサービス続いてんのか? って感じだ。
そんなことを考えていたら、眠気に襲われた。
横になっていたからというのもあるが、流石に普段使わない筋肉使って動いたから、身体が疲れていたんだろう。
ガキの頃プールで一日泳ぎまくった後とか、やたら腹が減って眠くなったのをよく覚えている。あれと同じ状況なんだろうと、寝ぼけた頭でぼんやりと思い浮かべる。
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