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三章
百九十二話 坊主Ⅱ
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「貴様ら、大人しく聞いていれば……誰に向かって口を利いている!? 私はサルヴァの司教補佐だぞ!? 誰のおかげで日々平和に暮らせていると思っておるのか!?」
「………………?」
いきなり何いってんだこいつ?
突っ込みどころが多すぎて困るんだが、取り敢えず大人しく聞いてねぇだろ、さっきから五月蝿すぎるぞ……とでも返せば良いんだろうか?
「平和な暮らし! それは、我らが女神への祈祷……」
「そんなの、あんたら坊主が神頼みで他社から金をむしり取る方法を考えている間、必死に手を動かして暮らしていた連中のお陰だろ?」
「……な……にぃ!?」
大して何もしないくせに、金だけむしりに来る。だから宗教家は嫌いなんだ。
それで救われる奴も居るのかもしれんが、金をせびるならそういう救われてる奴だけにやれ。身内だけでやってりゃ誰も文句言わねぇのによぉ。
全く関係ない、救われても居ないコッチに絡んでくるなよマジで。
コッチは苦労していきてんのに、ただ祈ってるだけで大して手も動かさず、あげく自分たちのお陰で平和だとか、頭湧いてんのか。
「あるいは、この国で暮らしている以上は、上手いこと国を回している王様か? まぁ少なくてもアンタ等ではないことは確かだな。寧ろアンタん所の見ず知らずの頭のおかしい狂信者にいきなり斬りかかられて死にかけた事ならあるが、ソレがアンタの言う日々平和ってやつか?」
「そ、そんなはずあるまい! 貴様が神を冒涜するような……」
「その狂信者が言うには俺は特に悪くないらしいぜ? でも神がそう言ったから殺すとかドヤ顔で言ってたが。それも又聞きみたいだったがな」
「ば、馬鹿な……そんな者我らの同胞な訳……」
「知らんがな。俺にとってはサルヴァの狂信者に襲われた。そういう結果が残ってるだけだ。嘘だと思うなら……」
「……ハインリヒ。私の言うことなど聞く気はない、という事ですか?」
突然、横から口を挟まれ、何かと思って振り向いてみれば、そこに居たのはさっきの爺さん僧侶だ。
「どうやら引き返してきて正解でしたね。通りを挟んでも貴方の声が聞こえてきましたよ。住民の皆さんの迷惑を考えられないのですか貴方は?」
「カルコ司教! しかし……」
「黙りなさい。貴方を放置すれば女神様への信心すら汚されかねない。今すぐ、一切口を開かずに真っ直ぐ教会へ戻りなさい。それが出来ないというのであれば、私直々に破門してあげましょうか?」
「そんな!?」
「口を開かず……そう言いましたよ?」
「ぐ……」
流石に、破門は嫌だったらしい。
怒りに震えながらも、大人しく出口から去っていた。
……坊主がそんなひと目で分かるような怒りの感情を表に出すなよと、突っ込みたくなったが、流石に大人げないからやめておこう。
「大変申し訳ありません。アレも元は司教補佐という立場にあった者。分別くらいは弁えていると思っていたのですが……」
「元というか、思い切り司教補佐と名乗っていましたけどね」
「……聖職位の偽証は禁忌です。後でキツく問い詰めましょう。ご迷惑をおかけしました。後ほどあの者にも非礼を詫びさせに寄越します」
「貴方の謝罪をは受け取ります。ですが、彼は寄越さなくて結構です。今も、とても反省しているようには見受けられませんでした。ですので今後、当協会への一切の出入りを禁止とさせていただきます」
「……致し方ありません。あの者は神官位を一度剥奪し、修行のため本国へ帰還させようと思います」
「良いでしょう、私は女神を信仰している訳ではありませんが、今後二度と彼がこの街に関わらないことを女神へ祈りましょう」
うわきっつ!
