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結婚相手を交換したいと言いますが、あの男はやめた方がいいですよ?
7 メリットがないのはそちらでは?
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「……ところで、彼の前だったから聞かなかったのだが。妹は何故約束を破ったんだ?」
「ああ……それはですね……」
私は周りに人がいないことを確認し、更に小言でイケメンに耳打ちする。
身内の恥を曝すなんて本来ならすべきではないが、ザイック商団が情報ギルドに確認すれば直ぐにわかってしまうだろう。
ならば、こちらから正しい情報を相手に隠さず話した方が、相手への信用を示すこととなる。
その印象は今後取引や事業を一緒にしていく上で有利に働くだろう。
「……妹は、他の男性と結婚したいそうなのです」
私は言葉をやんわり包んで事実を伝える。
「誰だ?」
どストレートに聞かれて、仕方なく答えた。
「……ええと、マルンナータ伯爵令息なのですが」
「君の結婚相手じゃないか」
「えっ……?何故それを?」
私は目を丸くする。
私と伯爵令息はまだ顔を合わせたことはない。ただ、伯爵と伯爵夫人に婚約することを前提として、顔だけでも先に、とお見合いをセッティングさせられただけだ。
「マルンナータは、我が商団に大量の借り入れがあるからな。返済計画を聞いたところ、君の力で何とか返済していく、とそれはもう心強い返済計画を聞かされたぞ」
「……なんか、すみません……」
まだ嫁に行った訳ではないが、私が恥ずかしくなり思わず俯いた。
「君の妹の手腕に期待するとしよう」
「あの、それですが。妹は天使なのです」
「……は?」
「すみません、ハッキリ申しますと世間知らずなのです。なので、私が伯爵家の借り入れを少しずつですが返済致しますので!」
私はイケメンに縋る。
「ふむ……では、こうしよう。君は妹と婚約者を交換するんだ。つまり、クルトの伴侶になる」
「え?」
私は再び目を丸くする。
「クルトの妻になるのは嫌か?」
「え?え?いえ、私とクルト様ですか?とても紳士で優しくて愛嬌もあって、もし一緒になれたら凄く……癒されると思いますが」
ついでにお金もある。
妹はチビハゲデブなんて嫌だと言っていたが、私は全く気にならない。むしろあの男よりずっといい。
「ははは、君は相手の容姿はあまり気にならないんだな」
そう聞かれ、失礼だと思いつつも即答する。
「はい。ただ、私はそうでも、クルト様が私を気に入るかどうか……」
そっちの方が問題だ。
ミランダの容姿ならともかく私であれば、わざわざ貧しい男爵家を選ぶ必要はないだろう。
メリットがないのは狸さんの方だ。
「ああ……それはですね……」
私は周りに人がいないことを確認し、更に小言でイケメンに耳打ちする。
身内の恥を曝すなんて本来ならすべきではないが、ザイック商団が情報ギルドに確認すれば直ぐにわかってしまうだろう。
ならば、こちらから正しい情報を相手に隠さず話した方が、相手への信用を示すこととなる。
その印象は今後取引や事業を一緒にしていく上で有利に働くだろう。
「……妹は、他の男性と結婚したいそうなのです」
私は言葉をやんわり包んで事実を伝える。
「誰だ?」
どストレートに聞かれて、仕方なく答えた。
「……ええと、マルンナータ伯爵令息なのですが」
「君の結婚相手じゃないか」
「えっ……?何故それを?」
私は目を丸くする。
私と伯爵令息はまだ顔を合わせたことはない。ただ、伯爵と伯爵夫人に婚約することを前提として、顔だけでも先に、とお見合いをセッティングさせられただけだ。
「マルンナータは、我が商団に大量の借り入れがあるからな。返済計画を聞いたところ、君の力で何とか返済していく、とそれはもう心強い返済計画を聞かされたぞ」
「……なんか、すみません……」
まだ嫁に行った訳ではないが、私が恥ずかしくなり思わず俯いた。
「君の妹の手腕に期待するとしよう」
「あの、それですが。妹は天使なのです」
「……は?」
「すみません、ハッキリ申しますと世間知らずなのです。なので、私が伯爵家の借り入れを少しずつですが返済致しますので!」
私はイケメンに縋る。
「ふむ……では、こうしよう。君は妹と婚約者を交換するんだ。つまり、クルトの伴侶になる」
「え?」
私は再び目を丸くする。
「クルトの妻になるのは嫌か?」
「え?え?いえ、私とクルト様ですか?とても紳士で優しくて愛嬌もあって、もし一緒になれたら凄く……癒されると思いますが」
ついでにお金もある。
妹はチビハゲデブなんて嫌だと言っていたが、私は全く気にならない。むしろあの男よりずっといい。
「ははは、君は相手の容姿はあまり気にならないんだな」
そう聞かれ、失礼だと思いつつも即答する。
「はい。ただ、私はそうでも、クルト様が私を気に入るかどうか……」
そっちの方が問題だ。
ミランダの容姿ならともかく私であれば、わざわざ貧しい男爵家を選ぶ必要はないだろう。
メリットがないのは狸さんの方だ。
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