スゲェ皮肉だが、それだけ腹に据えかねてたって事だろうな。
「どうやらコレではいずれまた交渉を……などと言える状況ではないですね。領主殿と話し合いの後にもう一度、と考えていたのですが」
「あの様な野盗の恫喝のような真似をされて、我々がそれを受けるとでも?」
「そうでしょうな。まさか身内によって妨害を受けるとは想定の範囲外でした。仕方ありません。私も今回の件でここを訪れるのは控えるといたしましょう」
「それがお互いの為に一番でしょう」
「残念です。では私もこれで失礼させていただきます。今回は当方の神官の無礼、大変申し訳ありませんでした。……貴方がたも」
一応コッチにもちゃんと配慮しているのか。
さっきのおっさんとはエライ違いだな。
「詫びついでに一つ聞きたいんだが……」
「何ですかな?」
「これは単純な疑問で、他意とかはないんだけど、坊主ってのは質素で禁欲的な修行とかして感情を抑えて人々の言葉に耳を傾ける……みたいな話を聞いたことがあるんだが」
仏教のせいなのか坊主=節制ってイメージがあるんだよな。
よくよく考えると他の宗教がどういった物なのかって実はよく知らんし。
豚だったか牛だったかの肉食っちゃいけねぇとか、昔は気に食わないやつを魔女とか言いがかりつけて処刑する悪趣味な民間向けエンターテインメントやってたとか、そういう断片的な知識しかない。
「ふむ……そうですね、確かに我々神に仕える者達は、皆法国の神殿でそういった修行を行います」
「ソレにしては、さっきのオッサンは、まるで俺等の話を聞こうとしているようには見えなかった。感情を抑えるどころか垂れ流し状態に見えたぞ? しかも、価値観の押しつけも酷く感じた。こう言っては何だが野盗と言われても文句の言えない有様だったぞ」
「……恥ずかしい話ですが、如何に修行を積んだとて、我らも人だということです。欲を抑える修行も、欲を抑えるために向き合うものではなく、ただ面倒な苦行としか捉えられない者も居る。嘆かわしい話ですがね」
へぇ? こういう話をぶっちゃけるのか。
てっきり、こういう後ろ暗い内容の話とかは隠すもんだと思ってたが……
「我々、神に仕える者は皆心が弱いのです。弱いから、女神の慈悲に縋りたくなる。矛盾して聞こえるかもしれませんが、信仰の対象に縋れるのなら、辛い荒行にも耐えられるほどに心が弱い。だから、欲を経つため、女神に見捨てられないように修行に励む。ですが、心の弱さ故に絶とうとする欲に溺れる者も出てきます。ハインリヒが何を思い修行していたかは定かではありません。ですが、私の補佐をしていた頃の彼は、少なくとも清廉な男でした。今の姿からは想像できないかもしれませんが」
まじで想像できねぇな。清廉な男がどうすればあんな事になるんだ?
とはいえ、言ってることは何となくわからんでもない。新興宗教にハマる人間ってのは、大抵何かしら失敗して心が弱ってるところを言いくるめられて……ってパターンが多いらしいしな。
弱いからこそ信仰にすがるという考え自体は理解できる。それに、心が弱いから修行があるのに欲に負ける、か。生臭坊主ってのはつまりそういう事なんだな。
「なるほど、何となくわかりました」
「他に何か聞きたいことはありますかな?」
「いや、俺は特に」
実はもう一つあるにはあるが……暗殺者を差し向けたのはアンタ等か? なんて流石に聞けねぇわな。
たとえ事実であっても認めるとは思わねぇし、そうでなかった場合、要らん事に首を突っ込むことになるかもしれん。その辺の危なそうな調査は王様の方に任せておいたほうが良いだろう。
「あ、ソレじゃ私からも一つ良いかしら?」
そう手を上げたのはチェリーさんだ。
珍しいな。バトル以外の事でNPCの会話に口を挟むとは思わなかったからちょっとびっくりした。
「なんでしょう?」
「この国は獣神信仰がかなりの幅を利かせているはず、そんな国で貴方達は布教活動を?」
「いえ、サルヴァは他国での大々的な布教は行っておりません。せいぜい、サルヴァ出身の者の親族が、協会を訪れて洗礼を望む程度でしょう。各国に我らの協会があるのは、法国出身者の為に置かせてもらっているという立場でしかないのですよ。我々神官や司祭というのは信者の為にこそ動くものですからね」
「あ、なるほど。そういう事ね」
リアルの日本でも大々的に布教活動して無くても、出張とかで入国してきた人用の宗教施設ってちらほらあったからな。そういう、他人に迷惑かけ無いものなら別に良いんだが……
「さて、もう宜しいですかな? それでは御暇させていただきます」
そう言って、老司祭は今度こそ協会から去っていった。
ソレにしても、思ったよりも考え方がまともだったな。
人の話を聞かない声のでかいオッサンや、神のためといえば殺しも正当化されるとか思ってる狂信者とかを見ると、サルヴァの女神信仰ってのはろくな宗教とは思えないが、少なくともまともな坊主も居るには居るってことか。
「あの爺さんはまともっぽかったのに、同じ宗教家で、どうしてああも破綻者が生まれるかね」
「あ、キョウくん気づいてない?」
「え? 何が?」
「あの司教のおじいさん、デカ声の神官の非常識な迷惑行動について丁寧に謝罪していたけど、そもそもの協会への脅迫じみた要請とかについては一切謝ってないよ?」
……え? あれ、そうだっけ?
結構色々謝られたような……?
「そうですね。重ねられた謝罪の全てはハインリヒという男の振る舞いに対してのみです。そもそも貴方がたが来るまで、彼は注意すらしていませんでしたし、第三者の目がなければ、暴言に対する謝罪すら無かったでしょうね」
「まじで?」
「マジマジ。あの爺さん、結構な狸だよねぇ」
「まぁ、分かりやすく含みを込めた言い方をしていたので、そこまで本気で言い逃れるつもりもなかったと思いますが」
やっべ、含みとか全然気が付かなかった。
つまりあの爺さんがその気なら、俺もころっと騙されていたかもしれないのか。こえぇな!
「………………?」
いきなり何いってんだこいつ?
突っ込みどころが多すぎて困るんだが、取り敢えず大人しく聞いてねぇだろ、さっきから五月蝿すぎるぞ……とでも返せば良いんだろうか?
「平和な暮らし! それは、我らが女神への祈祷……」
「そんなの、あんたら坊主が神頼みで他社から金をむしり取る方法を考えている間、必死に手を動かして暮らしていた連中のお陰だろ?」
「……な……にぃ!?」
大して何もしないくせに、金だけむしりに来る。だから宗教家は嫌いなんだ。
それで救われる奴も居るのかもしれんが、金をせびるならそういう救われてる奴だけにやれ。身内だけでやってりゃ誰も文句言わねぇのによぉ。
全く関係ない、救われても居ないコッチに絡んでくるなよマジで。
コッチは苦労していきてんのに、ただ祈ってるだけで大して手も動かさず、あげく自分たちのお陰で平和だとか、頭湧いてんのか。
「あるいは、この国で暮らしている以上は、上手いこと国を回している王様か? まぁ少なくてもアンタ等ではないことは確かだな。寧ろアンタん所の見ず知らずの頭のおかしい狂信者にいきなり斬りかかられて死にかけた事ならあるが、ソレがアンタの言う日々平和ってやつか?」
「そ、そんなはずあるまい! 貴様が神を冒涜するような……」
「その狂信者が言うには俺は特に悪くないらしいぜ? でも神がそう言ったから殺すとかドヤ顔で言ってたが。それも又聞きみたいだったがな」
「ば、馬鹿な……そんな者我らの同胞な訳……」
「知らんがな。俺にとってはサルヴァの狂信者に襲われた。そういう結果が残ってるだけだ。嘘だと思うなら……」
「……ハインリヒ。私の言うことなど聞く気はない、という事ですか?」
突然、横から口を挟まれ、何かと思って振り向いてみれば、そこに居たのはさっきの爺さん僧侶だ。
「どうやら引き返してきて正解でしたね。通りを挟んでも貴方の声が聞こえてきましたよ。住民の皆さんの迷惑を考えられないのですか貴方は?」
「カルコ司教! しかし……」
「黙りなさい。貴方を放置すれば女神様への信心すら汚されかねない。今すぐ、一切口を開かずに真っ直ぐ教会へ戻りなさい。それが出来ないというのであれば、私直々に破門してあげましょうか?」
「そんな!?」
「口を開かず……そう言いましたよ?」
「ぐ……」
流石に、破門は嫌だったらしい。
怒りに震えながらも、大人しく出口から去っていた。
……坊主がそんなひと目で分かるような怒りの感情を表に出すなよと、突っ込みたくなったが、流石に大人げないからやめておこう。
「大変申し訳ありません。アレも元は司教補佐という立場にあった者。分別くらいは弁えていると思っていたのですが……」
「元というか、思い切り司教補佐と名乗っていましたけどね」
「……聖職位の偽証は禁忌です。後でキツく問い詰めましょう。ご迷惑をおかけしました。後ほどあの者にも非礼を詫びさせに寄越します」
「貴方の謝罪をは受け取ります。ですが、彼は寄越さなくて結構です。今も、とても反省しているようには見受けられませんでした。ですので今後、当協会への一切の出入りを禁止とさせていただきます」
「……致し方ありません。あの者は神官位を一度剥奪し、修行のため本国へ帰還させようと思います」
「良いでしょう、私は女神を信仰している訳ではありませんが、今後二度と彼がこの街に関わらないことを女神へ祈りましょう」
うわきっつ!
スゲェ皮肉だが、それだけ腹に据えかねてたって事だろうな。
「どうやらコレではいずれまた交渉を……などと言える状況ではないですね。領主殿と話し合いの後にもう一度、と考えていたのですが」
「あの様な野盗の恫喝のような真似をされて、我々がそれを受けるとでも?」
「そうでしょうな。まさか身内によって妨害を受けるとは想定の範囲外でした。仕方ありません。私も今回の件でここを訪れるのは控えるといたしましょう」
「それがお互いの為に一番でしょう」
「残念です。では私もこれで失礼させていただきます。今回は当方の神官の無礼、大変申し訳ありませんでした。……貴方がたも」
一応コッチにもちゃんと配慮しているのか。
さっきのおっさんとはエライ違いだな。
「詫びついでに一つ聞きたいんだが……」
「何ですかな?」
「これは単純な疑問で、他意とかはないんだけど、坊主ってのは質素で禁欲的な修行とかして感情を抑えて人々の言葉に耳を傾ける……みたいな話を聞いたことがあるんだが」
仏教のせいなのか坊主=節制ってイメージがあるんだよな。
よくよく考えると他の宗教がどういった物なのかって実はよく知らんし。
豚だったか牛だったかの肉食っちゃいけねぇとか、昔は気に食わないやつを魔女とか言いがかりつけて処刑する悪趣味な民間向けエンターテインメントやってたとか、そういう断片的な知識しかない。
「ふむ……そうですね、確かに我々神に仕える者達は、皆法国の神殿でそういった修行を行います」
「ソレにしては、さっきのオッサンは、まるで俺等の話を聞こうとしているようには見えなかった。感情を抑えるどころか垂れ流し状態に見えたぞ? しかも、価値観の押しつけも酷く感じた。こう言っては何だが野盗と言われても文句の言えない有様だったぞ」
「……恥ずかしい話ですが、如何に修行を積んだとて、我らも人だということです。欲を抑える修行も、欲を抑えるために向き合うものではなく、ただ面倒な苦行としか捉えられない者も居る。嘆かわしい話ですがね」
へぇ? こういう話をぶっちゃけるのか。
てっきり、こういう後ろ暗い内容の話とかは隠すもんだと思ってたが……
「我々、神に仕える者は皆心が弱いのです。弱いから、女神の慈悲に縋りたくなる。矛盾して聞こえるかもしれませんが、信仰の対象に縋れるのなら、辛い荒行にも耐えられるほどに心が弱い。だから、欲を経つため、女神に見捨てられないように修行に励む。ですが、心の弱さ故に絶とうとする欲に溺れる者も出てきます。ハインリヒが何を思い修行していたかは定かではありません。ですが、私の補佐をしていた頃の彼は、少なくとも清廉な男でした。今の姿からは想像できないかもしれませんが」
まじで想像できねぇな。清廉な男がどうすればあんな事になるんだ?
とはいえ、言ってることは何となくわからんでもない。新興宗教にハマる人間ってのは、大抵何かしら失敗して心が弱ってるところを言いくるめられて……ってパターンが多いらしいしな。
弱いからこそ信仰にすがるという考え自体は理解できる。それに、心が弱いから修行があるのに欲に負ける、か。生臭坊主ってのはつまりそういう事なんだな。
「なるほど、何となくわかりました」
「他に何か聞きたいことはありますかな?」
「いや、俺は特に」
実はもう一つあるにはあるが……暗殺者を差し向けたのはアンタ等か? なんて流石に聞けねぇわな。
たとえ事実であっても認めるとは思わねぇし、そうでなかった場合、要らん事に首を突っ込むことになるかもしれん。その辺の危なそうな調査は王様の方に任せておいたほうが良いだろう。
「あ、ソレじゃ私からも一つ良いかしら?」
そう手を上げたのはチェリーさんだ。
珍しいな。バトル以外の事でNPCの会話に口を挟むとは思わなかったからちょっとびっくりした。
「なんでしょう?」
「この国は獣神信仰がかなりの幅を利かせているはず、そんな国で貴方達は布教活動を?」
「いえ、サルヴァは他国での大々的な布教は行っておりません。せいぜい、サルヴァ出身の者の親族が、協会を訪れて洗礼を望む程度でしょう。各国に我らの協会があるのは、法国出身者の為に置かせてもらっているという立場でしかないのですよ。我々神官や司祭というのは信者の為にこそ動くものですからね」
「あ、なるほど。そういう事ね」
リアルの日本でも大々的に布教活動して無くても、出張とかで入国してきた人用の宗教施設ってちらほらあったからな。そういう、他人に迷惑かけ無いものなら別に良いんだが……
「さて、もう宜しいですかな? それでは御暇させていただきます」
そう言って、老司祭は今度こそ協会から去っていった。
ソレにしても、思ったよりも考え方がまともだったな。
人の話を聞かない声のでかいオッサンや、神のためといえば殺しも正当化されるとか思ってる狂信者とかを見ると、サルヴァの女神信仰ってのはろくな宗教とは思えないが、少なくともまともな坊主も居るには居るってことか。
「あの爺さんはまともっぽかったのに、同じ宗教家で、どうしてああも破綻者が生まれるかね」
「あ、キョウくん気づいてない?」
「え? 何が?」
「あの司教のおじいさん、デカ声の神官の非常識な迷惑行動について丁寧に謝罪していたけど、そもそもの協会への脅迫じみた要請とかについては一切謝ってないよ?」
……え? あれ、そうだっけ?
結構色々謝られたような……?
「そうですね。重ねられた謝罪の全てはハインリヒという男の振る舞いに対してのみです。そもそも貴方がたが来るまで、彼は注意すらしていませんでしたし、第三者の目がなければ、暴言に対する謝罪すら無かったでしょうね」
「まじで?」
「マジマジ。あの爺さん、結構な狸だよねぇ」
「まぁ、分かりやすく含みを込めた言い方をしていたので、そこまで本気で言い逃れるつもりもなかったと思いますが」
やっべ、含みとか全然気が付かなかった。
つまりあの爺さんがその気なら、俺もころっと騙されていたかもしれないのか。こえぇな!
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